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ヒポグリシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒポグリシン
識別情報
CAS登録番号 156-56-9
PubChem 11768666
ChemSpider 9943349
日化辞番号 J85.271F
ChEMBL CHEMBL1615355
特性
化学式 C7H11NO2
モル質量 141.17 g/mol
融点

282°C (555.15 K)

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ヒポグリシン(hypoglycin、ヒポグリシンA)は、ライチアキー (Blighia sapida) に含まれる天然有機化合物の一つである。特に果実に蓄積されている。ヒポグリシンは摂取した場合毒性を示し、ジャマイカ嘔吐病英語版の原因物質である。アミノ酸の一種であり、リシンと構造が似ている。ヒポグリシンはリシンの異化に使われる酵素に競合的に結合する。これがヒポグリシンやその代謝物であるMCPA(メチレンシクロプロピル酢酸)が毒性を示す理由である。

代謝物のMCPAもまたアシルCoAデヒドロゲナーゼの強力な阻害剤であり、脂肪酸の代謝を妨げる。ヒポグリシンA摂取による症状は、長期の絶食に対する不耐性(グルコースから脂肪酸酸化へとエネルギー産生経路を切り替えることができないため)、ケトン生成障害、嘔吐、けん怠感、意識消失、昏睡、死、ジカルボン酸の尿中排泄の増加(ERで起こるω酸化のため)である。

米国疾病管理予防センター(CDC)がライチ果実が関係した疑似ウイルス脳炎の推定原因を発表した。また、ピポグリシンはムクロジ科の果実(レイシランブータンリュウガン等)やアキーなどに含まる。

脚注

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