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パリカ自然保護区

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パリカ自然保護区
Parika looduskaitseala
ヴァイケヤルヴ(Väikejärv)と遊歩道
パリカ自然保護区の位置を示した地図
パリカ自然保護区の位置を示した地図
地域  エストニア ヴィリャンディ県
最寄り ヴィリャンディ
座標 北緯58度30分15秒 東経25度46分24秒 / 北緯58.5043度 東経25.7733度 / 58.5043; 25.7733座標: 北緯58度30分15秒 東経25度46分24秒 / 北緯58.5043度 東経25.7733度 / 58.5043; 25.7733[1]
面積 2,182 ha[2]
創立日 1981年[2]

パリカ自然保護区(パリカしぜんほごく、エストニア語: Parika looduskaitseala)は、エストニア南部ヴィリャンディ県にある、1981年に設立された自然保護区である。区内にはマツ林が点在し、3つのとそれを囲む湿原が広がっており、いくつか珍しい種の植物が自生している[2]。パリカ自然保護区は、2004年に欧州連合域内の生物保護地区ネットワーク「Natura 2000」の保護地域にも指定されている[1]

地理・地形・地質

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パリカ自然保護区は、エストニア中央部に位置するパリカ・ボグの中心に設定されており、その面積は2,182ヘクタールである[3][2]。パリカ・ボグは、西のサカラ台地英語版、東のコルガ=ヤーニ・ドラムリンに挟まれた、ヴルツヤルヴ(ヴルツ湖英語版)低地の北西部に広がるボグ泥炭地・沼沢地)である[3]。かつて、パリカ・ボグの一帯は浅い湖(古パリカ湖)に覆われていたが、泥炭堆積して湖が縮小してゆき、現在のような地形になった[4][3]

パリカ・ボグは、全くの平坦地ではなく、5メートル程度の高低差がある[3]。かつて湖の底だった時代の堆積物を地盤とし、その上に厚さ4メートルから8メートルくらいの泥炭層が載っている[5]。泥炭の質は年代によって異なり、分解された木質が主だった時代から、沼沢地化してくるとアシスゲが中心となり、泥炭地化した後はワタスゲミズゴケが中心で、全体の半分以上はミズゴケが泥炭化したものとみられる[3]

パリカ湖と湖岸に広がる湿原

縮小して残った湖の中で、最大のものはパリカ湖(Parika järv)で、面積は114.2ヘクタール。その他に、ハート形の輪郭が印象的な、面積4.8ヘクタールのヴァイケヤルヴ(Väikejärv、小さい湖)や、ボグにある沼に似ているプハヤルヴ(Pühajärv、聖なる湖)がある[2]

陸化した部分では、湖に接する湿地隆起湿原、両者の間の過渡的なボグ、といった3つの段階を目にすることができる。隆起湿原の縁では、土壌の乾燥が進んで森林化したところもある[3][5]

動植物

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自然保護区は、パリカ・ボグに生息する動植物の保護も目的としている[2]

区内の植生で中心的な種は、高木層・亜高木層ではマツヨーロッパダケカンバヒメカンバヤナギなど、低木層ではクランベリーセイヨウガンコウラン英語版ヒメシャクナゲなど、草本層・林床はワタスゲ、スゲ、ミズゴケなどである[3][5]

区内では、いくつか貴重な動植物種が確認されている。植物では、チョウセンラン(Corallorhiza trifida)、ハクサンチドリの仲間(Dactylorhiza fuchsii)、サカネランの仲間(Neottia ovata)、スイレンの仲間(Nymphaea candida)が確認されている。動物では鳥類が豊富で、アシナガワシヨーロッパオオライチョウクロライチョウナベコウクロヅルアオサギなどが生息していることが特色である[2]

遊歩道

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自然保護区について学べる遊歩道として、パリカ湖・ハイキングコース(距離200メートル)、ヴァイケヤルヴを囲むマツ林を抜けるパリカ・ヴァイケヤルヴ自然研究路(距離3.6キロメートル)が整備されている[2]

出典

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  1. ^ a b N2K EE0080573 dataforms”. Natura 2000 Network Viewer. European Environment Agency. 2021年5月20日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h Vaiksalu, Reet, ed. (2012) (PDF), Protected Natural Objects in Viljandi County, Estonian Environmental Board, https://www.keskkonnaamet.ee/sites/default/public/Keskkonnaharidus/trykised/Viljandi_eng.pdf 
  3. ^ a b c d e f g Niinemets, Eve; Saarse, Leili; Poska, Anneli (2002-12), “Vegetation history and human impact in the Parika area, Central Estonia”, Proceedings of the Estonian Academy of Sciences, Geology 51 (4): 241-258 
  4. ^ Moora, Tanel; Raukas, Anto; Tavast, Elvi (2002-09), “Geological history of Lake Võrtsjärv”, Proceedings of the Estonian Academy of Sciences, Geology 51 (3): 157-178 
  5. ^ a b c Kännaste, Astrid; et al. (2013-03-18), “Highly variable chemical signatures over short spatial distances among Scots pine (Pinus sylvestris) populations”, Tree Physiology 33: 374-387, doi:10.1093/treephys/tpt013 

関連項目

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外部リンク

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