爬竜
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(ハーリーから転送)
爬竜(ハーリー)は、毎年旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に沖縄県各地の漁港で行われる競漕とその祭りである。
概要
[編集]船を漕ぎ競い合うことで航海の安全や豊漁(大漁)を祈願する。那覇ハーリーでは竜頭・竜尾を備えた大型の爬竜船(はりゅうせん)が用いられるが、他のハーリーのほとんどでは装飾したサバニ(これを爬竜船と呼ぶこともある)が用いられる[1][2]。糸満では「ハーレー」と呼ぶ[3]。
基本的には「航海の安全」や「豊漁」を祈願する御願(ウガン)を主旨とした海の神事であるため、伝統に則り旧暦の5月4日に行うが、近年ではハーリーシーズンの日曜日や祝祭日・ゴールデンウィークなどにずらして催し、観光化する地域もある。
また、奄美群島各地でも同種の競漕が行われており、徳之島や与論島では「ハーレー」と呼ばれている[4]。
名称と語源
[編集]「ハーリー」は「爬竜」の中国語読みとされる[5]。
一方、糸満での「ハーレー」という名称について、糸満市では、古くから小舟を併走させて競漕するフナハラシのことを「ハレ」と呼んでいたことや、1711年に成立した琉球の古語辞典『混効験集』で「ハレ」という語を「走という事、はしれを中略也」と説明していることを指摘している[3]。
起源
[編集]ハーリーの起源について、琉球王国の歴史書『球陽』は次の3説を挙げている。
- 三十六姓伝来説 - 閩人三十六姓が琉球に来て帰化し,那覇江でハーリーを行なった。
- 長濱大夫伝来説 - 長濱大夫という者が、南京で龍舟をならい、琉球に帰った後に龍舟を造って競渡をした。
- 汪応祖伝来説 - 南山王の弟汪応祖が南京に留学し、帰国後豊見城の城主となり、中国で見た龍舟を造って5月の始めに城下の江で競渡をした[6]。
脚注
[編集]- ^ “ハーリーの季節 到来!(沖縄の伝統行事)”. おきなわ物語. 一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー (2019年5月10日). 2019年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月29日閲覧。
- ^ “ハーリー”. 美ら島物語. 日本トランスオーシャン航空 (2002年7月11日). 2017年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月29日閲覧。
- ^ a b “ハーレーの名称由来と発祥”. 糸満市 (2013年2月1日). 2020年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月29日閲覧。
- ^ “呼称”. 奄美舟こぎ協会. 2021年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021- 5-29閲覧。
- ^ “石垣島から 海への感謝込めた船越屋ハーリー”. SankeiBiz(サンケイビズ). (2015年9月4日). オリジナルの2021- 5-29時点におけるアーカイブ。
- ^ “糸満ハーレーの歴史”. 糸満市 (2013年2月1日). 2020年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月29日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 爬竜船競漕ハーリー(美ら島物語 日本トランスオーシャン航空(株))
- 夏を呼ぶ海の祭りへ!ハーリー海神祭(おきなわ物語(財)沖縄観光コンベンションビューロー)