パガニーニの主題による幻想変奏曲
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『パガニーニの主題による幻想変奏曲』作品71(パガニーニのしゅだいによるげんそうへんそうきょく、Fantasy Variations on a Theme by Niccolo Paganini, Opus 71)はジェイムズ・バーンズが作曲した吹奏楽曲。
概要
[編集]アメリカ海兵隊軍楽隊(United States Marine Band)の隊長ジョン・ブージョワ(John R. Bourgeois)の委嘱により1988年に作曲され、その年にインディアナポリスで開催された音楽教育者全米会議(Music Educators National Conference)で初演された。海兵隊軍楽隊はその後もミッドウェスト・クリニックを含むコンサートツアーで演奏し、1990年の初のソ連公演でも取り上げている。
ニコロ・パガニーニがヴァイオリン独奏のために作曲した『24の奇想曲』の第24番「クワジ・プレスト」の旋律を主題とする変奏曲として書かれている。海兵隊軍楽隊の高い演奏技術を披露するように、それぞれの変奏に各楽器のソロやセクションをフィーチャーしている。
演奏時間は約15分。楽譜は1989年にサザン・ミュージック(Southern Music Company)から出版された。
編成
[編集]木管 | 金管 | 弦・打 | |||
---|---|---|---|---|---|
Fl. | 3, Picc. | Crnt. | 3, Tp. 2 | Cb. | ● |
Ob. | 2(2はE.H.持ち替え) | Hr. | 4 | Timp. | ● |
Fg. | 2 | Tbn. | 3 | 他 | 5 (Sn.Dr., B.D., Cym., Tamb., Tri., Whip, Wood Bl., Pang Cym., Tam-t., Bell Tree, Ratchet, Temple Blocks, Tom-Toms, Castanets, Xylo., Orch. Bells, Vibr., Chimes) |
Cl. | 3, Bass, C-Alto | Bar. | ● | ||
Sax. | Alt. 2 Ten. 1 Bar. 1 | Tub. | ● |
構成
[編集]序奏、主題と20の変奏からなる。
- 序奏
- アレグロ・リゾルート、2/4拍子
- テュッティによる
- 主題
- オーボエの独奏で始まり、次いでフルートとアルトサクソフォーンが加わる主題の提示
- 第1変奏
- 木管楽器と金管楽器による
- 第2変奏
- ウン・ポコ・ピウ・モッソ、2/4拍子
- B♭クラリネットによる16分音符の技巧的な変奏
- 第3変奏
- アンダンテ・ミステリオーソ、3/4拍子
- ミュートを付けたトロンボーン、コントラバス、ティンパニの伴奏に、コントラアルト・クラリネットの独奏が旋律を奏する
- 第4変奏
- プレスト、2/4拍子
- フルートとピッコロによる16分音符の技巧的な変奏
- 第5変奏
- モデラート・アッサイ、3/4拍子
- バリトンとテューバの4声によるゆったりとした変奏
- 第6変奏
- アレグロ・モデラート、2/4拍子
- バスーンの二重奏にホルンの対旋律が絡む
- 第7変奏
- アンダンテ・モデラート、4/4拍子
- オーボエの旋律にB♭クラリネットとバスクラリネットが寄り添う
- 第8変奏
- サクソフォーン四重奏による叙情的な変奏
- 第9変奏
- アレグロ・ヴィーヴォ、6/8拍子
- バスクラリネットの独奏による軽快な変奏
- 第10変奏
- 前の変奏にバスーン、B♭クラリネット、ヴィブラフォーン、次いでサクソフォーンとバリトンが加わる
- 第11変奏
- 2/4拍子
- スネアドラムのリズムに乗って奏される、コルネットとトランペットによる華やかな変奏
- 第12変奏
- メノ・モッソ
- トロンボーンによる朗々とした変奏
- 第13変奏
- ピウ・モッソ、3/4拍子
- ホルン四重奏による
- 第14変奏
- 4/4拍子
- テュッティによるクライマックスを迎え、全休止の後、アダージョになってオーボエのカデンツァ風の独奏で次の変奏に続く
- 第15変奏
- ウン・ポコ・ピウ・モッソ、3/4拍子
- バスーン、アルト・サクソフォーン、ホルン、バリトンによる叙情的な変奏
- 第16変奏
- アダージョ・マ・ノン・トロッポ、5/4拍子
- イングリッシュホルンによるロマンティックな変奏
- 第17変奏
- アレグロ・ジョコーソ、2/4拍子
- 打楽器群のみによる変奏
- 第18変奏
- 木管楽器による軽快な変奏
- 第19変奏
- 金管楽器群で始まり、サクソフォーン、次いで木管楽器が加わり、テュッティで次の変奏に続く
- 第20変奏
- フィナーレ、ア・テンポ・プリモ
- テュッティによる壮大な旋律の後、ピウ・ヴィーヴォで劇的に終わる
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 三宅孝典『マラゲニア』(ブックレット)ジェイムズ・バーンズ指揮、Osaka Shion Wind Orchestra、フォンテック、2017年、6-10頁。FOCD9757。
外部リンク
[編集]- ガレリア・ウインド・オーケストラ 第2回定期演奏会曲目解説 - ウェイバックマシン(2009年9月26日アーカイブ分)