ハイドンの宗教音楽一覧
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本項は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが作曲した、キリスト教音楽(声楽曲)作品の一覧である。ホーボーケン番号(Hob.)の分類では大体21番から23番に相当する。カノン(Hob. XXVII)についてはハイドンのカノン作品一覧を参照。
オラトリオ
[編集]XXI | 作品タイトル | 作曲年代 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | トビアの帰還 | 1775 | イタリア語。1784年改訂 |
2 | 天地創造 | 1798 | ドイツ語 |
3 | 四季 | 1801 | ドイツ語 |
編曲
[編集]Hob. | 作品タイトル | 作曲年代 | 備考 |
---|---|---|---|
XX/2 | 十字架上のキリストの最後の7つの言葉 | 1795-1796 | ドイツ語。1786年の管弦楽曲(Hob.XX/1)からの編曲 |
ミサ曲
[編集]ミサ曲は前期の8曲(断片1曲、消失1曲)と晩年の1796年以降の6曲に分けられる。ヨーゼフ2世が1783年に管弦楽伴奏のミサ曲を禁止し、ヨーゼフ2世の没後はエステルハージ家から離れていたため、両者の間には14年のミサ曲を作曲しなかった空白期間がある。
XXII | 作品タイトル | 作曲年代 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | ミサ・ブレヴィス ヘ長調 Missa brevis |
1749? | 1805年改訂 |
2 | Missa ‘sunt bona mixta malis’ ニ短調 | 1768 | オルガン通奏低音のみの伴奏、1983年に北アイルランドで自筆譜の断片が発見された。おそらく未完成という[1]。 |
3 | ロラーテ・ミサ ト長調 Missa Rorate coeli desuper |
1748-1749? | 消失。1957年発見された曲はおそらくこの曲と別で、別人の作の可能性が高い。 |
4 | 大オルガン・ミサ 変ホ長調 Missa in honorem Beatissimae Virginis Mariae |
1768-1769 | |
5 | チェチリア・ミサ ハ長調 Missa Cellensis in honorem Beatissimae Virginis Mariae |
1766 | |
6 | ニコライ・ミサ ト長調 Missa Sancti Nicolai |
1772 | |
7 | 小オルガン・ミサ 変ロ長調 Missa brevis Sancti Joannis de Deo |
1777? | |
8 | マリアツェル・ミサ ハ長調 Missa Cellensis |
1782 | ベネディクトゥスはオペラ『月の世界』からの転用 |
9 | 戦時のミサ ハ長調 Missa in Tempore Belli |
1796 | 太鼓ミサとも |
10 | ハイリッヒ・ミサ 変ロ長調 Missa Sancti Bernardi von Offida |
1796 | |
11 | ネルソン・ミサ ニ短調 Missa in anguistiis |
1798 | |
12 | テレジア・ミサ 変ロ長調 | 1799 | |
13 | 天地創造ミサ 変ロ長調 | 1801 | |
14 | ハルモニー・ミサ 変ロ長調 | 1802 |
その他の宗教音楽
[編集]Hob. | 作品タイトル | 作曲年代 | 備考 |
---|---|---|---|
XXbis | スターバト・マーテル ト短調 | 1767? | ラテン語。オラトリオにも分類される[2] |
XXIVa:6 | アプラウスス ハ長調 | 1768 | ラテン語カンタータ。オラトリオにも分類される[2] |
XXIIb:1 | リベラ・メ ニ短調 | 1790? | ラテン語レスポンソリウム。1966年発見。ニコラウス・ヨーゼフ・エステルハージ夫人マリー・エリザベトの葬儀のために作曲されたか[3] |
XXIII.Nachtrag | イギリス詩篇 | 1794-1795 | 英語、6曲。第6曲はカンツォネッタ「Pleasing Pain」(XXVIa:29)の転用 |
XXIIIa:1 | オッフェルトリウム ニ短調 Non nobis, Domine |
不明 | ラテン語。無伴奏 |
XXIIIa:2 | モテット(オッフェルトリウム)ハ長調 Animae Deo gratae ovantes jubilate |
1760年代 | ラテン語 |
XXIIIa:3 | モテット(オッフェルトリウム)ト長調 Ens aeternum attende votis |
1760年代 | ラテン語 |
XXIIIa:4 | 聖テクラのモテット ハ長調 Quis stellae radius |
1762? | ラテン語。不明のカンタータからの編曲という[4] |
XXIIIb:1 | サルヴェ・レジナ ホ長調 | 1756? | ラテン語。別人の作の疑いあり。 |
XXIIIb:2 | サルヴェ・レジナ ト短調 | 1771 | ラテン語 |
XXIIIb:3 | アヴェ・レジナ イ長調 | 1750年代 | ラテン語 |
XXIIIb:4 | サルヴェ・レジナ 変ホ長調 | 1773以前 | ラテン語。真偽不明曲。 |
XXIIIc:1 | テ・デウム ハ長調 | 1764? | ラテン語 |
XXIIIc:2 | テ・デウム ハ長調 | 1798-1800 | ラテン語。フランツ2世皇后マリア・テレジアのために作曲されたと伝えられる[5] |
XXIIIc:3 | アレルヤ ト長調 | 1768-1769? | ラテン語 |
XXIIIc:4 | ラウダ・シオン Responsoria de venerabili Sacramento |
1765-1769? | ラテン語、4曲。1964年発見。 |
XXIIIc:5 | ラウダ・シオン Hymnus/Motetto de venerabili Sacramento |
1750年代 | ラテン語、4曲 |
XXIIId:1 | Ein' Magd, ein' Dienerin | 1770年代 | ドイツ語待降節カンティレーナ |
XXIIId:2 | Mutter Gottes, mir erlaube | 1770年代 | ドイツ語待降節カンティレーナ |
XXIIId:3 | Herst Nechbä, hä sag mä | 1768-1770 | ドイツ語パストレラ。ピアノ三重奏曲(Hob.XV:31)の第1楽章に転用。 |
XXIIId:G1 | Ei, wer hätt' ihm das Ding gedenkt | 1764以前 | ドイツ語パストレラ。別人の作か[6] |
ほかに編曲作品があるが、ハイドン本人によるものかどうか不明なものが多いため省略する。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 大宮真琴『新版 ハイドン』音楽之友社〈大作曲家 人と作品〉、1981年。ISBN 4276220025。
- Larsen, Jens Peter (1982) [1980]. The New Grove Haydn. Papermac. ISBN 0333341988