ハッサン・シェイク・モハムド
ハッサン・シェイク・モハムド حسن شيخ محمود | |
ハッサン・シェイク・モハムド(2013年)
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任期 | 2022年5月23日 – |
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首相 | モハメド・フセイン・ローブル ハムザ・アブディ・バーレ |
任期 | 2012年9月10日 – 2017年2月16日 |
首相 | アブディウェリ・モハメド・アリ アブディ・ファラ・シルドン アブディウェリ・シェイハ・アフメド・モハメド オマル・アブディラシド・アリ・シルマルケ |
初代 平和開発党議長 | |
任期 | 2011年4月20日 – |
出生 | 1955年11月29日(68歳) イタリア信託統治領ソマリア、ヒラーン州ジャラクシ |
政党 | 無所属 (2011年まで) 平和開発党 (2018年まで) 平和開発連合党 (2018年から) |
出身校 | ソマリ国立大学 バルカトゥラー大学 |
宗教 | イスラム教 |
署名 |
ハッサン・シェイク・モハマド(ソマリ語: Xasan Sheekh Maxamuud, アラビア語: الشيخ حسن محمود, ラテン文字転写: Hassan Sheikh Mohamud, 1955年11月29日 - )は、ソマリアの政治家。現在、2回目の同国大統領。前職はソマリアの大学教授・学部長[1]。既婚であり、子供もいる[2]。ソマリ語の他、英語も話せる[3]。
経歴
[編集]ソマリア内戦まで
[編集]1955年、ソマリアヒラーン州の小さな農村ジャラクシに生まれた[4]。出身氏族はハウィエのアブガール支族[5]。基礎教育とイスラーム教の素養を出身地で得ている[4]。
1978年、ソマリアの首都モガディシュに移り、ソマリ国立大学で工学を学び、1981年に卒業した[4][2]。同年、ソマリ国立大学の教授職を得ている[6]。1986年にインドのボーパールにあるボーパール大学(現バルカトゥラー大学)に移り、1988年に工学で修士号を取得した[2]。
ソマリア内戦後
[編集]モハムドは1990年代にソマリア内戦が始まってからもソマリアに留まり、NGO、国際連合組織、平和や開発のプロジェクトなどのコンサルタントとして活動している[6]。1993年から1995年には、ソマリア中部・南部でユニセフの教育担当を務めている。1999年には首都モガディシュのソマリ経営管理開発学校 (SIMAD) の設立にも関わっており、2010年に学部長となっている[3]。
ムスリム同胞団のソマリア支部であるアル・イスラーともつながりを持つ[6]。アル・イスラーと共同で、小中学校や大学、研究医療施設の建設などの慈善事業や、奨学金の提供などに従事している[4] 。
大統領になる数年前からソマリアの政界に入り、平和開発党 (PDP) を設立した[3]。PDPは2011年4月、モハムドを任期3年の議長に、満場一致で選出している[7]。2012年8月、ソマリア暫定議会の議員 (MP) に選ばれている[6]。
ソマリア大統領
[編集]2012年9月10日、ソマリア議会は大統領選挙において、モハムドを大統領に選出した[8]。ソマリアで、国際的に認められた大統領が誕生したのは、21年ぶりのことである[9]。
大統領選挙の1次投票では前暫定大統領のシェイク・シャリフ・シェイク・アフマドが64票で1位、モハムドは60票で2位、暫定首相のアブディウェリ・モハメド・アリが32票で3位だった[10]。2次投票ではモハムド190票、アフマド79票となり、モハムドが過半数票を得て勝利した[5][11]。
モハムドは就任演説で、ソマリアの民衆、暫定議会、他の候補者に感謝の意を述べている。また、ソマリア内戦終結後のソマリア再建を行い、国際社会との連携を深めるとの声明も出している[5]。一方、前大統領のアフメドは、モハムドの勝利に祝辞を述べ、協力を表明した[5]。首相のアリは、この選挙がソマリア新時代の幕開けであると宣言した[12]。また、プントランド(ソマリア内の事実上の独立地域で最大勢力の一つ)の大統領アブドゥルラフマン・モハムード・ファロレは、モハムド、ソマリア国民、その他ソマリア暫定政権終了のロードマップに携わった全ての人に対し、感謝の意を述べている[5]。
モハムドの大統領就任は、国際社会にも認められている。国際連合のソマリア担当特使オーガスティン・マヒガは、この選挙はソマリアの平和と繁栄に向けての大きな前進であることを世界に示した、と述べた。また、アフリカ連合のソマリア部会も、選挙の実施を歓迎し、新大統領を支持する旨を表明した[13]。イギリスの首相デーヴィッド・キャメロンやEUの外務長官キャサリン・アシュトンも、選挙の実施は重要な業績であるとの祝辞を述べている[6]。アメリカ合衆国連邦政府もモハムドの大統領選出を祝うプレスリリースを発表し、この選挙がソマリアの人々にとって重要な一歩であり、ソマリア政府に協力する旨を述べた[14]。アラブ首長国連邦の大統領ハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンも祝辞を送っている[15]。日本の外務省も、モハムドの大統領選出に歓迎の意を述べている[16]。
なお、ソマリア中南部で活動する最大のイスラーム武装勢力アル・シャバブは、新大統領選出を快く思っておらず、大統領選の2日後に、モハムドが宿泊するホテルに自爆テロを仕掛け、モハムドは無事だったものの犯人を含む2名が死亡している[17]。
2017年2月8日に行われた大統領選挙に立候補したが、落選した(モハメド・アブドゥライ・モハメドが当選)[20][21]。
2022年5月15日に連邦議会で執行された大統領選挙に立候補し、第1回目投票で52票[22]、第2回目投票にて110票[23]、決選投票では214票を獲得し、110票にとどまった現職のモハメド・アブドゥライ・モハメドを下し当選した[24][25]。同年5月23日に正式に大統領就任[26]。 6月15日、新首相に元ジュバランド選挙管理委員長のハムザ・アブディ・バーレを指名した[27]。
参考文献
[編集]- ^ “Mohamud elected new Somalia president”. AFP. (10 September 2012) 10 September 2012閲覧。
- ^ a b c “Hassan Sheikh Mohamud - Resume”. Raxanreeb. 2012年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月15日閲覧。
