ノート:皇太子妃
(公式)との記述について
[編集]非公式なら書く必要なないわけですし、「公式」との記述も不要かと思います。Pica 2006年11月25日 (土) 02:53 (UTC)
皇室典範第10条の「立后」
[編集]今般、どどふじ氏が本記事に編集参加され、その中で氏は、皇太子妃の皇后への昇格に際して皇室典範第10条の規定による皇室会議の議が必要で、場合によっては皇后となることが認められないことがあり得る、との趣旨の解釈を加筆されました。当方はこれは誤解であると考えます。現行の皇室典範第10条は次のとおりです。
- 第10条 立后及び皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する。
ここで、氏は、この「立后」という語が次の両方を含む、と解釈されたのではないかと拝察します。
- 未婚の天皇が成婚するケース(つまりある女性が皇太子妃などを経ずいきなり皇后となるケース)
- 既婚の皇太子が先帝崩御に伴い即位することにより、皇太子妃が皇后となるケース
1.は、既に即位した独身天皇の結婚を認めるかどうかの事例で、つまりは他の皇族男子の婚姻と同様であり、当然に皇室会議が必要と考えられます。したがって、この1.が第10条の「立后」に含まれることは当然であり、異論は全くありません。
しかし2.は、意味合いが全然違ってきます。皇太子妃が皇后になるケースということは、過去の成婚時に一度皇室会議の議を経ている皇太子妃に対し、皇后「昇格」の際に再度チェックを課すぞ、ということを意味します。皇室典範が、全くの新参皇后に対してのみならず、既に成婚して皇族である女性の皇后昇格まで審査制限をかけている、と解釈することになります。こう解釈することが妥当と思われますか。
大昔の皇室のように側室など夫人が複数あり、帝と女性との婚姻がただちに「立后」ではなかった=そのうちの一人だけが選ばれて中宮・皇后となった、というような時代であれば、「帝の夫人の皇后昇格選抜」もまさしく「立后」の一つであり、どどふじ氏の解釈は誤りではありません。実際、普通の国語辞典等で「立后」を調べるとそのように受け取れる表現もあります。そりゃそうです。国語辞典はそれこそ平安時代とかの立后なども念頭に入れて広汎な意味を解説しているのですから。
しかし、この皇室典範は日本国憲法とともに施行された法律です。側室のない、つまり複数の皇太子夫人から一人の皇后を選ぶ必要のない、皇太子妃がそのまま皇后となるのが当たり前の時代の法律です。この第10条の「立后」は上記1.のみを指す用語であると解釈するのが妥当です。
もし第10条に上記2.が含まれるとするならば、その議に不合格となった皇太子妃(あるは親王妃・王妃)をどう呼称するのか等々の対応処遇に関する条項がなければならないはずですが、そういう規定は全くありません。夫君は天皇、でも自分は皇后昇格否決、そういう場合に、その皇族女子を一体何と定義するのでしょうか。法令の解釈において、ある1条・ある1項だけを抜き出して論じるのは誤解の元です。ある用語について複数の解釈・定義が考えられるときは、その他の条項(場合によっては他の法令)なども参照し、それらと牴触しないような安定的な解釈をすることが大切です。この第10条の「立后」に上記1.だけでなく2.までが含まれると解釈する立場をとることは、先に述べた不合格皇后の処遇措置の欠落を生み出し、さらには、1.と2.という性質の違う「立后」を第10条第1項と第2項などに分けることなく一つの項で一緒くたに規定した、という立法時の杜撰さをも「新たに生み出す」ことになります。第11条から第14条までをご覧下さい。同じ皇籍離脱なのに各皇族方それぞれの地位・状況に分類して各条に分けて制定しています。なのに、同じ法律内で、「立后」だけ分化せずやっつけ仕事で第10条に放り込んだ、とお考えですか。法令案作成では法制局の審査なども経ており、そのような杜撰な状態がずっと放置されてきたとは考えにくいです。むしろ、第10条は上記1.プラス皇族男子の婚姻(早い話が天皇・皇族男子の婚姻)だけであって、皇后昇格審査など含まない、と考えた方がすっきりします。
一番の証拠を申し上げます。官報有料検索で、日本国憲法施行後の皇室会議の議の実施状況を調べました。皇室会議の実施については、官報の皇室事項の欄に掲載されるのですが、皇族男子の成婚6件(明仁親王、正仁親王、寬仁親王、憲仁親王、徳仁親王、文仁親王)の報告があるだけで、他のものはありません(というか開かれていません)。昭和天皇崩御に際し、皇太子明仁親王妃美智子殿下の皇后への陞位に関する皇室会議などは開かれてないのです。にもかかわらず皇后となっている。第10条の「立后」に上記2.が含まれているのであれば、絶対に開催・可決されたハズの皇室会議がなかったのです。これをどう説明されますか。繰り返します。歴史的な用語としての「立后」に大昔の既婚皇族女子の皇后昇格選抜が含まれていることは間違いではないでしょう。その限りではどどふじ氏あなたは間違っていません。しかし、現行皇室典範第10条に登場する現代法令用語としての「立后」にはそれは含まれない、そういうことなのです。--無言雀師 2007年4月2日 (月) 18:20 (UTC)