バーレカンプ-ヴァン・リント-ザイデルグラフ
グラフ理論において、バーレカンプ–ヴァン・リント–ザイデルグラフ(英: Berlekamp–van Lint–Seidel graph)は局所線形強正則グラフでパラメータ (243,22,1,2) を持つものである。つまり、頂点が243個で、どの頂点にも22本の辺が接続し(辺は総計すると2673本になる)、どの隣接する2頂点も共通するちょうど1個の頂点と隣接し、どの隣接しない2頂点も共通するちょうど2個の頂点と隣接する。エルウィン・バーレカンプ、J・H・ヴァン・リント、ヨハン・ヤコブ・ザイデルによって、ゴレイ符号のシュライアーコセットグラフとして構成された[1]。
このグラフはアーベル群のケイリーグラフである。アーベル的ケイリーグラフの中で、強正則グラフの最後の2個のパラメータがちょうど1だけ異なるものは、ペイリーグラフを除けばこのグラフのみである[2]。これは整数グラフ、つまり隣接行列の固有値が全て整数となるグラフでもある[3]。また の数独グラフと同じく、整数的なアーベル的ケイリーグラフで、全ての元の位数が3である(3はそのようなグラフが存在できるような小さな数のうちの一つ)[4]。
どの隣接する2頂点も共通するちょうど1個の頂点と隣接し、どの隣接しない2頂点も共通するちょうど2個の頂点と隣接するような強正則グラフのパラメータがとり得る組み合わせは5通りある。これらのうち、2通りは存在することが知られていて、バーレカンプ–ヴァン・リント–ザイデルグラフと9頂点のペイリーグラフ(パラメータ (9,4,1,2))である[5]。コンウェイの99グラフ問題はこれら以外の、パラメータ (99,14,1,2) のグラフが存在するかどうかを問うものである[6]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ Berlekamp, E. R.; van Lint, J. H.; Seidel, J. J. (1973), “A strongly regular graph derived from the perfect ternary Golay code”, A survey of combinatorial theory (Proc. Internat. Sympos., Colorado State Univ., Fort Collins, Colo., 1971) (Amsterdam: North-Holland): 25–30, doi:10.1016/B978-0-7204-2262-7.50008-9, MR0364015
- ^ Arasu, K. T.; Jungnickel, D.; Ma, S. L.; Pott, A. (1994), “Strongly regular Cayley graphs with ”, Journal of Combinatorial Theory, Series A 67 (1): 116–125, doi:10.1016/0097-3165(94)90007-8, MR1280602
- ^ Weisstein, Eric W. "Berlekamp-van Lint-Seidel Graph". mathworld.wolfram.com (英語).
- ^ Klotz, Walter; Sander, Torsten (2010), “Integral Cayley graphs over abelian groups”, Electronic Journal of Combinatorics 17 (1): Research Paper 81, 13pp, MR2651734
- ^ Makhnev, A. A.; Minakova, I. M. (January 2004), “On automorphisms of strongly regular graphs with parameters , ”, Discrete Mathematics and Applications 14 (2), doi:10.1515/156939204872374, MR2069991
- ^ Conway, John H., Five $1,000 Problems (Update 2017), Online Encyclopedia of Integer Sequences 2019年2月12日閲覧。