- ^ a b c Mohamed, Mahmoud (17 August 2012). “Profiles of Somalia's top presidential candidates”. Sabahi 21 August 2012閲覧。
- ^ a b c d “Profile of Somalia's Newly-Elected President”. Dissident Nation. (11 September 2012). オリジナルの2013年8月12日時点におけるアーカイブ。 13 September 2012閲覧。
- ^ a b c d e “Somalia Federal Parliament elects Hassan Sheikh Mohamud as President”. Garowe Online. (10 September 2012). オリジナルの2012年9月13日時点におけるアーカイブ。 10 September 2012閲覧。
- ^ a b c d e “Somali election of Hassan Sheikh a 'great step'”. BBC. (11 September 2012) 11 September 2012閲覧。
- ^ Willy, Nasongo (20 April 2011). “Somalia: new independent political party leader”. Alshahid. オリジナルの2013年8月12日時点におけるアーカイブ。 10 September 2012閲覧。
- ^ “Somali lawmakers elect Mohamud as next president”. Reuters. 10 September 2012閲覧。
- ^ CNN (2012年9月11日). “ソマリア大統領にモハムド氏選出、21年ぶりの安定政府樹立へ”. 2012年9月17日閲覧。
- ^ “Somalia: Sheikh Sharif vs Newcomer Sheikh Mahamoud in Final Round of Presidential Elections”. Garowe Online. (10 September) 10 September 2012閲覧。
- ^ “ソマリア新大統領に学者出身のモハムド氏” (2012年9月11日). 2012年9月17日閲覧。
- ^ “Two explosions rock Somali hotel where newly elected president was holding news conference”. Reuters. (12 September 2012) 13 September 2012閲覧。
- ^ “Somalia's President-elect widely hailed”. Xinhua. (11 September 2012) 11 September 2012閲覧。
- ^ United States Press Secretary. “U.S. congratulates Hassan Sheikh Mohamud on becoming Somalia’s new president”. Horseed Media. 11 September 2012閲覧。
- ^ “President, VP and Mohammed bin Zayed greet Somali President”. Khaleej Times. (11 September 2012) 11 September 2012閲覧。
- ^ “ソマリア情勢(新大統領選出について)” (2012年9月11日). 2012年9月17日閲覧。
- ^ BBC (2012年9月12日). “Somali President Mohamud's hotel targeted by bombers”. 2012年9月17日閲覧。
- ^ 東京新聞2014年3月14日朝刊
- ^ “首相動静―3月13日”. 朝日新聞. (2014年3月13日) 2014年6月2日閲覧。
- ^ “ソマリアで大統領選=現職ら出馬、テロ警戒” (2017年2月8日). 2017年2月11日閲覧。
- ^ “ソマリア連邦共和国大統領選挙の結果について(外務報道官談話)”. 外務省 (2017年2月10日). 2017年2月11日閲覧。
- ^ “Somalia election: 32 candidates edged out, four proceed to second round”. The East African. (2022年5月15日) 2022年5月16日閲覧。
- ^ “Farmaajo y el expresidente Mohamud disputan la votación presidencial somalí”. Swissinfo. (2022年5月15日) 2022年5月16日閲覧。
- ^ “Hassan Cheikh Mohamoud élu président”. L'Orient-Le Jour. (2022年5月15日) 2022年5月16日閲覧。
- ^ “Somalia's new president elected by 327 people”. BBC News. BBC. (2022年5月16日) 2022年5月16日閲覧。
- ^ “Somalia's new president officially takes charge of the country”. アフリカニュース. (2022年5月23日) 2022年5月26日閲覧。
- ^ “Somali president nominates Hamza Abdi Barre as prime minister”. Al Jazeera English. アルジャジーラ. (2022年6月15日) 2022年6月16日閲覧。
外部リンク
[編集]- SIMAD University
- Hassan Sheikh Mohamud - Resume
- ハッサン ソマリア大統領 2014.3.12 - YouTube - 日本記者クラブでの会見(2014年3月12日 16:00~17:00)、発言は英語、日本語の通訳つき
公職 | ||
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先代 モハメド・アブドゥライ・モハメド |
ソマリア大統領 第10代:2022年 - |
次代 (現職) |
先代 モハメド・オスマン・ジャワリ (代理) |
ソマリア大統領 第8代:2012年 - 2017年 |
次代 モハメド・アブドゥライ・モハメド |