ノート:漁業
冒頭の解説について
突然の長文をお許し下さい。 現状では、「営利目的で魚介を捕獲・養殖する産業。」となってますが、この「営利目的で」の部分は不必要ではないでしょうか?
その理由は、「産業」とは、Wikipediaによると「生活に必要なものを生産・提供する経済活動。」、コトバンクの精選版 日本国語大辞典の解説では「①仕事。職業。なりわい。②近代における生産を目的とする事業。農林水産業、鉱工業、建設業など。」、同じくコトバンクのデジタル大辞泉の「産業」の解説では「①生活に必要な物的財貨・用役を生産する活動。(農林漁業、鉱業、製造業などの総称。)②仕事。職業。生業。なりわい。」とあり、総じてみると「生産活動、経済活動、仕事、職業」となり、生活の糧を得るため、つまり営利目的であるとが含まれています。つまり、「産業」であれば、ほとんどの場合、営利を目的としているので、わざわざ「営利目的」を書き足す必要はないと思われるからです。
現状の冒頭解説の出典は、コトバンクのブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「漁業」の解説「漁業(ぎょぎょう:fishery) 営利を目的として魚介類を捕獲,養殖する産業。漁場による分類としての・・・。」ですが、この解説はおそらく「fishery」「fishing」が元となっています。しかし、「fishery」「fishing」は日本語の「漁業」と違い、「遊漁」などを含んでいます。「recreational fishery」「recreational fishing」で正確に「趣味の釣り」「遊漁」を取り出して表せます。 つまり、英語では「fishery」「fishing」のみで「産業」としての意味だけを指すことは難しく、「趣味の釣り・遊漁」を取り除くために、「commercial fisheries」または「commercial fishing」と表記して、あえて「営利目的」の要素を入れる必要があるのです。一方、日本語の「漁業」は「産業」のひとつであり、もともと「趣味の釣り・遊漁」などは含まれていないので「営利目的」をわざわざ入れる必要ないと考えます。
また、同じ1次産業である「農業」「林業」の日本語版Wikipediaの解説には、「営利目的」の言葉は使われていません。英語版Wikipediaの「fishery」「agriculture」「forestry」の解説にも「営利目的」は使われていません。使われているのは日本語版Wikipediaの「漁業」と「水産業」の記事だけのようです。
最後に、日本は島国ですので、マリンレジャーは盛んで、釣りをした人は2019年で670万人(公益財団法人日本生産性本部、レジャー白書2020、)にものぼります。潮干狩りをする人も大変多く、「非営利」の「漁(釣り・貝掘り)」が多い事を意識し過ぎて、漁業の解説に「営利目的」という言葉を入れてしまったのでしょうか?「産業」の言葉だけで十分ではないでしょうか?
以上の理由で、営利目的であることが必要以上に強調されている現状の冒頭解説は、不適切なものであり、修正すべきと思います。
修正に際しては、Oxford Languagesのグーグル日本語辞書の「漁業」の解説 「漁業(ぎょぎょう) 魚介類・海苔(のり)など水産動植物を取る、または養殖する生産活動・職業。」を参考にすると良いと考えています。--子ザル(会話) 2021年8月23日 (月) 15:04 (UTC)
- 「営利目的」は、生業のための漁活動を含める漁撈と差別化するために選ばれた表現ではないかなと思います。必要最低限に改めるなら「営利目的で」を除去して文末の産業をリンク化すればいいのではないかと考えます。--茂林寺たぬき(会話) 2021年8月23日 (月) 19:29 (UTC)
