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ハイノサウルス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハイノサウルス
ティロサウルス
頭骨
地質時代
後期白亜紀マーストリヒチアン,70.6–68 Ma
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
: 有鱗目 Squamata
亜目 : トカゲ亜目 Lacertilia
: モササウルス科 Mosasauridae
亜科 : ティロサウルス亜科 Tylosaurinae
: ハイノサウルス属 Hainosaurus
学名
Hainosaurus
Dollo, 1885
  • H. bernardi Dollo, 1885 (模式種)
  • H. newmilleri Martin, 2007

ハイノサウルス学名Hainosaurus)は後期白亜紀のウミトカゲののひとつ。最大級のウミトカゲのひとつだが、その推定全長は何度か計算がやり直されてきた。最初は約17メートルと推定され史上最大のウミトカゲであると言われたが[1]、1990年代には15メートル[2]、2005年には Johan Lindgren による推定で12.2メートル以上とされた[3]。当時の海の頂点捕食者であり、他の大型ウミトカゲと同様にウミガメ首長竜翼竜頭足類サメ硬骨魚類、より小さなウミトカゲなどを捕食していた。化石はヨーロッパから産出しているが、アジアからもそれらしきものが報告されている。属名は最初に化石が見つかったベルギーのエノー州にちなむ。

H. pembinensis の化石はカナダマニトバ州の後期白亜紀 Pierre 頁岩で1988年に発見された。本種は尾の前方に夥しい数の椎骨を持つこと、上腕骨に対する大腿骨の比率が大きいこと、外鼻孔が大きいことからティロサウルスと区別された。しかし、2008年の研究で本種には問題があると結論付けられ、T. pembinensis としてティロサウルス属に再分類された[4]。同様に、2007年にマーティンが記載した Hainosaurus neumilleri はティロサウルス属の疑問名とされた[5]

復原図

分類

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ハイノサウルスはティロサウルス亜科の属であり、当時の北アメリカに分布していたティロサウルスに近縁である。しかし脊椎骨はティロサウルスの35個に対してハイノサウルスは53個存在しており、ティロサウルスよりも18個多い。腰椎はティロサウルスのそれよりも短い。模式種はハイノサウルス・ベルナルディ H. bernardiで、ベルギーの石灰燐の権威で本種の発見者であるレオポルド・ベルナルド Léopold Bernard への献名である[6]

2016年の論文では、ハイノサウルスはティロサウルスと同属であると判断された[7]

出典

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  1. ^ Russell, D. A. 1967. Systematics and morphology of American mosasaurs (Reptilia, Sauria). Yale Univ. Bull 23:241. pp.
  2. ^ Lingham-Soliar, T. 1998. Unusual death of a Cretaceous giant. Lethaia 31:308–310.
  3. ^ Johan Lindgren (2005) The first record of Hainosaurus (Reptilia: Mosasauridae) from Sweden. Journal of Paleontology: Vol. 79, No. 6, pp. 1157–1165
  4. ^ Bullard, T. S.; Caldwell, M. W. (2008). “Redescription and rediagnosis of the tylosaurine mosasaur Hainosaurus pembinensis Nicholls, 1988, as Tylosaurus pembinensis (Nicholls, 1988)”. Journal of Vertebrate Paleontology (2): 416–426. doi:10.1080/02724631003621870. 
  5. ^ PA Jiménez-Huidobro, 2016. Phylogenetic and Palaeobiogeographical Analysis of Tylosaurinae (Squamata: Mosasauroidea). University of Alberta, Ph.D dissertation.
  6. ^ Dollo, L., 1891. La vie au sein des mers. Paris, Librairie J.B. Baillière et Fil
  7. ^ Paulina Jimenez-huidobro and Michael W. Caldwell (2016). "Reassessment and reassignment of the early Maastrichtian mosasaur Hainosaurus bernardi Dollo, 1885, to Tylosaurus Marsh, 1872". Journal of Vertebrate Paleontology. Online edition: e1096275. doi:10.1080/02724634.2016.1096275.