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安全フィルム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
現代の写真フィルムにはアセテートフィルムが使われている

安全フィルム英語: safety filmセーフティーフィルムとも)は、写真フィルムの一種。映画フィルム上に映像を記録する感光乳剤をアセチルセルローストリアセチルセルロース、あるいはポリエステル[1]に接着したフィルム・ストックのこと。これらは、すべて可燃性が低く、もし着火したとしてもゆっくり燃える。

1940年代までに映画用あるいは写真用に使われていたナイトレートフィルムは、ベースにニトロセルロースを使っていたため、常温でも非常に燃えやすく不安定であった。そのため、初期の映画の多くは、燃えたり腐食したりして永久に失われた。日本でも1984年フィルムセンター火災により映像ライブラリが痛手を負っている。

TACフィルム

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トリアセチルセルロース(TAC)をベース素材としたフィルム。1950年代から長らく主流だったが、TACフィルムを日本のような高温多湿の場所で長期保存した場合、徐々に加水分解・劣化することが判明した。これは劣化したフィルムから酢酸臭がすることからビネガー・シンドローム(Vinegar syndrome)と呼ばれている[2]公文書の保管に使われるマイクロフィルムもTACフィルムを利用しており、このビネガーシンドロームに対する対処法の研究が急がれている。

ポリエステルフィルム

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1990年代から市場導入された、アセテートフィルムよりも劣化が少ないとされる写真フィルム。アドバンストフォトシステムではPEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂がベース素材として採用された[3][4]。現在では、より強く長持ちするPET(ポリエチレンテレフタレート。通称「ESTERベース」)も使われている。

関連項目

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脚注

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  1. ^ 近年増加傾向にある
  2. ^ Adelstein, P.Z.; Reilly, J.M.; Nishimura, D.W. & Erbland, C.J. (May 1992). “Stability of Cellulose Ester Base Photographic Film: Part I-Laboratory Testing Procedures”. SMPTE Motion Imaging Journal 101 (5): 336. doi:10.5594/J02284. ISSN 1545-0279. 
  3. ^ APSの市場導入は1996年
  4. ^ 出典:"須藤正夫、新しいポリエステル樹脂と包装材料"

外部リンク

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