ハヌノオ文字 (Unicodeのブロック)

ハヌノオ文字 (Unicodeのブロック)
	Hanunoo
範囲	U+1720..U+173F; (32 個の符号位置)
面	基本多言語面
用字	ハヌノオ文字
主な言語・文字体系	ハヌノオ語;
割当済	23 個の符号位置
未使用	9 個の保留
Unicodeのバージョン履歴
3.2	23 (+23)
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ハヌノオ文字（ハヌノオもじ、英語: Hanunoo）は、Unicodeの46個目のブロック。

解説

フィリピンのミンドロ島で話されるハヌノオ語（英語版）を表記するためのハヌノオ文字を収録している。

ハヌノオ文字はデーヴァナーガリーなどと同様に、ブラーフミー文字から派生した所謂ブラーフミー系文字（インド系文字）の一つであり、音素文字のうち、子音字に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。書字方向はラテン文字などと同様に左から右へ横書き（左横書き）する。分かち書きは原則しない。

符号位置の順序はおおむね伝統的なブラーフミー系文字の順序に従っている。

Unicodeのバージョン3.2において初めて追加された。

収録文字

コード	文字	文字名（英語）	用例・説明	ラテン文字転写
独立母音字
U+1720	ᜠ	HANUNOO LETTER A	母音[a]を表す。	a
U+1721	ᜡ	HANUNOO LETTER I	母音[i]または[e]を表す。	i/e
U+1722	ᜢ	HANUNOO LETTER U	母音[u]または[o]を表す。	u/o
子音字
U+1723	ᜣ	HANUNOO LETTER KA	子音[k]を表す。	k
U+1724	ᜤ	HANUNOO LETTER GA	子音[ɡ]を表す。	g
U+1725	ᜥ	HANUNOO LETTER NGA	子音[ŋ]を表す。	ng
U+1726	ᜦ	HANUNOO LETTER TA	子音[t]を表す。	t
U+1727	ᜧ	HANUNOO LETTER DA	子音[d]を表す。	d
U+1728	ᜨ	HANUNOO LETTER NA	子音[n]を表す。	n
U+1729	ᜩ	HANUNOO LETTER PA	子音[p]を表す。	p
U+172A	ᜪ	HANUNOO LETTER BA	子音[b]を表す。	b
U+172B	ᜫ	HANUNOO LETTER MA	子音[m]を表す。	m
U+172C	ᜬ	HANUNOO LETTER YA	子音[j]を表す。	y
U+172D	ᜭ	HANUNOO LETTER RA	子音[r]を表す。	r
U+172E	ᜮ	HANUNOO LETTER LA	子音[l]を表す。	l
U+172F	ᜯ	HANUNOO LETTER WA	子音[w]を表す。	w
U+1730	ᜰ	HANUNOO LETTER SA	子音[s]を表す。	s
U+1731	ᜱ	HANUNOO LETTER HA	子音[h]を表す。	h
従属母音記号
U+1732	ᜲ	HANUNOO VOWEL SIGN I	母音[i]または[e]を表す。	i/e
U+1733	ᜳ	HANUNOO VOWEL SIGN U	母音[u]または[o]を表す。	u/o
ヴィラーマ
U+1734	᜴	HANUNOO SIGN PAMUDPOD	殺母音記号。母音/-a/を発音せず子音のみが読まれることを表す。
フィリピン諸文字体系用一般句読点
U+1735	᜵	PHILIPPINE SINGLE PUNCTUATION	フィリピンの諸文字体系における句点。ハヌノオ文字だけでなく、他のフィリピンの文字体系（タガログ文字、ブヒッド文字、タグバヌワ文字）においても使用されることが想定されている。	.
U+1736	᜶	PHILIPPINE DOUBLE PUNCTUATION	段落の終わり、或いは韻文においてスタンザ（詩節）の終わりを表す。ハヌノオ文字だけでなく、他のフィリピンの文字体系（タガログ文字、ブヒッド文字、タグバヌワ文字）においても使用されることが想定されている。

小分類

このブロックの小分類は「独立母音字」（Independent vowels）、「子音字」（Consonants）、「従属母音記号」（Dependent vowel signs）、「ヴィラーマ」（Virama）、「フィリピン諸文字体系用一般句読点」（Generic punctuation for Philippine scripts）の5つとなっている^[1]。

独立母音字（Independent vowels）

この小分類にはハヌノオ文字のうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。

子音字（Consonants）

この小分類にはハヌノオ文字のうち、基本的な子音字が収録されている。

従属母音記号（Dependent vowel signs）

この小分類にはハヌノオ文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。

ヴィラーマ（Virama）

この小分類にはハヌノオ文字のうち、pamudpodと呼ばれる、子音字の持つ暗黙の母音/-a/を読まずに子音のみを発音することを表す記号１つのみが収録されている。

なお小分類名の「ヴィラーマ(virama)」とはデーヴァナーガリーにおける同様の機能を持つ記号の名称である。

フィリピン諸文字体系用一般句読点（Generic punctuation for Philippine scripts）

この小分類には句読点などの約物類が収録されている。

ハヌノオ文字だけでなく、他のフィリピンの文字体系（タガログ文字、ブヒッド文字、タグバヌワ文字）においても使用されることが想定されている。

文字コード

ハヌノオ文字(Hanunoo)^[1] Official Unicode Consortium code chart (PDF)
	0	1	2	3	4	5	6	7	8	9	A	B	C	D	E	F
U+172x	ᜠ	ᜡ	ᜢ	ᜣ	ᜤ	ᜥ	ᜦ	ᜧ	ᜨ	ᜩ	ᜪ	ᜫ	ᜬ	ᜭ	ᜮ	ᜯ
U+173x	ᜰ	ᜱ	ᜲ	ᜳ	᜴	᜵	᜶
注釈 1.^バージョン15.1時点

履歴

以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

バージョン	コードポイント^[a]	文字数	L2 ID	ドキュメント
3.2	U+1720..1736	23	L2/00-097	Takayuki K. Sato (22 February 2000), Philippino characters (status report) (英語)
3.2	U+1720..1736	23	L2/00-357	Michael Everson (16 October 2000), New draft for Philippine script with block introduction (英語)
^ 提案されたコードポイントと文字の名前は、最終決定と異なる場合がある。

出典

^ "The Unicode Standard, Version 15.1 - U1720.pdf" (PDF). The Unicode Standard (英語). 2024年10月14日閲覧。

解説