パンジャービーMC
パンジャービーMC Panjabi MC | |
---|---|
ロンドン・メラで公演を行うパンジャービーMC、2010年8月 | |
基本情報 | |
出生名 | Rajinder Singh Rai |
生誕 | 1975年2月14日(49歳) |
出身地 | イングランド コヴェントリー |
ジャンル | ターンテーブリズム、バングラ、ヒップホップ、ダウンテンポ、アジアン・アンダーグラウンド |
職業 | ミュージシャン |
活動期間 | 1993年 - |
レーベル |
スーパースター・レコーディングス (ドイツ) アーバン・レコーズ PMCレコーズ (イギリス) ユニバーサル (インド) |
共同作業者 | ジェイ・Z、トゥイスタ、スナップ!、ラブ・ジャンジュア |
公式サイト |
www |
パンジャービーMC[1](Panjabi MC)ことラジンダー・シング・ライ(英語: Rajinder Singh Rai、パンジャーブ語: ਰਜਿੰਦਰ ਸਿੰਘ、1975年2月14日 - )は、イングランド・コヴェントリー出身のミュージシャンである。彼は1998年に発売されたバングラを使用した「ムンディアン・ト・バティ・ケ」のヒットで世界的に知られている。
キャリア
[編集]ラジンダー・シングは彼が演奏やラップの際に使用していたパンジャーブ語(パンジャービー)から芸名が決定された[2]。「彼の主な目標の一つはバングラとヒップホップという2つの世界をつなぐことだった」[3]。
ナチュラル・レコードは、カルディープ・マナクの「Ghariah Milan De」のリミックスを依頼後、パンジャービーMCと契約を結んだ。このシングルはヒットしなかったが、パンジャービーMCはレコード製作を続けた。その後、テレビ番組の『ナイトライダー』で使用されていたテーマ音楽とバングラをミックスさせた「ムンディアン・ト・バティ・ケ」 (ヤツらに気をつけろ!) (1998年、この曲はアルバム『Legalised』によって初めて発表された) により商業的に成功することとなった。インターネットで人気に火がつき、ドイツのレコード会社スーパースター・レコーディングスが取り上げてドイツ、ひいてはイギリスを含むヨーロッパ全体でヒットすることとなった。2003年にはアメリカのラッパー、ジェイ・Zと共同制作した版を「Beware of the Boys」として発売した。
彼の作品、特に初期のシングルやジェイ・Zとともに制作した「ムンディアン・ト・バティ・ケ」のリミックスはBBCを通して、バングラを世界中の人々に広める役割を果たした。彼は音楽制作を続けており、共同制作、リミックスの分野で未だ人気がある。2004年、彼は「ミルザ (Mirza)」と呼ばれる音楽を制作し、この曲をトルコの歌手ムスタファ・サンダルの曲「Isyankar」とミックスさせたが、ミックスした音源は販売されなかった[4]。
彼のアルバム『インディアン・タイミング』は、2008年に発売された。
彼のミュージックビデオ「Snake Charmer」はトロントで行われたFILMIフェスティバル(北米最古の南アジア映画祭)において、DJラのミュージック・ビデオ・ナイトで上映された。
サンプリング
[編集]『インディアン・タイミング』において、パンジャービーMCはオフラ・ハザの「Im Nin'alu」からボーカル・サンプリングを行った。彼はアフリカ・バンバータが「インディアン・プラネット・ロック」を録音する以前に「プラネット・ロック」をサンプリングとして利用した。「Jatt Ho Giya Sharabee」では、パンジャービーMCはテレビ番組『私立探偵マグナム』からテーマ音楽をサンプリングとして使用 (後にジェイ・Zとリミックスを共同で行った版が「Beware of the Boys」として販売された)、「ムンディアン・ト・バティ・ケ」はテレビ番組『ナイトライダー』からベースラインをサンプリングとして使用した[3]。
テレビ関係の仕事
[編集]2001年、パンジャービーMCはオンタリオ州ミシサガにあるパヤル・バンケット・ホールにおいて、カナダでの初公演を行った。ディージェイ・ラーがホストを務めるこのイベントを扱う特別番組は『The Bhangramentary』と題され、アジア・テレビ・ネットワーク (ATN)で放映された。アルバム『Beware』からの曲「Jatt Ho Giya Sharabee」は、テレビ番組『HEROES』でフィーチャーされた (シーズン1・エピソード2:「振り返るな!」、2006年10月2日放映)。シングル「ムンディアン・ト・バティ・ケ」は『クィア・アズ・フォーク』のエピソードで使用された他、2002年の映画『ベッカムに恋して』でも使用された。「Yaaran Kollon Sikh Kuriye」は『ワイルドボーイズ』においてミュージックビデオとして使用された。パンジャービーMCは『トップ・オブ・ザ・ポップス』でミュージックビデオが取り上げられ、「ムンディアン・ト・バティ・ケ」は世界中の音楽番組で取り上げられるようになった。
