パリジャン (フランスパン)
パリジャン(仏: Parisien)は、小麦粉・塩・水・イーストのみで作られるフランスの伝統的なパン、パン・トラディショネル(仏: pain traditionnel)の一種である。
このパリジャンにハムとバターを挟んで作るサンドイッチも同様にパリジャンと呼ばれる。サンドイッチのパリジャンはジャンボン・ブール(仏: Jambon-beurre)とも呼ばれ、フランスでは定番のサンドイッチとなっている[1]。
以下、便宜上、本項ではパンのことを「パリジャン」、サンドイッチのことを「ジャンボン・ブール」と記述する。
概要
[編集]「パリジャン」は「パリの」、「パリ風の」の意味である。
フランスの首都・パリが発祥の地で、正式には「パン・パリジャン」(Pain parisien)と呼ばれている。バゲットより太めなのでサンドイッチが作りやすいが、最近はバゲットを用いたサンドイッチも好まれるようになった[2]。
パリジャンとバゲットの外観は似ており、パリジャンはバゲットよりも太短い。以下な違いがある[3]。
- 長さ - バゲットのほうが長い
- 太さ - パリジャンのほうが太い
- クープの数 - バゲットは7本から9本。パリジャンは5本程度
「jambon」はフランス語で「ハム」、「beurre」はフランス語で「バター」の意で、使用される食材の名前そのものでもある[1][4]。同様にハムとチーズをパリジャンに挟んだサンドイッチをジャンボン・フロマージュ(仏: Jambon-fromage)と呼ぶ[1]。
パリジャンにたっぷりのバターを塗り、フランスの白ハムであるジャンボン・ドゥ・パリ(ジャンボン・ブラン、jambon blanc)を挟む[5]。イタリアのハムであるプロシュット、スペインのハムであるハモン・セラーノやハモン・イベリコ用いて作った場合はジャンボン・ブールとは呼べないとする意見もある[5]。
2017年、フランスで初めてハンバーガーの売上高がジャンボン・ブールの売上高を上回った[6]。
出典
[編集]- ^ a b c ナガタユイ「バゲット・サンドイッチ/France」『サンドイッチの発想と組み立て: 世界の定番サンドイッチとその応用』誠文堂新光社、2012年、44頁。ISBN 978-4416812723。
- ^ “パリジャン”. パンの図鑑. 2022年11月25日閲覧。
- ^ “パリジャン〜フランス発祥のパン〜”. カメリヤ (2018年12月25日). 2022年12月15日閲覧。
- ^ “ジャンボン・ブールのレシピ”. 日清製粉グループ. 2022年11月24日閲覧。
- ^ a b 佐藤政人「ジャンボン・ブール」『世界のサンドイッチ図鑑: 意外な組み合わせが楽しいご当地レシピ355』誠文堂新光社、2017年、72頁。ISBN 978-4416616475。
- ^ “Le hamburger a détrôné le jambon-beurre en France” (フランス語). ロイター (2018年3月20日). 2022年11月25日閲覧。