パラジクロロベンゼン (曲)
「パラジクロロベンゼン」 | |
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ガルナ(オワタP)のボーカロイド曲 | |
リリース | 2009年9月19日 |
時間 | 3分53秒 |
作詞者 | ガルナ(オワタP) |
作曲者 | ガルナ(オワタP) |
言語 | 日本語 |
歌唱 | 鏡音リン・レン |
『パラジクロロベンゼン』は、ガルナ(オワタP)のボーカロイド曲で、ガルナ(オワタP)の代表曲にもなっている[1][2]。「ベンゼンシリーズ」の3作目にあたる[3]。使用VOCALOIDは鏡音リン・レン[4]。PVは三重の人が手がけた[5]。同名の小説も発売されている[6]。
概要
[編集]ニコニコ動画上で2009年9月19日5時55分に公開され[7]、YouTube上では2014年5月6日に公開された[8]。2023年6月現在、ニコニコ動画上での再生回数は517万回以上[7]、YouTube上での再生回数は256万回以上[8]となっている。
曲の名前は防虫剤の成分から取られている[9]。『パラジクロロベンゼン』は、Windows VistaのOSが入った、HDDの容量が80GBしかないパソコンで作られた[10]。実家で電子キーボード(YAMAHAのクラビノーバ)からMIDI端子を接続したノートパソコンを、アイロン台に置いて制作したという[10]。
公開から10年経過した2019年9月19日、ガルナ(オワタP)は自身のブログ上で『パラジクロロベンゼン』の製作背景について触れた[11]。元々、『パラジクロロベンゼン』は意味のないインスト曲に適当な歌詞をつけた曲となる予定であった[11]。しかし、知り合いの動画投稿者の炎上を巡る荒らしが発生したことや、SNS上のフレンドが「チヤホヤされていた人間が炎上で一気に自身たちの手によって地獄に引きずり込まれるのが何よりの快感だ」などとして炎上に加担していたことなどを知ったガルナ(オワタP)は、SNS上のフレンドに対する憎悪の感情を抱きつつ、そのフレンドが持っていた勝手な正義感と感情を分析し、大学の講義中の内職としてメモ帳に書き上げた[11]。そのため、『パラジクロロベンゼン』は「ニコニコ動画における荒らしコメント」のことを指している[11]。
2014年10月2日には『パラジクロロベンゼン』のアンチテーゼにあたる曲『アンチクロロベンゼン』が投稿された[12][13]。『アンチクロロベンゼン』は、立ち位置的には「パラジクロロベンゼンが大嫌いな正義厨」を歌った歌である[3]。『パラジクロロベンゼン』はカラオケDAMにも収録されている[14]。
メディア展開
[編集]書籍
[編集]2015年6月30日に小説が一迅社より発売された[6]。イラストは村上ゆいちが務め、ガルナ(オワタP)がリミックスした特製CDがつけられた[6]。内容としては人間が本来持たない能力を持ってしまった「突発性」の能力を覚醒させた主人公の相沢法子が新たな地で迎える高校生活を描いた作品となっている[6]。
演劇
[編集]『カンタレラ』『サンドリヨン』『パラジクロロベンゼン』の3曲が合わさったOSK日本歌劇団公演『カンタレラ2016~愛と裏切りの毒薬~』が2016年2月18日から21日まで上演された[15][16]。原案協力にはガルナ(オワタP)も名前を重ねた[16][17]。また、この演劇を題材とした漫画が、「週刊ヤングジャンプ」上の4コマギャグ漫画『週刊はじめての初音ミク』で2011年8月に掲載されている[18]。
収録
[編集]アルバム
[編集]- 『EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク』[19]
- 『EXIT TUNES PRESENTS Vocalogemini feat.鏡音リン、鏡音レン』[20]
楽譜集
[編集]- 『ピアノソロ やさしく弾ける みんなが選んだボーカロイド人気曲ランキング30~誰も知らないハッピーエンド~』[21]
ゲーム
[編集]- 『初音ミク Project DIVA Arcade Future Tone』[22]
- 『初音ミク -Project DIVA- F 2nd』[23]
- 『初音ミク Project DIVA MEGA39’s』[24]
- 『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』[25]
評価
[編集]- ミュージカル『カンタレラ』に関連して『パラジクロロベンゼン』を歌った「弟の姉」は、「歌うには少し早く、滑舌をしっかりとしなければならず、息が続かない」などと歌う際の難易度について評したほか、曲調については「ある意味無機質で怖い感じの曲調」と評価している[26]。
- 同じく『カンタレラ』に出演した少年Tは、「歌うにはかなり速い曲調」としながらも、曲に関しては「子供が無機質に世の中に絶望した感じを淡々と歌う」イメージがあったと話している[27]。
脚注
[編集]- ^ “VOCALOID KAITOが歌う「カンタレラ」がニコニコミュージカルに”. アニメ!アニメ!. 2022年1月28日閲覧。
- ^ Inc, Natasha. “初音ミクの10年~彼女が見せた新しい景色~|初音ミク生誕10周年に寄せて~ボカロP34人アンケート~ - 音楽ナタリー 特集・インタビュー”. 音楽ナタリー. 2022年1月28日閲覧。
