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ハイドンの宗教音楽一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

本項は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが作曲した、キリスト教音楽(声楽曲)作品の一覧である。ホーボーケン番号(Hob.)の分類では大体21番から23番に相当する。カノン(Hob. XXVII)についてはハイドンのカノン作品一覧を参照。

オラトリオ

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XXI 作品タイトル 作曲年代 備考
1 トビアの帰還 1775 イタリア語。1784年改訂
2 天地創造 1798 ドイツ語
3 四季 1801 ドイツ語

編曲

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Hob. 作品タイトル 作曲年代 備考
XX/2 十字架上のキリストの最後の7つの言葉 1795-1796 ドイツ語。1786年の管弦楽曲(Hob.XX/1)からの編曲

ミサ曲

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ミサ曲は前期の8曲(断片1曲、消失1曲)と晩年の1796年以降の6曲に分けられる。ヨーゼフ2世が1783年に管弦楽伴奏のミサ曲を禁止し、ヨーゼフ2世の没後はエステルハージ家から離れていたため、両者の間には14年のミサ曲を作曲しなかった空白期間がある。

XXII 作品タイトル 作曲年代 備考
1 ミサ・ブレヴィス ヘ長調
Missa brevis
1749? 1805年改訂
2 Missa ‘sunt bona mixta malis’ ニ短調 1768 オルガン通奏低音のみの伴奏、1983年に北アイルランドで自筆譜の断片が発見された。おそらく未完成という[1]
3 ロラーテ・ミサ ト長調
Missa Rorate coeli desuper
1748-1749? 消失。1957年発見された曲はおそらくこの曲と別で、別人の作の可能性が高い。
4 大オルガン・ミサ 変ホ長調
Missa in honorem Beatissimae Virginis Mariae
1768-1769
5 チェチリア・ミサ ハ長調
Missa Cellensis in honorem Beatissimae Virginis Mariae
1766
6 ニコライ・ミサ ト長調
Missa Sancti Nicolai
1772
7 小オルガン・ミサ 変ロ長調
Missa brevis Sancti Joannis de Deo
1777?
8 マリアツェル・ミサ ハ長調
Missa Cellensis
1782 ベネディクトゥスはオペラ『月の世界』からの転用
9 戦時のミサ ハ長調
Missa in Tempore Belli
1796 太鼓ミサとも
10 ハイリッヒ・ミサ 変ロ長調
Missa Sancti Bernardi von Offida
1796
11 ネルソン・ミサ ニ短調
Missa in anguistiis
1798
12 テレジア・ミサ 変ロ長調 1799
13 天地創造ミサ 変ロ長調 1801
14 ハルモニー・ミサ 変ロ長調 1802

その他の宗教音楽

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Hob. 作品タイトル 作曲年代 備考
XXbis スターバト・マーテル ト短調 1767? ラテン語。オラトリオにも分類される[2]
XXIVa:6 アプラウスス ハ長調 1768 ラテン語カンタータ。オラトリオにも分類される[2]
XXIIb:1 リベラ・メ ニ短調 1790? ラテン語レスポンソリウム。1966年発見。ニコラウス・ヨーゼフ・エステルハージ夫人マリー・エリザベトの葬儀のために作曲されたか[3]
XXIII.Nachtrag イギリス詩篇 1794-1795 英語、6曲。第6曲はカンツォネッタ「Pleasing Pain」(XXVIa:29)の転用
XXIIIa:1 オッフェルトリウム ニ短調
Non nobis, Domine
不明 ラテン語。無伴奏
XXIIIa:2 モテット(オッフェルトリウム)ハ長調
Animae Deo gratae ovantes jubilate
1760年代 ラテン語
XXIIIa:3 モテット(オッフェルトリウム)ト長調
Ens aeternum attende votis
1760年代 ラテン語
XXIIIa:4 聖テクラのモテット ハ長調
Quis stellae radius
1762? ラテン語。不明のカンタータからの編曲という[4]
XXIIIb:1 サルヴェ・レジナ ホ長調 1756? ラテン語。別人の作の疑いあり。
XXIIIb:2 サルヴェ・レジナ ト短調 1771 ラテン語
XXIIIb:3 アヴェ・レジナ イ長調 1750年代 ラテン語
XXIIIb:4 サルヴェ・レジナ 変ホ長調 1773以前 ラテン語。真偽不明曲。
XXIIIc:1 テ・デウム ハ長調 1764? ラテン語
XXIIIc:2 テ・デウム ハ長調 1798-1800 ラテン語。フランツ2世皇后マリア・テレジアのために作曲されたと伝えられる[5]
XXIIIc:3 アレルヤ ト長調 1768-1769? ラテン語
XXIIIc:4 ラウダ・シオン
Responsoria de venerabili Sacramento
1765-1769? ラテン語、4曲。1964年発見。
XXIIIc:5 ラウダ・シオン
Hymnus/Motetto de venerabili Sacramento
1750年代 ラテン語、4曲
XXIIId:1 Ein' Magd, ein' Dienerin 1770年代 ドイツ語待降節カンティレーナ
XXIIId:2 Mutter Gottes, mir erlaube 1770年代 ドイツ語待降節カンティレーナ
XXIIId:3 Herst Nechbä, hä sag mä 1768-1770 ドイツ語パストレラ。ピアノ三重奏曲(Hob.XV:31)の第1楽章に転用。
XXIIId:G1 Ei, wer hätt' ihm das Ding gedenkt 1764以前 ドイツ語パストレラ。別人の作か[6]

ほかに編曲作品があるが、ハイドン本人によるものかどうか不明なものが多いため省略する。

脚注

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  1. ^ David Wyn Jones, ed (1996). Music in eighteenth-century Austria. Cambridge University Press. p. 89. ISBN 0521028590 
  2. ^ a b Larsen (1982) pp.128-129
  3. ^ 大宮(1981) pp.221-222
  4. ^ 大宮(1981) 表p.43
  5. ^ 大宮(1981) p.221
  6. ^ Larsen (1982) p.127

参考文献

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