バラアサガオ
バラアサガオ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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バラアサガオの花
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Distimake tuberosus (L.)
A.R.Simões et Staples | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
バラアサガオ(薔薇朝顔) |
バラアサガオ(薔薇朝顔、学名:Distimake tuberosus)はヒルガオ科のつる性多年生草本。
Merremia tuberosa (L.) RendleおよびIpomoea tuberosa L.はシノニム[1]。旧Merremia属は2017年に細分化され[2]、バラアサガオはDistimake属へ移された。ほとんどの文献では旧種名Merremia tuberosaで記されている[3][4][5][6]が、YList[1]においては細分化後の属名で表記されており、本稿ではこれに従った。別名セイロンアサガオ[3]、ウッドローズ[5][3]。
特徴
[編集]茎は茶褐色を帯び、他の木などに絡みつき長さ20 mに達し、樹冠を覆い尽くす。葉は互生し、長さ10–20 cmで7深裂する。葉柄の長さは7–15 cm。開花期は秋から冬。花は直径約7 cm、黄色で漏斗状、1花柄に3–5個つける[3]。猛烈な繁茂状況とも相まって、黄花と分裂葉は遠くからもよく目立つ[5]。
利用
[編集]果実の周りを硬い萼の5裂片が取り巻いており、全体がバラの花に似ることから「ウッドローズ」の名でドライフラワーに用いられる[3][5][7]。
分布と生育環境
[編集]熱帯アフリカ~インド[3]または熱帯アメリカ[7]、メキシコ~中米[5]原産で、世界中の熱帯~亜熱帯に帰化。小笠原諸島や沖縄に野生化[3]。林縁などにみられる他、公園や庭に植栽されることもある[5]。
ギャラリー
[編集]近縁種
[編集]ヒメコガネヒルガオMerremia gemella、ハスノハヒルガオDecalobanthus peltatus (=Merremia peltata)、ミミバフサアサガオCamonea umbellata (=Merremia umbellata)が沖縄県内に[8][6][4][9]、ツタノハヒルガオMerremia hederaceaが沖縄[4]、鹿児島[10]、千葉[11]にそれぞれ帰化。ツタノハヒルガオは鹿児島県では重点啓発種とされ[10]、本州でも一時的な発生が見られるが、開花前に寒さで枯死するため花を付けない[12][13]。 これらの種とバラアサガオは従来ツタノハヒルガオ属[5]Merremiaに分類されていたが、2017年に細分化され[2]、バラアサガオ以外ではハスノハヒルガオがDecalobanthusへ、ミミバフサアサガオがCamoneaへそれぞれ移された。
近縁種ギャラリー
[編集]脚注
[編集]参考文献
[編集]- 天野, 誠「メレミア・トゥベロサ」『植物の世界』 2(種子植物)、朝日新聞社、東京〈朝日百科〉、1997年、301頁。ISBN 9784023800106。
- 池原, 直樹『沖縄植物野外活用図鑑』 3巻《帰化植物》、新星図書出版、那覇、1984年。
- 植村, 修二 ほか『日本帰化植物写真図鑑:Plant invader 500種』 2巻、全国農村教育協会、東京、2010年。ISBN 9784881371855。
- 沖縄県『沖縄県内における外来生物法及び生態系被害防止リスト掲載種(植物)の生育状況調査』(PDF)(レポート)沖縄県、2018年、24-59頁 。
- 鹿児島県『鹿児島県外来種リスト』(PDF)(レポート)鹿児島県、2017年 。
- 梶田, 結衣、米倉, 浩司、遠山, 弘法、赤井, 賢成、天野, 正晴、阿部, 篤志、山本, 武能、設樂, 拓人 ほか「沖縄県西表島における外来植物目録」『大阪市立自然史博物館研究報告』第76号、大阪市立自然史博物館、2022年、125–141頁、ISSN 0078-6675。
- 神奈川県植物誌調査会 編『神奈川県植物誌:2018』(PDF)(電子版)神奈川県植物誌調査会、2018年。ISBN 9784991053726 。
- 千葉県希少生物及び外来生物に係るリスト作成委員会 編『千葉県の外来生物』(PDF)(レポート)(初版(平成24(2012)年度)千葉県希少生物及び外来生物に係るリスト作成委員会、2013年 。
- 林, 将之、名嘉, 初美『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、那覇、2022年。ISBN 9784899824350。
- 米倉浩司; 梶田忠 (2003年). “バラアサガオ”. BG Plants 和名-学名インデックス (YList). 2024年2月8日閲覧。
- Simões, AR; Staples, G (2017). “Dissolution of Convolvulaceae tribe Merremieae and a new classification of the constituent genera”. Botanical Journal of the Linnean Society (The Linnean Society of London) 183 (4): 561–586. doi:10.1093/botlinnean/box007 .
外部リンク
[編集]- バラアサガオ - 野の花賛花
- バラアサガオ(ウッドローズ) - 小笠原植物誌
- バラアサガオ(ウッドローズ) - 山科植物資料館
- 大きめの黄色が目立つバラアサガオの花 - 小笠原マルベリー
- バラアサガオ(薔薇朝顔) - こまつなの部屋
- ウィキメディア・コモンズには、バラアサガオに関するカテゴリがあります。