パンジャービーMCはクヴィンダル・シンやサプナー・アワスティとともにボリウッド映画『ディル・セ 心から』で有名な曲「チャイヤ・チャイヤ」のリミックスを行った。この曲はハリウッド映画『インサイド・マン』のオープニング・クレジットの間に流れる曲として使用された。パンジャービーMCの曲「Land of Five Rivers」はWWEレスラー、グレート・カリのテーマソングとして使用され[5]、オムニバス・アルバム『Voices: WWE The Music, Vol. 9』にも収録された。
ディスコグラフィ
[編集]スタジオ・アルバム
[編集]- Souled Out (1993年、Nachural)
- Another Sell Out (1994年、Nachural)
- 100% Proof (1995年、Nachural)
- 『100%プルーフ&ライヴ』 - 100% Proof 'n' Live (1995年、Victor)
- Grass Roots (1996年、Nachural)
- Magic Desi (1996年)
- Legalised (1998年、Nachural)
- Dhol Jageroo Da (2001年、Moviebox)
- Desi (2002年、Moviebox)
- Indian Breaks (2003年、Compagnia Nuove Indye)
- Mundian To Bach Ke (2003年、Compagnia Nuove Indye)
- 『ジ・アルバム』 - The Album (ドイツ盤: Superstar/Warner; ドイツ) (フランス盤: Scorpio; フランス) (UK盤: Instant Karma) (2003年)
- Beware (2003年、Sequence) ※『The Album』のアメリカ盤
- Steel Bangle (2005年、Moviebox)
- Illegal (2006年、Nupur Audio)
- 『インディアン・タイミング』 - Indian Timing (2008年、PMC)
- The Raj (2010年、PMC)
- 56 Districts (2012年、PMC)
EP
[編集]- Jatt Ho Gya Sharabi (1996年、Nachural)
- Mirza Part Two (1997年、Nachural)
- Switchin' (2000年、Moviebox)
コンピレーション・アルバム
[編集]- 『バングラデリック』 - Bhangradelic (1994年、Victor)
- Mundian To Bach Ke (2003年、Compagnia Nuove Indye)
受賞歴
[編集]- 2003年 MTVヨーロッパ・ミュージック・アワード - 最優秀ダンス賞 - パンジャービーMC[6]
- 2003年 MOBOアワード - ベストUKアクト[7]
- 2003年 UKアジアン・ミュージック・アワード - バングラ・ベストシングル - ムンディアン・ト・バティ・ケ[8]
- 2003年 ワールド・ミュージック・アワード - 世界最優秀インド人アーティスト
- 2011年 パンジャービー・ミュージック・アワード – ベスト・サウンドレコーディング - Moorni
脚注
[編集]- ^ 「パンジャビMC」の表記もある。
- ^ “Biography”. 2007年11月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月21日閲覧。
- ^ a b “Mix This Young South Asians' Love-Hate Relationship with Hip-Hop's New Indian Beats”. Village Voice. villagevoice.com. 2013年5月21日閲覧。
- ^ Verma, Rahul. “Asian Allstars” (PDF). British Council. 2013年8月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月21日閲覧。
- ^ Exclusive Interview: Panjabi MC
- ^ “MTV Europe Music Awards 2003 Winner” (2003年11月7日). 2013年5月21日閲覧。
- ^ “The Mobo Awards Year 2003”. 2013年5月21日閲覧。
- ^ “BRITISH ASIAN MUSIC AWARDS 2004 LAUNCHED” (2004年10月7日). 2010年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月21日閲覧。