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ハゲイトウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒユから転送)
ハゲイトウ・ヒユ
Amaranthus tricolor
Amaranthus tricolor
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: ヒユ科 Amaranthaceae
亜科 : Amaranthoideae
: ヒユ属 Amaranthus
: ヒユ(広義) A. tricolor
亜種 : ハゲイトウ A. t. subsp. tricolor
変種 : ヒユ A. t. var. mangostanus
学名
Amaranthus tricolor L.[1]
Amaranthus tricolor L. subsp. tricolor[2]
Amaranthus tricolor L. var. mangostanus (L.) Aellen[3]
シノニム

(ハゲイトウ)

  • Amaranthus gangeticus L.
  • Amaranthus tricolor L. var. gangeticus (L.) Thell.

(ヒユ)

英名
Joseph's coat

ハゲイトウ(葉鶏頭、中国語: 雁来紅[4]、英語名:"Chinese amaranth", "Chinese spinach", "Joseph's coat", "Summer-poinsettia", "Tampala"など[5]学名: Amaranthus tricolor)は、ヒユ科ヒユ属一年草アマランサス[脚注 1]の1である。主に食用品種ヒユ(莧)とも呼ぶが、アマランサスの食用品種の総称的に呼ぶこともある。学名の種小名 tricolor は、「三色の」を意味すする。

形態・生態

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ゴボウ状の直根。

は堅く直立し、草丈 80cm から 1.5m ぐらいになる。

は披針形で、初めは緑色だが、の終わり頃から色づきはじめ、上部から見ると中心より赤・黄色・緑になり、寒さが加わってくるといっそう色鮮やかになる。全体が紅色になる品種や、プランターなどで栽培できる矮性種もある。

分布

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熱帯アジア原産。中国では時代には渡来しており、江戸時代初期には日本でも栽培されていた[4]

イギリスではエリザベス朝時代に愛好され、ジョン・ジェラードは「この花の美しさやすばらしさを描写することは私の技量を超えている」と絶賛した[6]。19世紀でも高く評価されていたが、今日ではほとんど見かけない[6]

人間との関わり

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名前について

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雁が飛んでくるところに、葉が赤く色づくことから「雁来紅」とも呼ばれる。同じく葉が黄色になることから「雁来黄」の別名もある。

英名は「愛は血を流す」を意味する。また、別名の「Joseph's coat」は『旧約聖書』に登場するヨセフヤコブが与えた多色の上着のことで、鮮やかな葉色をこの上着にたとえている。

フランスでは、「NUN'S SCOURGE(尼僧のたたり)」という[7]

利用

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観葉植物として利用される。花壇の背景、農家の庭先を飾る植物として、広く栽培されているまきの草花種子は細かいが、発芽は比較的よく、こぼれ種でも生えるくらいである。排水と日当たりの良いところに4月下旬頃に直まきし、種子が見え隠れする程度に覆土する。

脚注

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  1. ^ 名の Amaranthus は、「決して古くならない」の意味であり、不滅の象徴でもあった。これは、以前この属に分類されていたセンニチコウが古代ギリシアで「アマランサス」と呼ばれていた植物と考えられていたためである。現在「アマランサス」の名で残された植物は長持ちする花ではない[6]

出典 

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  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Amaranthus tricolor L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2013年10月31日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Amaranthus tricolor L. subsp. tricolor”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2013年10月31日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Amaranthus tricolor L. var. mangostanus (L.) Aellen”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2013年10月31日閲覧。
  4. ^ a b 工藤 (1985), pp. 6–77
  5. ^ Michel H. Porcher (2012年2月22日). “Sorting Amaranthus names”. Multilingual Multiscript Plant Name Database. Department of Agriculture and Food Systems, The University of Melbourne. 2019年4月21日閲覧。
  6. ^ a b c コーツ (1989), pp. 24–26。
  7. ^ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、275頁。 

参考文献

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  • 鈴木庸夫写真「ハゲイトウ」『秋の花』畔上能力ほか解説、山と溪谷社〈山溪ポケット図鑑〉、1994年、206頁。ISBN 4-635-07013-1 
  • 植村修二ほか編著「ヒユ」『日本帰化植物写真図鑑 : Plant invader 500種 第2巻』全国農村教育協会、2010年、51頁。ISBN 978-4-88137-155-8 
  • 工藤 和彦『作例と解説 いけばな花材ハンドブック 秋』八坂書房、1985年。ISBN 4-89694-558-1 
  • A・M・コーツ 著、白幡洋三郎、白幡節子 訳『花の西洋史 草花篇』八坂書房、1989年。ISBN 4-89694-592-1 

関連項目

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外部リンク

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