ハイビャクシン
ハイビャクシン | ||||||||||||||||||||||||||||||
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1. ハイビャクシン
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保全状況評価[1][注 1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Juniperus chinensis L. var. procumbens Siebold ex Endl. (1847)[6] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ハイビャクシン[7][8]、ソナレ[7]、イワダレネズ[7] | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
creeping juniper[1] |
ハイビャクシン(這柏槙[7]、学名: Juniperus chinensis var. procumbens)は、ヒノキ科ビャクシン属(ネズミサシ属)イブキの1変種である。別変種であるミヤマビャクシンの海岸型とすることや、独立種とすることがある[6][9][10]。別名はソナレ(磯馴[11])、イワダレネズ(岩垂杜松)。匍匐性の常緑低木であり、葉はふつう針葉、対馬、壱岐などの島嶼の海岸に分布する。古くから庭園などに植栽されている。
特徴
[編集]匍匐性の常緑低木であり、幹や枝は地を這って広がり、高さ大きくても70センチメートル (cm) ほど、ときに崖から垂れ下がる[7][8][11][9]。枝先のみが上を向く[10](図1, 2)。葉はふつう針葉で長さ6–8ミリメートル (mm)、先は鋭く尖り、3輪生または十字対生する[7][8][11][9](図1, 2)。老木では稀に鱗片葉をつける[7][11]。球果は液果状の漿質球果、基準変種よりやや大きく、直径 8–9 mm[7][8][9]。
分布
[編集]福岡県(沖ノ島[注 3])、佐賀県(馬渡島)、長崎県(五島列島美良島、壱岐、対馬)、韓国の大黒山島に分布し、海岸の砂地または崖に分布する[8][11][13]。ときに大きな群落を形成する[13]。
保全状況評価
[編集]日本全体としては絶滅危惧等の指定はないが、福岡県、佐賀県のレッドリストでは絶滅危惧I類(統一カテゴリ名)の指定を受けている(2023年現在)[14]。また山形県で絶滅危惧I類、岩手県で準絶滅危惧の指定も受けているが[14]、一般的にこれらの地域はハイビャクシンの分布域とはされていない[7][8]。
人間との関わり
[編集]庭園のグランドカバーとして植栽される[8][13][11]。盆栽仕立てや日本庭園にも使われる[15]。海岸近くに生えることから、潮風や砂地に強い性質で、挿し木でも殖やすことができる[15]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b Farjon, A. & Carter, G. (2013年). “Juniperus procumbens”. The IUCN Red List of Threatened Species 2009. IUCN. 2024年1月3日閲覧。
- ^ Stevens, P. F. (2001 onwards). “Cupressales”. Angiosperm Phylogeny Website. 2023年2月20日閲覧。
- ^ 米倉浩司・邑田仁 (2013). 維管束植物分類表. 北隆館. p. 44. ISBN 978-4832609754
- ^ 大場秀章 (2009). 植物分類表. アボック社. p. 18. ISBN 978-4900358614
- ^ Adams, R. P. & Schwarzbach, A. E. (2012). “Taxonomy of the multi-seeded, entire leaf taxa of Juniperus section Sabina: Sequence analysis of nrDNA and four cpDNA regions”. Phytologia 94 (3): 350-368 .
- ^ a b c d e “Juniperus procumbens”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2024年1月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 中川重年 (2000). “ハイビャクシン”. 樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物. 山と渓谷社. pp. 642–643. ISBN 978-4635070058
- ^ a b c d e f g 大橋広好 (2015). “イブキ”. In 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編). 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. pp. 39–40. ISBN 978-4582535310
- ^ a b c d “Juniperus procumbens”. The Gymnosperm Database. 2024年1月4日閲覧。
- ^ a b 大澤毅守 (1997). “ビャクシン”. 週刊朝日百科 植物の世界 11. pp. 194–196. ISBN 9784023800106
- ^ a b c d e f 「ハイビャクシン」『日本大百科全書(ニッポニカ)』 。コトバンクより2024年1月3日閲覧。
- ^ “ハイビャクシン”. 福岡県の希少野生生物. 福岡県. 2024年1月3日閲覧。
- ^ a b c 中川重年 (1994). “ハイビャクシン”. 検索入門 針葉樹. 保育社. pp. 64–65. ISBN 978-4586310395
- ^ a b “ハイビャクシン”. 日本のレッドデータ 検索システム. 2024年1月3日閲覧。
- ^ a b 辻井達一『日本の樹木』中央公論社〈中公新書〉、1995年4月25日、57頁。ISBN 4-12-101238-0。