バイタリス
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バイタリス (Vitalis) は、1940年代にアメリカ合衆国で発売された男性用の液体整髪料のブランド。
日本では、1962年に発売され、それまでのポマード類に代わる液体整髪料として一世を風靡した。
アメリカ合衆国
[編集]バイタリスは、アメリカ合衆国の製薬会社ブリストルマイヤーズ社(後のブリストル・マイヤーズ スクイブ)が開発し、1940年代に発売した[1]。その独特の強烈な匂いは、医院のようだと評されていた[1]。
バイタリスのブランドは、後に売却され、2000年代には、ヘレン・オブ・トロイ・リミテッドの所有となった[2]。
日本
[編集]1962年、当時のライオン歯磨(後のライオン)が、ブリストルマイヤーズ社と技術提携して、バイタリスを日本で発売した[3][4]。油で頭髪を固める従来の整髪料とは違ってベトつかず[5]、アイビールックとともに流行した七三分けのアイビーカットに向いた整髪料として大ヒット商品となった[4][6]。翌1963年には、資生堂も液体整髪料「MG5」を独自に開発して発売し、市場は急成長した[6]。1967年にMG5が19品目23種類の男性化粧品ブランドとして全面展開されると、それに押されてバイタリスの人気は後退した[6]。
大衆文化の中で
[編集]- ニッポン放送などで1966年から1982年まで放送されていたラジオ音楽番組『フォーク・ビレッジ』は、放送開始から1974年までバイタリスの単独提供であったことからタイトルを『バイタリス・フォーク・ビレッジ』とした。
- 横山剣が作詞作曲したクレイジーケンバンドの「葉山ツイスト」の歌詞には、バイタリスが歌いこまれている[7]。
関連項目
[編集]- ライオンの女性を主体としたヘアケアシリーズ
脚注
[編集]- ^ a b Faustini, Matthew (2013年10月4日). “Cascading Style: Vitalis Hair Tonic Review”. Geeky Gentleman. 2021年5月3日閲覧。
- ^ “Helen Of Troy Developing Sea Breeze, Vitalis Extensions, Ads”. MedTech Insight /Informa plc. (2003年1月20日). 2021年5月3日閲覧。
- ^ “ライオンの歴史”. ライオン. 2021年5月3日閲覧。
- ^ a b “第二部 時代とともに歩む〜柳屋の戦後復興と商品開発〜 4. ヘアリキッドの襲来”. 柳屋本店. 2021年5月3日閲覧。
- ^ 上杉恵子 (1997年3月20日). “男性化粧品、ここまできました--女性に追いつけ…追い越した!?”. 毎日新聞・東京朝刊be: p. 17. "男性も身だしなみに気を配る余裕が出てきた1962年、米国からリキッド整髪料「バイタリス」が上陸(発売元ライオン歯磨=当時)、ベトつかないヘアが流行した。" - 毎索にて閲覧
- ^ a b c 浜田奈美 (2014年10月4日). “(あのとき・それから)昭和42年 化粧品ブランド「MG5」誕生 「男もオシャレ」何が悪い”. 朝日新聞・夕刊be: p. 4. "62年、アメリカ生まれの液体整髪料「バイタリス」が日本に上陸すると、大ヒット。それまでの整髪料は油で頭髪を固めるタイプだったが、自然な仕上がりの「バイタリス」は、アイビールックに欠かせない自然な七三分け「アイビーカット」に、ぴったりな整髪料だったのだ。その翌年、資生堂が日本初の液体整髪料「MG5」を発売する。...より自然な使用感の整髪料の開発に成功し、狙い通り「MG5」は大ヒットした。...同社は、過去に発売したスキンケアやフレグランスなどの商品を統合。パッケージを黒と銀のダイヤカットが印象的なデザインに統一し、19品目23種類の本格的な男性化粧品ブランド「MG5」として、67年に全面リニューアルした。新ブランドは「バイタリス」の人気を抜き去り、男性のオシャレの定番商品となった。" - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “葉山ツイスト”. Uta-Net / PAge One. 2021年5月3日閲覧。