コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ハタダーゲ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハタダーゲ
シンハラ語: හැටදාගේ
ハタダーゲの3体の仏像
ハタダーゲの位置(南アジア内)
ハタダーゲ
南アジアにおける位置
ハタダーゲの位置(スリランカ内)
ハタダーゲ
ハタダーゲ (スリランカ)
基本情報
座標 北緯7度56分52秒 東経81度00分06秒 / 北緯7.94774度 東経81.00153度 / 7.94774; 81.00153座標: 北緯7度56分52秒 東経81度00分06秒 / 北緯7.94774度 東経81.00153度 / 7.94774; 81.00153
宗教 仏教
スリランカ
建設
創設者 ニッサンカ・マッラ
完成 12世紀
テンプレートを表示

ハタダーゲシンハラ語: හැටදාගේ、英: Hatadage )は、スリランカ北中部州にあるポロンナルワニッサンカ・マッラ(在位1187年–1196年)が仏歯[注 1]を安置するために建立した仏教寺院の史跡である。建築に用いられた石材とレンガ、木材のうち、レンガと石材を使った壁のみが現存している。元は2階建て構造であったとみられるが、上層階は失われている。花崗岩から彫り出された3体の仏像が寺院の一室に安置されている。

所在地

[編集]

ハタダーゲは、仏教遺跡が集まっているポロンナルワのダラダ・マルワ(シンハラ語: දළදා මලුව、クアドラングル[注 2])内の北側にある[2]。入口は南側にあり、ワタダーゲの入口と向き合う形になっている。東側の近い場所にはガルポタ石碑、西側にはアタダーゲがある[3]

建立と名称

[編集]

ハタダーゲは、仏歯を祭る寺院として、ニッサンカ・マッラによって建立された[4]。史書『王統譜英語版』(Rajaveliya)や『供養譜英語版』(Poojavaliya)、ガルポタの碑文などには、ハタダーゲが60時間で建てられたとの記述がある。シンハラ語hata は数字の60、dage は聖遺物を納める場所を意味するため、これがハタダーゲの名称の元になった可能性がある。他に、60の遺物が納められたことが名前の由来とする異説もある[5]。仏歯の安置場所は2階であったと考えられる[6]

構造

[編集]
中央の立像

ハタダーゲは奥行き120フィート (37 m)、幅90フィート (27 m)の石壁に囲まれている。彫刻が施された石の門が南側に設けられており、門をくぐると石畳の前庭に出る。本殿への入口は手前の足下にムーンストーンがあり、両側に一対の石像が置かれている。正門を入ってすぐ右手(東側)にも小さな出入口がある[7]

本堂は上部が木造で瓦葺きの屋根があったが[8]、現存するのは壁のみである。壁はレンガ造りで、外壁は石板で覆われている。正門を入るとそこは奥行き27フィート (8.2 m)、幅21フィート (6.4 m)の小部屋になっている。部屋の壁は基部に蓮華と獅子の模様が施されている。この小部屋には6本の石柱と上層階に通じる階段がある。小部屋の奥が内陣にあたる部屋で、奥行きと幅がともに35フィート (11 m)の正方形となっており、窓が4つある。元は16本の石柱があったが、3本しか残っていない。部屋の中央に、花崗岩から彫られた3体の仏像が立っている。いずれも部分的な損傷が見られる。中央の仏像が高さ9フィート (2.7 m)、両脇の像はともに7.5フィート (2.3 m)である[9]

3D記録

[編集]

2019年には、ケープタウン大学南アフリカ)の研究グループが主導するザマニ・プロジェクトによって、現地の3D記録が作成された[10]

脚注

[編集]

[編集]
  1. ^ 仏歯(釈迦の歯、仏牙ともいう)は、4世紀にインドからスリランカに将来して以降、王権の象徴であった。遷都の度に「ダラダ・マリガワ」(仏歯の宮殿、仏歯寺)が新たに作られ、そこに仏歯が祭られた[1]
  2. ^ 英語でSacred Quadrangle、または単にQuadrangle。ポロンナルワで遺跡群が集中しているエリア。

出典

[編集]
  1. ^ 新アジア仏教史 04 静と動の仏教. 佼成出版社. (2011). p. 127. ISBN 9784333024322 
  2. ^ Dalada Maluwa at Kingdom of Polonnaruwa, (2013), https://amazinglanka.com/wp/dalada-maluwa/ 20 November 2022閲覧。 
  3. ^ Prematilleke, P. L.; Karunaratne, L. K. (2004). Polonnaruwa – The Silver Capital of Sri Lanka. Colombo: Central Cultural Fund, Ministry of Cultural Affairs. p. 12. ISBN 955-613-111-6. https://archive.org/details/sigiriyacitypala0000band/page/12 
  4. ^ Siriweera, W. I. (2004). History of Sri Lanka. Dayawansa Jayakodi & Company. p. 60. ISBN 955-551-257-4 
  5. ^ Amarasinghe, Malinga (1998) (Sinhala). පොළොන්නරුවේ නටබුන් (The Ruins of Polonnaruwa). S. Godage & Brothers. pp. 64–66. ISBN 955-20-3051-X 
  6. ^ Soni, Sujata (1991). Evolution of stupas in Burma: Pagan period, 11th to 13th centuries A.D.. Motilal Banarsidass Publishers. p. 56. ISBN 978-81-208-0626-9. https://books.google.com/books?id=BjfxnBFfskMC&pg=PA56 
  7. ^ Amarasinghe, Malinga (1998) (Sinhala). පොළොන්නරුවේ නටබුන් (The Ruins of Polonnaruwa). S. Godage & Brothers. pp. 64–66. ISBN 955-20-3051-X 
  8. ^ Bandaranayake, Senake (1974). Sinhalese monastic architecture: the viháras of Anurádhapura. Brill. p. 366. ISBN 978-90-04-03992-6. https://books.google.com/books?id=tJM3AAAAIAAJ&pg=PA366 
  9. ^ Amarasinghe, Malinga (1998) (Sinhala). පොළොන්නරුවේ නටබුන් (The Ruins of Polonnaruwa). S. Godage & Brothers. pp. 64–66. ISBN 955-20-3051-X 
  10. ^ Site - Polonnaruwa”. zamaniproject.org. 2022年11月24日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]