ノート:非定型精神病
以下の段は本文にあったものですが、Wikipediaの方針に合わない、と思ったので、ノートに移動しました。 日陰猫Joga 2005年8月18日 (木) 09:27 (UTC)
非定型精神病(atypische Psychose)という病名は、日本語圏でのみ通用するものだと思われます。昭和28年に、京都大学医学部精神医学教室の助教授から大阪医科大学精神科の初代教授に就任された満田久敏先生が、京都大学時代に、よく似た病像の患者さんが近親者に集積しているという事実から遺伝学的に疾患単位として抽出し、非定型精神病として命名、ドイツ語の論文として発表されたのが病名として今に残っています。DSM-III (Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)という米国精神医学会の研究用診断基準が発表されるまで、「箱根の山の東には非定型精神病は存在しない(東京大学の学派はその存在を認めない)」と冗談まじりにささやかれていたものです。病像は、急性精神病、周期性、病盛期の夢幻様体験、家族内集積、女性に多いなどの特徴があります。DSM-IV-TRでは分裂感情障害と分類されることが多いと思われます。クレペリンの三大精神病(躁鬱病・統合失調症・てんかん)の特徴を合わせ持ち、どのカテゴリーにもあてはまらないということで「非定型」と名付けられたようです。満田先生のあとは三重大学医学部精神科の鳩谷龍元教授、その後は京都大学精神医学教室の林拓二教授が第一人者ということになっています。これまでの研究成果は乏しくて非定型精神病が統合失調症とは病態生理学的に異なるものらしいということぐらいしかわかっていません。遺伝子マーカーを使った関連遺伝子の探索が大阪医科大学で試みられたという噂を聞いたことがありますが、学術論文としては発表されていないようです。