「漁撈」と「漁業」の関係とよく似たものに、「農耕」と「農業」の関係がありますが、ともに似ていて非なるコトバなので、違いを明確に書いている解説が見られます。 Wikipediaの「農耕」の冒頭解説の後段は次のとおりです。「・・・。しばしば農業と混用されるが、「農業は牧畜を含むが農耕は牧畜を含まない」、「農業は産業全体を指すのに対し農耕は行為を指す」、「人類学・考古学では農耕(と牧畜)という言い方が用いられる」といった違いがある。」です。 ここで農業を漁業に、牧畜を養殖に、農耕を漁撈に置き換えると、「漁業は養殖を含むが漁撈は養殖を含まない」、「漁業は産業全体を指すのに対し漁撈は行為を指す」、「人類学・考古学では漁撈という言い方が用いられる」となり、よく当てはまっていて、この即席の解説文であっても「営利目的」のコトバを用いずに簡潔に本質の違いを言い表せていると思います。「漁撈」と差別化するためであっても「営利目的」は選ばれる必要は無いと考えます。--子ザル(会話) 2021年9月6日 (月) 12:13 (UTC)
- ご提示の「即席の解説文」は良いとは思いますが、出典を要求されそうな気もします。漁業が営利活動であることは言わずもがなな事ですし、私としては導入部で補記することで漁撈との差別化が可能なら「営利目的」の除去に異論はありません。--茂林寺たぬき(会話) 2021年9月9日 (木) 12:09 (UTC)
「漁業は養殖を含むこと」については、コトバンクの日本大百科全書(ニッポニカ)「漁業」の「漁業は、・・・・採取産業であって、広義には、水界動植物を栽培、増殖、養殖する増養殖業を含んでいる。」の解説、同じく百科事典マイペディア「漁業」の「営利を目的として水産生物を捕獲,採集,養殖すること。」の解説、同じくブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「漁業」の「営利を目的として魚介類を捕獲,養殖する産業。」などの全ての解説で「養殖」が含まれています。これに対し、「漁撈に養殖が含まれないこと」については、コトバンクの精選版 日本国語大辞典「漁撈・漁労」の「漁をすること。魚、貝、藻類などを採取すること。」の解説、同じくブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「漁労」の「水界にすむ生物,すなわち水棲生物をとること。漁労を業とする場合,これを漁業という。」の解説、同じくデジタル大辞泉「漁労」の「魚貝や海藻などの水産物をとること。また、その作業。」の解説において増殖・養殖等が書かれていないことです。次に「漁業は産業全体を指すのに対し漁撈は行為を指す」については、 ミツカン水の文化センターのhp「水の風土記 水の文化 人ネットワーク」の 「農、漁、猟 ―― 生活者にとって本業とは何か? 〜水田漁撈とカモ猟からみる生業と自然の関係〜」の中の「漁業は、獲った魚を売り金銭収入を得るという、ある程度産業化していく経済行為を指します。これに対し、魚を獲る行為そのものを漁撈といいます。ですから、漁撈の方が意味は広く、漁撈の中でも産業化され経済活動となる部分を漁業というわけです。」の文章がほぼ当てはまります。なお、この「産業化」とは、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の「インダストリアリゼーション、industrialization」の解説の狭義部分を要約すると「狭義には、生産活動の分業化と機械化、巨大組織化、高エネルギー動力源の使用、市場の拡大化といった傾向を意味する。」となっています。三つ目の「人類学・考古学では漁撈という言い方が用いられる」についての出典は「文化人類学的生業論 : 極北地域の先住民による狩猟漁撈採集活動を中心に」岸上伸啓、国立民族学博物館研究報告、32巻、4号、pp.529-578、2008-03-31の529ページと531ページに「漁撈」の言葉が使われているところです。以上が出典の候補に挙げることができると考えます。--子ザル(会話) 2021年9月9日 (木) 18:01 (UTC)
ウィキデータの「fishing industry」の和訳「漁業:水産物を取り扱う業種の総称」は、明らかに「水産業」の説明文になっています。逆に、「fishery」の和訳「水産業:営利目的で魚介類を捕獲したり養殖する産業」は、「漁業」の説明文になっていて、明らかに入れ替わっていますので、修正しなければならないと思います。その際、「営利目的で」の部分は削除したいと考えています。--子ザル(会話) 2021年10月9日 (土) 01:29 (UTC)