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バーナード・ブロック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バーナード・ブロック
人物情報
生誕 (1907-06-18) 1907年6月18日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューヨーク市
死没 1965年11月26日(1965-11-26)(58歳没)
出身校 カンザス大学ブラウン大学
学問
研究分野 言語学
研究機関 ブラウン大学
学位 博士
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バーナード・ブロックBernard Bloch1907年6月18日 - 1965年11月26日)は、アメリカ合衆国言語学者。代表的なアメリカ構造主義言語学者のひとりであり、日本語の研究でも知られる。

生涯

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出生から修学期

1907年、ニューヨーク市で生まれた。祖父はボヘミアからの移民で、父は画家として有名なアルベルト・ブロッホ

1929年にカンザス大学の修士の学位を取得した後、ノースウェスタン大学ケルト語学と言語学を学び、アメリカ合衆国およびカナダ言語地図の作成のためのフィールドワークに参加した。1933年にブラウン大学に移り、1935年に博士号を取得。

言語学者として

その後は同大学で言語学を教えた。ブラウン大学時代の代表作には、『言語分析の概要』(トレーガーと共著,1942年)がある。太平洋戦争が始まると、専門を日本語教育に変更。1943年にイェール大学に移った。1943年から1946年までアメリカ陸軍の教育機関(Armed Forces Institute)のための日本語教育を担当した[1]。ブロックは教え子のエレノア・ジョーデンと共著で教科書『Spoken Japanese』(2冊,1945-1946)を出版した。

第二次世界大戦後

戦後、日本語の口語文法の研究を発表した。1939年以降はアメリカ言語学会の機関誌である『Language』の編集長として働き、1953年には同学会の会長をつとめた。

研究内容・業績

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レナード・ブルームフィールドアメリカ英語を8母音+j/w と解釈したのに対し、トレーガーとブロックは6母音+j/w/h と解釈した(たとえば [ɔː]/oh/ とする)。服部四郎はこの分析に対する批判を書いている[2]

没後に日本語に関する論文をロイ・アンドリュー・ミラーがまとめ、『ブロック日本語論考』(1975)として刊行されている。

著作

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著書
  • Bloch, Bernard; Trager, George L (1942). Outline of linguistic analysis. Linguistic Society of America 
    • 邦訳:玉崎孫治 訳『言語分析の概要』南雲堂〈英文法研究法シリーズ 3〉、1975年。 
  • Bloch, Bernard; Jorden, Eleanor Harz (1945-1946). Spoken Japanese. Henry Holt & Co 
  • Studies in Colloquial Japanese I Inflection”. Journal of the American Oriental Society 66: 97-109. (1946). 
  • Studies in Colloquial Japanese II Syntax”. Language 22: 200-248. (1946). 
  • Studies in Colloquial Japanese III Derivation of inflected words”. Journal of the American Oriental Society 66: 304-315. (1946). 
  • Studies in Colloquial Japanese IV Phonemics”. Language 26: 86-125. (1950). 
  • Miller, Roy Andrew, ed (1970). Bernard Bloch on Japanese. Yale University Press 
著作集
邦訳:林栄一等 訳『ブロック日本語論考』研究社出版、1975年。 

参考文献

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  • Martin Joos (1967). “Bernard Bloch”. Language 43 (1): 3-19. JSTOR 411382. 

外部リンク

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脚注

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  1. ^ McNaughton, James C (2006) (pdf). Nisei linguists: Japanese Americans in the Military Intelligence Service During World War II. Government Printing Office. p. 158. http://www.history.army.mil/html/books/nisei_linguists/CMH_70-99-1.pdf 
  2. ^ 服部四郎「Trager-Bloch の音韻論」『新版 音韻論と正書法』大修館書店、1979年、102-117頁。 もと『言語研究』15 (1948)