コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

バルビツール酸系依存症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バルビツール酸系依存症
概要
診療科 精神医学, 麻薬学[*], 中毒医学[*]
分類および外部参照情報
ICD-10 F13.2
ICD-9-CM 304.1

バルビツール酸系依存(バルビツールさんけいいそん、barbiturate dependence)は、バルビツール酸系の定期的使用によって生じる。このことは、ひいては当初の薬理あるいは治療効果を得るための必要な薬の用量の増加に通じる可能性がある。[1]

バルビツール酸系薬の使用は、依存症および身体的依存の両方をもたらし、それ自体乱用の高い可能性を持つ[2]。 バルビツール酸系薬に対する精神的な依存は迅速に生じる。バルビツール酸系薬の主な作用部位の一つ、GABAA受容体は、バルビツール酸系における耐性の発現と依存、および、乱用の結果としての陶酔的な「ハイ」の中心的役割を担うと考えられている[2]

バルビツール酸系薬の耐性が生じる機序は、エタノールベンゾジアゼピンとは異なると考えられているが、これらの薬物には互いに交差耐性が生じることが示されている[3]

薬物からの離脱の際には、危険な発作や振戦せん妄(DT)の兆候である頻脈、発汗、手の震えや不安の増加、精神運動性激越、吐き気や嘔吐、一過性の知覚障害の評価が必要である[4]

バルビツール酸系薬の身体的依存の管理は、用量漸減法の後に、長時間作用型のバルビツール酸のフェノバルビタールでの安定化である。ゆっくりなフェノバルビタールの排出は離脱症状の深刻度を減少させ、発作のような重篤なバルビツール酸の離脱症状の可能性を減少させる。[5]

バルビツール酸系薬の離脱のために抗精神病薬は推奨できず(あるいは離脱の状態でほかの中枢神経系抑制薬)、特にクロザピンオランザピンあるいは、クロルプロマジンのような効果の弱いフェノチアジンは、発作閾値を低下させ離脱症状を悪化させる;用いられている場合、細心の注意が必要である[6]

脚注

[編集]
  1. ^ Zapantis A, Leung S (September 2005). “Tolerance and withdrawal issues with sedation”. Crit Care Nurs Clin North Am 17 (3): 211–23. doi:10.1016/j.ccell.2005.04.011. PMID 16115529. 
  2. ^ a b Takehiko Ito, Toshihito Suzuki, Susan E. Wellman and Ing Kang Ho (June 1996). “Pharmacology of barbiturate tolerance/dependence: GABAA receptors and molecular aspects”. Life Sciences 59 (3): 169–95. doi:10.1016/0024-3205(96)00199-3. PMID 8699929. 
  3. ^ Allan AM, Zhang X, Baier LD (August 1992). “Barbiturate tolerance: effects on GABA-operated chloride channel function”. Brain Res. 588 (2): 255–60. doi:10.1016/0006-8993(92)91583-Z. PMID 1382810. http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/0006-8993(92)91583-Z. 
  4. ^ Galanter, Marc; Kleber, Herbert D (1 July 2008). The American Psychiatric Publishing Textbook of Substance Abuse Treatment (4th ed.). United States of America: American Psychiatric Publishing Inc. p. 58. ISBN 978-1-58562-276-4. https://books.google.co.jp/books?id=6wdJgejlQzYC&pg=PA58&redir_esc=y&hl=ja 
  5. ^ Tyrer, Peter; Silk, Kenneth R., eds (24 January 2008). Cambridge Textbook of Effective Treatments in Psychiatry (1st ed.). Cambridge University Press. pp. 406. ISBN 978-0-521-84228-0. https://books.google.co.uk/books?id=HLPXELjTgdEC&hl=en 
  6. ^ Ebadi, Manuchair (23 October 2007). “Alphabetical presentation of drugs”. Desk Reference for Clinical Pharmacology (2nd ed.). USA: CRC Press. p. 512. ISBN 978-1-4200-4743-1. https://books.google.co.uk/books?id=ihxyHbnj3qYC&pg=PA512&hl=en 

関連項目

[編集]