バリア分析
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バリア分析(バリアぶんせき、英語:Barrier Analysis)とは、行動改善を成功させる目的のための解析手法。
バリア分析を簡単に説明すると、ダイエットや禁煙などの行動改善において、複数の実行者(成功者)と非実行者(失敗者)のアンケート結果や面談を基にして、成功しやすい戦略や環境などを見つけ、行動改善を成功に導くための分析手法である。
バリア分析は比較的使いやすいアプローチであり、短期間で実行できるため、調査結果に基づいて迅速に意思決定を行うことができる。このため、59か国の38の組織や機関(ユニセフなど)で使用されている。
バリア分析(BA)は、1990年トム・デイビス(Tom Davis)により開発された。
方法論
[編集]バリア分析の目的は、特定の対象者の行動変化の決定要因を特定することにある。最も一般的に見られる4つの決定要因は、
- 認知された自己効力感
- 認知された社会的規範
- 認知された肯定的な結果
- 認知された否定的な結果
である。他の決定要因として、認知される重症度、認知される感受性やリスク、認知される行動の有効性、ポリシー、文化などが含まれる。
通常、研究者は45人の「実行者(成功者)」(すでに行動を実践している人)と45人の「非実行者(失敗者)」(行動を実践していない人)に質問し回答を比較する。この45/45サンプルを使用する場合、質問に対し実行者と非実行者間間に15%以上の差があれば、通常統計的に有意性があり特別なものとなる。バリア分析集計表は、統計的有意性を見出すために使用される。
手順
[編集]バリア分析研究の主なステップは次のとおり。
- 行動の特定化。:この行動とは通常、メリットとなる影響をもたらしそうな行動で、過去に特定の人々が実施しようとしたが失敗した行動である。
- バリア分析質問票の作成。:特定行動を研究するために、自由形式や選択肢形式のバリア分析質問票を作成する。最初の数個の質問は、特定行動の「実行者」と「非実行者」を識別するために使用し、残りの質問は異なる行動決定要因に基づいた内容になる。さらに、レビューに基づいて質問を追加することもある。
- 面接。面接は45人以上の実行者と45人以上の非実行者に対しておこなう。面接は、直接の面談、電話、オンライン調査などでおこなう。
- 集計。スタッフが表を作成する。
- 分析。集計ツールによる分析。実行者と非実行者の結果の差から分析する。
- メッセージとアクティビティの作成。調査結果から、行動に対する障壁を減らすためのメッセージや行動のアドバイスをする。
このあと、変化の効果を追跡するための監視をすることもある。
参考
[編集]- バリア分析の質問票のサンプル https://drive.google.com/file/d/1M1r1bt3Exh6kP0Cf-wDj-pE-Az-5iFtk/view ※en:Barrier analysis記載と同一
外部リンク
[編集]- Barriers to latrine use for defecation among mothers of children less than 59 months (peer-reviewed journal article)
- Identifying Barriers and Enablers to Exclusive Breastfeeding in Mwenezi and Chiredzi Districts, Zimbabwe|Identifying Barriers and Enablers to Exclusive Breastfeeding in Mwenezi and Chiredzi Districts, Zimbabwe (peer-reviewed journal article, 2020)
- Barrier Analysis on a Maternal Iron-Folic Acid Supplementation Program in Madagascar (USAID-IYCN)
- The determinants of handwashing behaviour among internally displaced women in two camps in the Kurdistan Region of Iraq (peer-reviewed journal article)
- Liberia WASH Consortium: Liberia Barrier Analysis Report March 2020
- Barrier Analysis narrated presentation (by original developer, Tom Davis)
- Evidence for Barrier Analysis narrated presentation
- 2021 Presentation on Barrier Analysis Results on COVID-19 vaccine acceptance to UNICEF-led Africa COVID-19 Vaccines Demand Working Group
- Barrier Analysis Facilitator Manual
- A Practical Guide to Barrier Analysis (Kittle, 2013)
- French version of BA training manual
- Spanish version of BA training manual
- Arabic version of BA training manual
- UNICEF/World Food Program Report on Barrier Analysis and In-depth Qualitative Interviews in West Bank and Gaza Strip (six nutrition behaviours)
- World Vision Zimbabwe and CARE Zimbabwe ENSURE Project Barrier Analysis Report (four nutrition behaviours)
- Using Barrier Analysis to Inform Behavior Change Communication Strategy (2010 Masters Paper by M Zafimanjaka
- WHO Global Humanitarian Response Plan for COVID-19, WHO. BA mention on p. 15.