コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ジー・オーグループ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ジー・オーグループは、大神源太(おおがみ げんた、1963年 - 2019年)が実質的に経営していた企業グループ。ジャパンジー・オーグループインターナショナル株式会社を持株会社としてその下にグループ企業を置いた。「ジー・オー」は大神のイニシャルの“Genta Ogami”に由来し、登記上を含めた公式な表記は「ジー.オー」である。本社は東京都港区三田にあった。1996年頃より、グループ企業のジー・コスモス・ジャパン株式会社が、独特な手法で個人から多額の資金を集めたが、出資法違反や詐欺の疑いで大神が逮捕され、後に破産した。大神は2019年、山形にある刑務所内で、体調を崩し死亡した。

グループ企業

[編集]
  • ジャパンジー・オーグループインターナショナル(持株会社)
  • ジー・コスモス・ジャパン
  • ジー・ユニバーサル
  • 神埼共栄開発
  • みなもと債権回収
  • ジー・オー・フィルムインターナショナル
  • 大義新聞社

これらのグループ企業のうちのほとんどが、事業実態の無い所謂ペーパーカンパニーであった。現在は、全企業が清算されているため現存しない。

事件経過

[編集]

事業実態

[編集]

ジー・システムによる通信販売詐欺

[編集]

「ジー・システム」とは、消費者商品ガイドから商品を選択し、その商品の広告費を出し(これを「エントリー」と言い、1回のエントリーに2000円の手数料が必要)、通信販売でエントリーした商品が売れると、グループ会社から売り上げに応じた配当金(報償金)が消費者に支払われる仕組みである。

広告代理会社ジー・コスモス・ジャパンが、求人情報誌や新聞折り込み広告に在宅ワークの求人広告を出し、資料請求者に「ジー・システムの手引き」という冊子を送付する。在宅ワークを装って消費者(求職者)を勧誘しているが、実際は広告費名目の出資金集めだった。また電話で、「ジーシステムに登録して広告費を出すと高額な配当が確実に得られる」などと勧誘した。また、ジー・システムの利用には、会員登録して月会費3000円を1年分一括で支払う必要があり、消費者が請求すれば出資した広告費は返金される契約であった。

実際には、ジー・システムだけでは思うように出資金が集まらず、その後「確約エントリー」「広告活動代金」「買収設立活動代金」などの名目で元本保証で高配当を謳った資金集めを行ったが、通信販売事業が行われることは無かった。2002年3月に警視庁がグループ各社を出資法違反容疑で家宅捜索した際、通信販売用の商品が全く発見されなかったことから、ジー・システム自体が架空の事業だったことが明らかになった。

ユニバG販売事業

[編集]

ジー・ユニバーサルが手がけていた事業で、フィリピンを原産とするバナバの葉を原料とする茶「ユニバG」を、「生活習慣病予防に役立つ」「薬餌飲料」とPRして販売した。テレビCMや販促資料にはハリウッド俳優のジャン=クロード・ヴァン・ダムを起用した。

さらには、『ユニバG物語〝私がアジアを救う〟』という販促ビデオを製作。内容は大神本人がフィリピンの密林でバナバ葉を探し求める、というもので、途中には大神が密林をダッシュしたり、懸垂をするシーンが盛り込まれた。また、オープニング曲が『ロッキー』の模倣であることが容易にわかることから、一部マニアの話題となった。疑惑が持ち上がってから、日本のニュース番組でこの映像が流された。

その他

[編集]
  • 大神が企画・製作・監督・主演しジェフ・スピークマンと共演したアクション映画『ブレイド・オブ・ザ・サン(太陽の刀)』が製作されたが、代表の逮捕とグループ会社の破綻で一般公開されなかった。製作費は5億円で、全世界で180億円の興行収入を見込んでいたという[2]
  • 2001年9月、グループ企業が、フィリピンマニラ首都圏を中心として営業していたユニトラスト・ディベロップメント・バンクに13億円を投資買収した。同行はバンク・オブ・オーガミ(大神銀行)と改称し、シティバンクのパンフレットを丸写しして、会員に高金利を謳って預金の勧誘をした。マニラ中に大神の顔写真を掲載した巨大な看板広告を乱立させた。しかしフィリピン中央銀行は、この買収を認可せず、2002年1月に銀行は経営破綻した。大神銀行の日本からの預金は、ジー・オーグループの運転資金になったと見られる。
  • 逮捕間際、ヴェルサーチのシースルーメッシュのシャツを着た大神が、出資者を勧誘する姿を映した映像がニュース番組で頻繁に流された。
  • 逮捕の直前、大神はフィリピン人の妻に国際電話をして「ラブ・ユー」と言った後、目を赤くした。記者が「大丈夫ですか」と聞くと、大神は自分のを叩き「俺だから、大丈夫だ」と最後まで芝居がかった態度だった。また警察車両に乗せられる直前には最後の言葉として「会員は家族です」と言い残した。

関連項目

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ 元名誉会長の懲役18年確定へ=ジー・オーグループ巨額詐欺-最高裁 - 時事ドットコム、2010年9月28日
  2. ^ 渡邉正明 編『決定版!!放送禁止秘蔵集プレミアム』(初版第1刷)ミリオン出版株式会社、東京都千代田区西神田、2010年4月5日(原著2010年4月5日)、105頁頁。ISBN 978-4-8130-6337-7http://www.taiyohgroup.jp/index.php/module/Default/action/Detail?item_id=1001050302010年5月4日閲覧 

外部リンク

[編集]