コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ビアンカ・ナイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビアンカ・ナイト Portal:陸上競技
選手情報
ラテン文字 Bianca Knight
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
競技 陸上競技短距離走
種目 100m, 200m
大学 アメリカ合衆国の旗 テキサス大学オースティン校
生年月日 (1989-01-02) 1989年1月2日(35歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 ミシシッピ州パール
身長 160cm
体重 61kg
成績
オリンピック 4x100mR:優勝(2012年
世界選手権 4x100mR:優勝(2011年
国内大会決勝 全米選手権
100m:5位(2010年, 2012年)
200m:4位(2011年)
自己ベスト
50m 6秒28(2012年)
60m 7秒16(2008年)
100m 11秒07(2008年)
200m 22秒35(2011年)
22秒25w(2008年)
獲得メダル
陸上競技
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
オリンピック
2012 ロンドン 4x100mR
世界選手権
2011 大邱 4x100mR
世界リレー
2014 ナッソー 4x200mR
パンアメリカンジュニア選手権
2007 サンパウロ 200m
世界ユース選手権
2005 マラケシュ 100m
2005 マラケシュ メドレーR
2005 マラケシュ 200m
編集 テンプレートのヘルプを表示する

ビアンカ・ナイトBianca Knight1989年1月2日 ‐ )は、アメリカ合衆国ミシシッピ州パール出身の陸上競技選手。専門は短距離走100mで11秒07、200mで22秒35の自己ベストを持つ。2012年ロンドンオリンピック女子4×100mリレーの金メダリストであり、同種目の世界記録保持者である。

経歴

[編集]

高校時代まで

[編集]

12歳の時に陸上競技を始めた[1]。高校はミシシッピ州にあるリッジランド・ハイ・スクール (enに進学すると、2007年に200mで22秒97の室内全米高校記録を樹立[2]、2006年ナイキ選手権(Nike Outdoor Nationals)と2007年全米ジュニア選手権の女子200mで全米タイトルを獲得するなど、全米高校屈指のスプリンターに成長した[3]。また、州レベルでは100mで200mでミシシッピ州高校記録を樹立し、15の個人種目(100mで6、200mで5、400mで4)を含む計23のミシシッピ州タイトルを獲得する活躍を見せた[4][5]。2006年にはゲータレード全米最優秀女子陸上競技選手賞(Gatorade National Girls Track Athlete of the Year) をミシシッピ州の選手として初めて受賞した[3]

2005年世界ユース選手権

[編集]

2005年7月の世界ユース選手権に出場すると、女子100mの予選で11秒38(+1.8)の今季ユース世界最高記録をマーク。準決勝は11秒44(-0.5)とタイムを落としたものの、決勝では再び11秒38(-0.1)の今季ユース世界最高記録タイで金メダルを獲得した[6]。女子200mは23秒33(+0.7)の2位で優勝を逃したが、アメリカチームの3走を務めたメドレーリレーは2分03秒93の今季ユース世界最高記録での優勝に貢献し、100mとの2冠を達成した[7]

2006年

[編集]

2006年8月8日にユージーンで行われた競技大会の女子4×100mリレーでアメリカジュニアチームの1走を務め、1999年にアメリカチームがマークした43秒38を更新する43秒29のジュニア世界記録樹立(当時)に貢献した[8]。しかし、この大会で負傷したため、出場予定だった1週間後の北京世界ジュニア選手権に出場することはできなかった[9]

大学時代

[編集]

2008年全米学生室内選手権

[編集]

テキサス大学オースティン校に進学すると、2008年3月の全米学生(NCAA)室内選手権女子200mを制し、1年生ながら全米学生タイトルを獲得した。優勝タイムの22秒40は、室内世界歴代8位(当時)・室内全米歴代2位(当時)・室内ジュニア世界記録・室内全米学生記録(当時)という好タイムだった[10]。また、同大会女子60m予選では7秒16の室内ジュニア全米記録を樹立している(決勝は7秒21で3位)[11]。この大会の直後にプロに転向した[3]

