ハート・オブ・ジ・イミグランツ
『ハート・オブ・ジ・イミグランツ』 | ||||
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アル・ディ・メオラ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
ニューヨーク ザ・ヒット・ファクトリー[1] アディショナル・レコーディング:ニューヨーク スカイライン・スタジオ、ニュージャージー州 チャーチル・デジタル・スタジオ[1] ストリングス:カリフォルニア州ノース・ハリウッド サウンド・チェンバー[1] | |||
ジャンル | ジャズ、フュージョン、ワールド・フュージョン、タンゴ | |||
時間 | ||||
レーベル |
メサ・レコーディングス トマト・レコード | |||
プロデュース | アル・ディ・メオラ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
アル・ディ・メオラ アルバム 年表 | ||||
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『ハート・オブ・ジ・イミグランツ』(Heart of the Immigrants)は、アメリカ合衆国のギタリスト、アル・ディ・メオラが1993年に発表したスタジオ・アルバム。ディ・メオラがタンゴからの影響を反映したアコースティック・ユニット、ワールド・シンフォニアの2作目に当たる作品である[2]。
背景
[編集]ワールド・シンフォニアとしての第1作『ワールド・シンフォニア』に引き続き、アストル・ピアソラのカヴァーが取り上げられた[3]。ディ・メオラはピアソラと共演したことはないが、1986年に日本で対面を果たしてから親交があり[3]、「タンゴII」は生前のピアソラがディ・メオラに送った曲からの抜粋である[1]。
「いつか王子様が」は、元々は1937年のアニメーション映画『白雪姫』の挿入歌だが、マイルス・デイヴィスの演奏でも知られ、本作ではディ・メオラとディノ・サルーシのデュオにより、デイヴィスへの追悼曲として録音された[1]。ディ・メオラのオリジナル曲のうち「インディゴ」は、スタンリー・クラーク、ジャン=リュック・ポンティとのコラボレーション・アルバム『スーパー・ストリングス』(1995年)でも再演されている[4]。
「ナイトクラブ1960」、「売春宿1900」、「インディゴ」、「カフェ1930」の4曲はディ・メオラとクリストファー・キャリントンのツイン・ギター編成で録音され、いずれもディ・メオラの演奏が左及び中央のチャンネル、キャリントンの演奏が右チャンネルに振り分けられている[1]。これら4曲には、ヴィンス・メンドーザの指揮によるストリングスも追加された[1][5]。
アルゼンチン出身の歌手/ギタリスト、ハーナン・ロメロは本作でディ・メオラとの初共演を果たし[3]、ディ・メオラの次作『オレンジ&ブルー』(1994年)では共同プロデューサーも務めている。
反響・評価
[編集]『ビルボード』のコンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートでは15位を記録した[6]。スコット・ヤナウはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「ワールド・ミュージックや現代タンゴの愛好家、それにディ・メオラのギター演奏を単に速いだけと一面的に考えている人々にお薦めである」と評している[7]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はアル・ディ・メオラ作。
- ナイトクラブ1960 - "Nightclub 1960" (Astor Piazzolla) - 5:46
- ヴィスタエロ - "Vistaero" - 4:36
- 回転木馬のレクイエム - "Carousel Requiem" - 6:18
- タンゴII - "Tango II" (A. Piazzolla) - 5:35
- ダーク・ムーン - "Under a Dark Moon " - 5:12
- 売春宿1900 - "Bordel 1900" (A. Piazzolla) - 4:32
- インディゴ - "Indigo" - 7:05
- ヘル・メーター/ドント・ゴー・ソー・ファー・アウェイ - "Heru Mertar/Don't Go So Far Away" (Arto Tunçboyacıyan) - 4:39
- パランダ - "Parranda" - 4:25
- いつか王子様が - "Someday My Prince Will Come" (Frank Churchill, Larry Morey) - 5:11
- カフェ1930 - "Cafe 1930" (A. Piazzolla) - 6:16
- ゼイ・ラヴ・ミー・フロム・フィフティーン・フィート・アウェイ - "They Love Me from Fifteen Feet Away" (A. Tunçboyacıyan) - 1:24
- ミロンガ・デル・エンジェル - "Milonga del Angel" (A. Piazzolla) - 3:44
参加ミュージシャン
[編集]- アル・ディ・メオラ - アコースティック・ギター、ギターシンセサイザー、チャランゴ、シンクラヴィア他
- クリストファー・キャリントン - アコースティック・ギター(#1, #6,#7, #11)
- ディノ・サルーシ - バンドネオン(#2, #4, #6, #8, #9, #10, #11, #12)
- アルト・トゥンクボヤシアン - パーカッション(#1, #2, #5, #6, #7, #9)、ボイス(#5, #7, #8, #12)、トルコの弦楽器(#8)
- ハーナン・ロメロ - ボイス(#2, #5, #9)
- ヴィンス・メンドーザ - ストリングス指揮(#1, #6, #7, #11)
脚注・出典
[編集]- ^ a b c d e f g CD英文ブックレット内クレジット
- ^ “Al Di Meola - Biography”. All About Jazz. 2016年1月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月9日閲覧。
- ^ a b c Gonzalez, Fernando (2011年7月9日). “Jazz Articles: Al Di Meola: The Endless Tango”. JazzTimes. 2016年1月7日閲覧。
- ^ Rite of Strings - Stanley Clarke | AllMusic
- ^ Al Di Meola - World Sinfonia - Heart Of The Immigrants (CD, Albums) at Discogs
- ^ “Al Di Meola - Awards”. AllMusic. 2015年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月9日閲覧。
- ^ Yanow, Scott. “Heart of the Immigrants - Al di Meola's World Sinfonia”. AllMusic. 2016年1月7日閲覧。