棒棒鶏
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(バンバンジーから転送)
棒棒鶏(バンバンジー、繁体字: 棒棒雞、簡体字: 棒棒鸡、拼音: )は、四川料理の冷菜である[1]。蒸し鶏に四川ソース、怪味ソースをかけた料理である[2]。日本ではソースに芝麻醤などゴマだれのを用いることが多い[3]。嘉定棒棒鶏、楽山棒棒鶏とも呼ばれる[1]。
概要
[編集]焼いた鶏肉を棒で叩き柔らかくしたことから、「棒」の漢字が使われたと言われている[3]。元々の作り方では鶏肉を手で細かく裂いていた。包丁で切り分ける料理法もある。2018年時点では四川省成都市で鶏を棒で叩いて棒棒鶏を作る店はほとんどなくなっている[3]。
中国では鶏肉のみで他の具を加えないのが一般的である。味付けも四川料理らしく唐辛子の辛味を利かせた料理である。
歴史
[編集]発祥は現在の四川省眉山市青神県漢陽鎮[1]、または楽山市(嘉定府)[2][4]とされる。
発祥にはいくつかの説がある[5]。茹でて、あるいは蒸すことで水分が抜けて固くなった鶏肉を棒で叩いて柔らかくしたという調理法から採られたものがよく知られている[2][5]。
- 清朝後期に客人を招くために妻が丸鶏の冷菜の準備をしていた。煮あがった鶏の脚を縛った麻ひもをほどくのに難儀しているのを見た息子が鶏を棒で叩いたところ、扱いやすくなり、鶏肉もかなり柔らかくなった[4]。
- 明、清の時代に、現在の四川省雅安市で美食を楽しむ人が料理を開発したが、当時の鶏肉は贅沢品であり、新年や祭日にだけ食べられる食材であった。そこで薄切りにして少量販売することを考案する。これはうまくいったが、切った鶏肉の大きさが不ぞろいで、大きなものばかり売れた。これを改善するために棒を基準として大きさを均等にした[1]。
日本での棒棒鶏
[編集]棒棒鶏が日本でポピュラーになったのは、麻婆豆腐やエビチリといった他の四川料理と同様、陳建民による功績が大きい[6]。
かつての日本では大量のラー油や唐辛子などを用いた料理は受け入れる素地ができていなかった[3]。そのため、担担麺のように、日本人が食べやすいようにアレンジしていった結果、ゴマだれ風味に落ち着いたのではと推測されている[3]。
出典
[編集]- ^ a b c d “四川料理紹介シリーズ:棒棒鶏”. 麻辣東京 (2019年4月20日). 2022年4月19日閲覧。
- ^ a b c 陳宇慧 (2019年11月15日). “四川タレが決め手!大人気中国人ブロガーがオススメする「棒棒鶏(バンバンジー)」”. クックパッドニュース. 2022年4月19日閲覧。
- ^ a b c d e 中川正道 (2019年4月5日). “麻辣連盟総裁に訊く! “よだれが出るほど美味しい”本場四川の「よだれ鶏」の魅力とは?”. 食楽Web(徳間書店). p. 2. 2022年4月19日閲覧。
- ^ a b “母を助けるため鶏を棒で叩き、偶然できた名物料理、それが「棒棒鶏」”. 陳麻婆豆腐. 2022年4月19日閲覧。
- ^ a b “『ネプリーグ』で放送の<豆知識>「棒棒鶏(バンバンジー)」に「棒」の文字が使われるのはなぜ?”. ネプリーグ (2020年7月7日). 2022年4月19日閲覧。
- ^ 中矢代憲子、深代彩子『東京味の名匠24人』保育社、1989年、58頁。ISBN 9784586507894。