プロ時代

[編集]

2011年大邱世界選手権

[編集]

2011年の全米選手権女子200m決勝では22秒35(+1.0)の自己ベストをマークするも、3位のジェネバ・タモー英語版に0秒07及ばず表彰台を逃した[12]。この結果、8-9月に行われる大邱世界選手権女子4×100mリレーのアメリカ代表に選出され[13]、迎えた大会では予選と決勝でアメリカチームの1走を務めた。予選を今季世界最高記録の41秒94で突破すると、2走アリソン・フェリックス、3走マーシェベット・メイヤーズ英語版、4走カーメリタ・ジーターのオーダーで臨んだ決勝では予選のタイムを更に縮める41秒56の今季世界最高記録で優勝に貢献し、シニア世界大会で初の金メダルを獲得した[14]

2012年ロンドンオリンピック

[編集]

2012年6月の全米オリンピックトライアル(全米選手権)では女子100mと女子200mの両種目で決勝に進出するも、女子100mは11秒14(+0.9)で5位[15]、女子200mは22秒60(+1.0)で7位に終わった[16]。この結果、個人種目での代表は逃したもののロンドンオリンピック女子4×100mリレーアメリカ代表に選出されると[17]、迎えた8月の大会では予選と決勝でアメリカチームの3走を務めた。予選を今季アメリカ最高記録の41秒64で突破すると、1走ティアナ・マディソン、2走アリソン・フェリックス、4走カーメリタ・ジーターで臨んだ決勝では40秒82の世界記録を樹立し、1985年に東ドイツがマークした41秒37を塗り替えての優勝に貢献した[18][19]

2014年世界リレー

[編集]

2014年5月には今年新設された世界リレーに出場すると、オリンピック世界選手権では実施されない種目の女子4×200mに出場し、アメリカチームの3走を務めて1分29秒45の大会記録(当時)樹立と優勝に貢献した[20]

自己ベスト

[編集]

記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風、-は向かい風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 11秒07 (+0.7) 2008年6月27日 アメリカ合衆国の旗 ユージーン
200m 22秒35 (+1.0) 2011年6月26日 アメリカ合衆国の旗 ユージーン
22秒25w (+5.6) 2008年7月6日 アメリカ合衆国の旗 ユージーン 追い風参考記録
400m 52秒55 2011年4月23日 アメリカ合衆国の旗 オックスフォード
4x100mR 40秒82 (3走) 2012年8月10日 イギリスの旗 ロンドン 世界記録
室内
50m 6秒28 2012年1月28日 アメリカ合衆国の旗 ニューヨーク
55m 6秒75 2012年2月11日 アメリカ合衆国の旗 ニューヨーク
60m 7秒16 2008年3月14日 アメリカ合衆国の旗 フェイエットビル 室内U20全米記録
200m 22秒40 2008年3月14日 アメリカ合衆国の旗 フェイエットビル 室内U20世界記録
元室内全米学生記録
300m 36秒41 2011年2月12日 アメリカ合衆国の旗 フェイエットビル
400m 54秒69 2011年2月5日 アメリカ合衆国の旗 ボストン

主要大会成績

[編集]

備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2005 世界ユース選手権 (en モロッコの旗 マラケシュ 100m 優勝 11秒38 (-0.1) 今季ユース世界最高タイ記録
自己ベストタイ
200m 2位 23秒33 (+0.7)
メドレーR 優勝 2分03秒93 (3走) 今季ユース世界最高記録
2007 パンアメリカン
ジュニア選手権 (en
ブラジルの旗 サンパウロ 200m 優勝 23秒17 (+0.5)
2011 世界選手権 大韓民国の旗 大邱 4x100mR 優勝 41秒56 (1走) 今季世界最高記録
2012 オリンピック イギリスの旗 ロンドン 4x100mR 優勝 40秒82 (3走) 世界記録
2014 世界リレー (en バハマの旗 ナッソー 4x200mR 優勝 1分29秒45 (3走) 大会記録

