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バリサイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バリサイト
分類 リン酸塩鉱物
シュツルンツ分類 8.CD.10
化学式 AlPO4·2H2O
結晶系 直方晶系
対称 Pbca
晶癖 厚膜状、腎臓状
へき開 [010] perfect
断口 貝殻状から多片状
モース硬度 4.5
光沢 ガラス光沢からワックス光沢
淡緑色からエメラルドグリーン(透過光中では淡緑色)、緑色、青緑色、黄緑色、淡茶色、淡黄色、稀に赤色、無色から白色
条痕 白色
透明度 透明から半透明
比重 2.57 - 2.61
光学性 二軸 (-)
屈折率 nα = 1.563 nβ = 1.588 nγ = 1.594
複屈折 δ = 0.031
文献 [1][2][3]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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バリサイトまたはバリッシャー石(Variscite)は、水和リン酸アルミニウム鉱物(AlPO4・2H2O)である。比較的珍しいリン酸塩鉱物である。トルコ石と混同されることがあるが、バリッシャー石の方がより強い緑色である。緑色は、少量の3価クロム(Cr3+)が存在するのが原因である[4]

地質

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バリッシャー石は、地表付近の環境で、アルミニウムの豊富な岩石と反応したリンを含む水が、直接堆積して形成される二次鉱物である[5]団塊、空洞充填、地殻等に微粒状の塊として見られる。しばしばクランダル石の白い鉱物脈を含む。

1837年に初めて記載され、ドイツフォクトランドの旧名であるバリスシア(Variscia)に因んで名付けられた。かつて、バリッシャー石は、ユタライト(Utahlite)と呼ばれていた。当時、トルコ石(turquoise)かバリッシャー石か判別のつかない素材は、"variquoise"として販売されていた。バリッシャー石に典型的に見られる色彩の範囲が評価され、近年では人気の宝石となっている[6]

ネバダ州産出のバリサイトは、マトリックス中に黒い雲の素状の模様を含み、しばしばトルコ石と混同される。ここ数十年で、ネバダ州から産出したバリサイトの大部分は、ランダー郡及びエスメラルダ郡、特にカンデラリア丘陵に所在する鉱山由来のものである。

著名な産地として、ユタ州ルーシンスノーヴィルフェアフィールドがある。最近ではワイオミング州でも見つかっている。ドイツオーストラリアポーランドスペインブラジルでも産出する。

宝石

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半貴石として使用されることもあり、その美しく強烈な緑色のため、彫刻や装飾用に人気がある。またトルコ石の代わりに銀細工でも一般的に使用されている。トルコ石と比べてより希少であるが、入手が難しく一般的にはあまり知られていないため、価格はより安価になる傾向がある[6][4][7]

ギャラリー

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出典

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  1. ^ https://rruff.geo.arizona.edu/doclib/hom/variscite.pdf Mineral Data Publishing – PDF
  2. ^ https://www.mindat.org/min-4156.html Mindat
  3. ^ https://webmineral.com/data/Variscite.shtml Webmineral data
  4. ^ a b Variscite Gemstone Information”. 2022年10月21日閲覧。
  5. ^ Roncal-Herrero, T.; Rodríguez-Blanco, J. D.; Benning, L. G.; Oelkers, E. H. (2009). “Precipitation of Iron and Aluminum Phosphates Directly from Aqueous Solution as a Function of Temperature from 50 to 200 °C”. Crystal Growth & Design 9 (12): 5197–5205. doi:10.1021/cg900654m. 
  6. ^ a b Minerals of Nevada - Nevada Bureau of Mines Special Pub. 31 University of Nevada Press, 2004 Pages 78-81
  7. ^ Variscite Value, Price, and Jewelry Information - International Gem Society”. 2022年10月21日閲覧。