- ^ a b “9月19日 - アンチクロロベンゼンの話”. がるなん.com / Blog. 2022年1月28日閲覧。
- ^ “初音ミクだけじゃない! MEIKO、重音テトほか「ボーカロイド」&派生キャラクターまとめ (2013年5月5日) - エキサイトニュース(4/8)”. エキサイトニュース. 2022年1月28日閲覧。
- ^ “「悪ノ娘」「悪ノ召使」を収録したボカロコンピ発売”. BARKS. 2022年1月28日閲覧。
- ^ a b c d 一迅社. “一迅社ボカロポータルサイト”. 一迅社WEB. 2022年1月28日閲覧。
- ^ a b 『【鏡音レン】パラジクロロベンゼン【ガルナ/オワタP】』2009年9月19日 。2022年6月17日閲覧。
- ^ a b (日本語) [officialパラジクロロベンゼン feat.オワタP(鏡音レン、鏡音リン)] 2023年6月17日閲覧。
- ^ ““テニミュの産みの親”片岡義朗にロングインタビュー 『カンタレラ2012~裏切りの毒薬~』ボカロミュージカルへの想い | ガジェット通信 GetNews”. ガジェット通信 GetNews (2012年3月6日). 2022年1月28日閲覧。
- ^ a b 電ヶ製品 2021-07-16 09:45 (2021年7月13日). “ベテランボカロPの制作環境を公開! アイロン台から始まったオワタPのデスク回りとは | 日刊ビビビ”. www.n-bibibi.com. 2022年1月28日閲覧。
- ^ a b c d “9月19日 - パラジクロロベンゼンの話”. がるなん.com / Blog. 2022年1月28日閲覧。
- ^ (日本語) [officialアンチクロロベンゼン feat.オワタP(鏡音リン)] 2022年1月28日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/tomatowt/status/1174880922187030528”. Twitter. 2022年1月28日閲覧。
- ^ “LIVE DAM、ボーカロイド・キャラクターのイラストを大募集”. BARKS. 2022年1月28日閲覧。
- ^ “OSK日本歌劇団が銀座博品館劇場に登場!『カンタレラ2016~愛と裏切りの毒薬~』 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス”. SPICE(スパイス)|エンタメ特化型情報メディア スパイス. 2022年1月28日閲覧。
- ^ a b “ニコニコ動画:ボカロ曲「カンタレラ」をミュージカル化 人気Pやユーザーが協力・出演”. MANTANWEB(まんたんウェブ). 2022年1月28日閲覧。
- ^ ““ニコニコの民”の英知を結集したニコニコミュージカル『カンタレラ』”. BARKS. 2022年1月28日閲覧。
- ^ “ニコミュ『カンタレラ』が週刊ヤングジャンプに掲載!? 『週刊はじめての初音ミク』全ページをジャック | ガジェット通信 GetNews”. ガジェット通信 GetNews (2011年7月28日). 2022年1月28日閲覧。
- ^ “『Vocalogenesis』ウィークリー1位を祝い、ボカロ作家&絵師からお祝いイラスト到着”. BARKS. 2022年1月28日閲覧。
- ^ “「初音ミク」以外のVOCALOIDを中心に贈るコンピ盤が初の快挙! | OKMusic”. okmusic.jp. 2022年1月28日閲覧。
- ^ “HoneyWorks、VOCALOID FukaseのコンピレーションCD曲など、人気ボーカロイド曲を収載!ピアノソロ楽譜集『みんなが選んだ ボーカロイド人気曲ランキング30』5月27日発売!”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. 2022年1月28日閲覧。
- ^ “楽曲リスト | 初音ミク Project DIVA Arcade Future Tone 公式サイト”. miku.sega.jp. 2022年1月28日閲覧。
- ^ Gamer. “「extend」の楽曲・モジュールがリメイクされて登場―PS3/PS Vita「初音ミク -Project DIVA- F 2nd」収録楽曲&モジュールの情報をお届け|ゲーム情報サイト Gamer”. www.gamer.ne.jp. 2022年1月28日閲覧。
- ^ “『初音ミク Project DIVA MEGA39’s』DLC第8弾、第9弾が配信。“パラジクロロベンゼン”など人気曲やモジュールが追加 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com”. ファミ通.com. 2022年1月28日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/pj_sekai/status/1594572904062398464”. Twitter. 2022年11月22日閲覧。
- ^ “【インタビュー】ニコニコミュージカル『カンタレラ』開幕!! 弟の姉さんに意気込みを聞く | ガジェット通信 GetNews”. ガジェット通信 GetNews (2011年7月2日). 2022年1月28日閲覧。
- ^ “弟の姉×少年Tインタビュー「マイリストに登録してくれた人たちに感謝」 ニコニコミュージカル『カンタレラ』”. ニコニコニュース. 2022年1月28日閲覧。