コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ハーシェル・リゴレー彗星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハーシェル・リゴレー彗星
35P/Herschel-Rigollet
仮符号・別名 1788 Y1, 1788II
1939 O1, 1939 VI, 1939h[1]
分類 周期彗星ハレー型彗星
発見
発見日 1788年12月21日[2]
発見者 カロライン・ハーシェル[2]
軌道要素と性質
元期:TDB 2429480.5(1939年8月5.0日)
軌道長半径 (a) 28.8435 au[1]
近日点距離 (q) 00.7485 au[1]
遠日点距離 (Q) 56.9386 au[1]
離心率 (e) 0.9741[1]
公転周期 (P) 155 [1]
軌道傾斜角 (i) 064.207 °[1]
近日点引数 (ω) 029.298 °[1]
昇交点黄経 (Ω) 355.980 °[1]
平均近点角 (M) 359.972 °[1]
前回近日点通過 1939年8月9日[3]
次回近日点通過 2092年3月16日[3]
ティスラン・パラメータ (T jup) 0.644[1]
物理的性質
絶対等級 (H) 8.3(+コマ[1]
Template (ノート 解説) ■Project

ハーシェル・リゴレー彗星(英語: 35P/Herschel-Rigollet)は公転周期155年の周期彗星短周期彗星の中では周期が長いためハレー型彗星に分類される[1]。1788年12月21日にイギリススラウカロライン・ハーシェルが発見した[2]

1789年の回帰

[編集]

ハーシェル・リゴレー彗星は1788年12月21日にカロライン・ハーシェルが最初に発見し、その日の夜遅く、兄のウィリアム・ハーシェルが直径5,6M57より大きく、明るい星雲のように見えると記している[2]

この年12月から翌年1月にかけて、この彗星はグリニッジ天文台ネヴィル・マスケリンパリ天文台シャルル・メシエによっても観測された。マスケリンは1789年2月5日にこの彗星を観測し、この回帰における最後の観測者となった[2]

1789年にピエール・メシャン、1922年にMargaretta Palmer英語版によってこの彗星の取りうる軌道が計算された。Palmerは、観測結果と最も一致する軌道は公転周期1066年の楕円軌道であると考えた[2]

1939年の回帰

[編集]

フランスのRoger Rigolletは1939年7月28日にこの彗星を再発見し、広がっていて8.0と記述した。翌日、トリノ天文台のAlfonso Fresaイタリア語版ヤーキス天文台ジョージ・ファン・ビースブルックによって、この発見は確認された。8月を過ぎると彗星は徐々に暗くなり、最後に観測されたのは1940年1月16日だった[2]

1939年の再発見後、彗星の軌道はコペンハーゲンのJens P. MöllerやバークレーのKatherine P. Kaster、Thomas Bartlettらによって再計算され、近日点通過は1939年8月9日だったと示された。この軌道を基に、ハーバード大学天文台のLeland E. Cunningham英語版は、この彗星はハーシェルが1788年に発見した彗星と同一であると主張した[2]

最終的な軌道の計算は2度の接近の際に行われた75の観測に他の惑星による摂動を加えて、1974年にブライアン・マースデンによってなされ、軌道周期は155年で近日点通過は1939年8月9日だったことが確定した[2]

中野主一による軌道計算によれば、ハーシェル・リゴレー彗星の公転周期は180年から200年近くだったが、惑星の摂動を受けて1302年以降は160年から170年前後まで短くなった。中野によれば、次回の近日点通過は2092年3月16日である[4]

地球への接近

[編集]
  • 1788年11月4日 - 地球から0.80 au[2]
  • 1939年7月30日 - 地球から0.82 au[2]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 35P/Herschel-Rigollet”. Small-Body Database Lookup. Jet Propulsion Laboratory. 2022年1月22日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k Kronk, Gary W.. “35P/Herschel-Rigollet”. cometography.com. 2022年1月22日閲覧。
  3. ^ a b ハーシェル-リゴレー彗星 35P/Herschel-Rigollet”. 吉田誠一 (2005年12月12日). 2022年1月22日閲覧。
  4. ^ OAA computing section circular NK 1225 35P/Herschel-Rigollet”. 中野主一 (2005年10月6日). 2022年1月22日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]


前の彗星
ガイル彗星
周期彗星
ハーシェル・リゴレー彗星
次の彗星
ホイップル彗星