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バリオバーン (グラーツ市電)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バリオバーン > バリオバーン (グラーツ市電)
グラーツ市電200形電車
"バリオバーン"
201(2020年撮影)
基本情報
製造所 シュタッドラー・レール
製造年 2009年 - 2015年
総数 45両(201 - 245)
運用開始 2010年
投入先 グラーツ市電
主要諸元
編成 5車体連接車、片運転台
軌間 1,435 mm
電気方式 直流600 V
架空電車線方式
最高速度 70 km/h
車両定員 着席47人(折り畳み座席含)
立席98人
(乗客密度4人/m2
車両重量 38,4 t
全長 27,468 mm
全幅 2,300 mm
全高 3,400 mm
床面高さ 350 mm(低床率100 %)
車輪径 650 mm
主電動機出力 45 kw
出力 360 kw
備考 主要数値は[1][2][3][4][5]に基づく。
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この項目では、シュタッドラー・レールが展開する路面電車車両ブランドのバリオバーンのうち、オーストリアグラーツの路面電車であるグラーツ市電向けに製造された車両について解説する。旧型車両の置き換えを目的に導入された超低床電車で、200番台の車両番号が与えられている[1][2][3]

概要

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老朽化が進みバリアフリーにも適していない高床式車両の置き換えを目的としたグラーツ市電向けの新型車両の入札を経て、2007年10月シュタッドラー・レールへ発注が実施された車両[注釈 1]。製造はドイツベルリンパンコウ区)にあるシュタッドラー・レール工場で実施された[1][2][4]

ステンレス鋼製の車体を用いた片運転台式の5車体連接車(車体長27.5 m)で[注釈 2]、中間車体の一部は台車がないフローティング車体となっている。設計に際してはモジュール構造が採用されている。車内は全体が床上高さ350 mmの低床構造となっており、車内に2箇所存在する車椅子ベビーカー等が設置可能なフリースペースや一部の乗降扉に設置されている折り畳み式スロープ、視覚障害者のための情報システムなどの設備と共にバリアフリーへの適合が図られている。台車は車軸が存在しない独立車輪式台車で、主電動機は前後車体の各車輪の外側に搭載されている(ハブモーター方式)。塗装はそれまでの車両と異なり灰色白色を基調としているが、これは全面広告塗装時のデザインの容易さを図ったものである[1][2][3][8]

2009年に最初の車両がグラーツ市電に納入された後、2010年から営業運転に投入され、2015年までに45両(201 - 245)が導入された。そのうち2011年以降に製造された車両については騒音・振動の抑制や制動機構の調整などの改良が施され、それ以前の車両にも同様の改造が実施されている。これらの車両への置き換えにより、それまで使用されていた高床式車両は500形を除き2015年までに営業運転を終了している[1][3][3][4][8][9][10]

ギャラリー

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脚注

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注釈

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  1. ^ 新型車両の入札には他の企業も参加したが、安価な車両価格や定員数の多さ、バリアフリーへの適合、乗客や運転手の快適性などの観点からシュタッドラー・レールが発注を獲得した経緯を持つ[6]
  2. ^ 当初は車体長37 mの連接車として製造される予定だった[7]

出典

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  1. ^ a b c d e Wolfgang Kaiser (2016-5-18). Straßenbahn in Österreich: Alle aktuellen und ehemaligen Betriebe Kindle Ausgabe. GeraMond Verlag. ISBN 978-3956130168. https://books.google.co.jp/books?id=iSrEDwAAQBAJ 2023年2月28日閲覧。 
  2. ^ a b c d Niederflurstrassenbahn Variobahn Holding Graz Linien, Österreich”. Stadler Rail. 2023年2月28日閲覧。
  3. ^ a b c d e Die neue Variobahn für Graz”. Inside Graz (2009年11月17日). 2023年2月28日閲覧。
  4. ^ a b c Holding Graz 2014, p. 3.
  5. ^ Holding Graz 2014, p. 4.
  6. ^ Holding Graz 2014, p. 2.
  7. ^ Die Elektrische Ein Rückblick auf die letzten 50 Jahre”. Tramway Museum Graz. 2023年2月28日閲覧。
  8. ^ a b Holding Graz 2014, p. 5.
  9. ^ Holding Graz 2014, p. 6.
  10. ^ Holding Graz (2023年1月). BUS UND BIM FÜR ALLE (PDF) (Report). p. 171. 2023年2月28日閲覧

参考資料

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