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ノート:軍法会議

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アメリカの「査問委員会」

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アメリカ軍では軍法会議の前に査問委員会があり、それが第一審に相当するという話ですが、本当でしょうか。英語版を読む限り、そういう手続については記述がありません。

強いて言えば、統一軍事法典32条のいう公判前の「調査(Investigation)」のことかとも思うのですが、それは裁判前に行われる捜査のことですから、第一審というのはおかしいと思います。ちなみに、英語版では、公判前の調査は通常の刑事裁判でいう大陪審(grand jury)の起訴判断に相当するプロセスであるとの旨があります。

また、英語版では公判前の調査の中でも重要なプロセスである聴聞(Article 32 Hearing)に関する単独記事があります。ここで弁論の機会があるから第一審という言葉が使われたのかもしれませんが、いずれにせよ、公判前の調査が第一審に相当するほどの機能を果たしているのだとすれば、その旨の出典が必要なはずです。調査が第一審で軍法会議が第二審というのは常識はずれの記述だと思います。


以下は、査問委員会=公判前の調査(特に聴聞会)という前提ですが、

「査問委員会で軍法会議で審議するほどの重大な事件では無いと判断された場合・・・には統一軍事裁判法第15条に基づいて懲戒処分にされる」

「査問委員会においても、原告・被告の司法取引が合意に至れば、査問委員会の決定によらずに処分が確定する」

公判前の調査は、そもそも一般軍法会議(略式ではない正式な軍法会議)にかける事件について要求されるものです(統一軍事法典32条)。一般軍法会議マターでも、32条調査を被疑者が省略すれば、聴聞会の機会はなくなるというのは正しいと思いますが、統一軍事法典15条によれば、同条のいう裁判によらない処罰(non-judicial punishment)を決定するのは軍法会議召集権限を持っている司令官ですから、「査問委員会」なるものが処罰を決定すると誤解するような記述は避けるべきではないでしょうか。


(現行の記述)

アメリカ軍では軍法会議の前に査問委員会が開かれて証拠集めや調書の作成などが行われる。査問委員会は第一審に相当するが裁判には当たらないため、陪審員は選出されない。査問委員会で軍法会議で審議するほどの重大な事件では無いと判断された場合(通常の刑法で不起訴処分に該当する)には統一軍事裁判法第15条に基づいて懲戒処分にされる場合が多い。えひめ丸事故では統一軍事裁判法第15条による減給処分のみで軍法会議は開かれていない。また、査問委員会においても、原告・被告の司法取引が合意に至れば、査問委員会の決定によらずに処分が確定する。

査問委員会で軍法会議にかけると決定が下されたときに、正式に軍法会議が開かれる。軍法会議は第二審に相当し正式の裁判に当たるため、軍人(階級は問わない)から陪審員が選出される(米国民は、陪審による裁判を受ける権利が憲法によって保証されているため)。

(ここまで)--G.a.parnassum会話2023年12月28日 (木) 13:12 (UTC)[返信]