ダイヤモンドリーグ

[編集]

ダイヤモンドリーグの総合成績を記載。獲得ポイント欄の( )内は出場したポイント対象レースの数を意味する。

種目 総合順位 獲得ポイント
2010 200m 3位 4 (3レース)
2011 200m 2位 10 (3レース)
2012 200m 4位 5 (3レース)

優勝したダイヤモンドリーグの大会を記載(個人種目のみ)。金色の背景はポイント対象レースを意味する。

大会 場所 種目 記録 備考
2010 英国グランプリ イギリスの旗 ゲーツヘッド 200m 22秒71 (-1.4)
2011 ゴールデンガラ イタリアの旗 ローマ 200m 22秒64 (+0.9)
バーミンガムグランプリ イギリスの旗 バーミンガム 200m 22秒59 (+1.0)
ロンドングランプリ イギリスの旗 ロンドン 200m 22秒69 (-1.1)

脚注

[編集]
  1. ^ MY STORY”. ビアンカ・ナイト公式サイト(biancaknight.com) (2014年8月10日). 2014年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月16日閲覧。
  2. ^ Gay powers past field to win men's 100 at Reebok GP”. ESPN (2007年6月3日). 2017年5月10日閲覧。
  3. ^ a b c Bianca Knight”. 全米陸上競技連盟 (2017年5月10日). 2017年5月10日閲覧。
  4. ^ Girls' Track & Field Athlete of the Year”. National High School Coaches Association (2017年5月8日). 2017年5月10日閲覧。
  5. ^ Bianca Knight: Making an impact”. TexasSports.com (2008年2月15日). 2017年5月10日閲覧。
  6. ^ 第4回世界ユース選手権女子100m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年5月10日). 2017年5月10日閲覧。
  7. ^ 第4回世界ユース選手権女子メドレーリレー決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年5月10日). 2017年5月10日閲覧。
  8. ^ Merritt and U.S. Junior Women’s 4x100m Relay World Bests in Eugene”. 国際陸上競技連盟 (2006年8月9日). 2017年5月10日閲覧。
  9. ^ Women's Track and Field signs Bianca Knight and Devon Williams to National Letters of Intent”. TexasSports.com (2006年11月16日). 2017年5月10日閲覧。
  10. ^ TRACK , FIELD: Knight named Athlete of the Week”. 全米オリンピック委員会 (2008年3月19日). 2017年5月10日閲覧。
  11. ^ American Junior Indoor Track & Field Records”. 全米陸上競技連盟 (2017年5月10日). 2017年5月10日閲覧。
  12. ^ 2011年全米選手権リザルト”. 全米陸上競技連盟 (2017年5月10日). 2017年5月10日閲覧。
  13. ^ Team USA in Daegu to include 8 defending champs, 19 medallists”. 国際陸上競技連盟 (2011年8月11日). 2017年5月10日閲覧。
  14. ^ 第13回世界選手権女子4×100mリレー決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年5月10日). 2017年5月10日閲覧。
  15. ^ 2012年全米選手権女子100m決勝リザルト”. 全米陸上競技連盟 (2017年5月10日). 2017年5月10日閲覧。
  16. ^ 2012年全米選手権女子200m決勝リザルト”. 全米陸上競技連盟 (2017年5月10日). 2017年5月10日閲覧。
  17. ^ Powerful Team USA roster on tap for London”. 全米陸上競技連盟 (2012年7月3日). 2017年5月10日閲覧。
  18. ^ 第30回オリンピック女子4×100mリレー決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年5月10日). 2017年5月10日閲覧。
  19. ^ London 2012 - Event Report - Women's 4x100m Relay Final”. 国際陸上競技連盟 (2012年8月10日). 2017年5月10日閲覧。
  20. ^ Report: women’s 4x200m – Bahamas 2014”. 国際陸上競技連盟 (2014年5月26日). 2017年5月10日閲覧。

外部リンク

[編集]