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ノート:流線曲率の定理

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Tnyj2323 さんの「 ベルヌーイの定理を使った説明が広く流布されており、同様の事象に対してしばしば誤解を生むが、ベルヌーイの定理はあくまで同一流線上でのみ成立する定理なので、回転するボールや翼形断面などのように流線が流れの中の対象物周りで分かれている場合の説明としては全く不適当である。 」 という記述は不適切と思われます。

翼やマグナス力の議論において、流れは「渦なし流れ」として議論されています。 渦なし流れにおけるベルヌーイの定理では、異なる流線上の2点に対して圧力比較が可能です。ですから、マグナス力や揚力の説明にベルヌーイの定理を使用することは全く問題ありません。

巷の「ベルヌーイの定理による揚力の説明」においてみられる「誤解・誤り」は 「同着の原理」だけであり、それ以外は、境界層外部の流れを扱う限り、正しいです。(もちろん流線曲率定理や力積の議論も正しいです。)

あと、Tosakaさんの「ファイル:流線曲率の定理2.PNG」において、下流・上流の流れがともに水平に描かれているのは、不備とおもわれます。上流は斜め上向き、下流は斜め下向きに描くべきです。(無限遠では水平に近づきます。) 鉛直方向に運動量の変化(=力積)が発生し、これの反作用が揚力になります。 --133.28.19.15 2010年12月28日 (火) 06:41 (UTC)[返信]

密度変化がなくても成立

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Tosaka さんの第一稿から存在している以下の記述に、明らかな事実誤認が見られます。

“つまり、流体がカーブを描いて曲がる時、遠心力や慣性力によって流体が圧縮や膨張して密度に変化が生まれるとするものである。”

流線曲率の定理は、非圧縮性流体でもそのまま通用します。

この定理に触れたもっと古い文献は今井功先生の「流体力学(前編)」ですが、そこで述べられているように「非粘性流体の定常流で、外力を無視できる」という条件を満たしさえすれば、流線の法線方向について『流線曲率の定理』が成立します。
さらに流体が「バロトロピー流体(=密度が圧力だけの関数であるような流体)」であれば、流線の接線方向について『ベルヌーイの定理』も成立します。

非圧縮性流体はバロトロピー流体なので、先に挙げた条件下であれば
・流線曲率の定理(流線の法線方向)
・ベルヌーイの定理(流線の接線方向)
が同時に成立している、という事です。

つまり、流線が曲がるときに流体が密度変化を起こさなければいけない、という関係性は全く認められません。

イメージ的には“流線の接線方向に圧力勾配があると速度が増減(上り坂で減速/下り坂で加速)し、法線方向に圧力勾配があると進路が曲げられる”と考えたほうが健全でしょう。ただし、圧力勾配と速度・曲率のいずれが原因(もしくは結果)なのか、という疑問には意味がありません。定常流の仮定がある事からもわかるように、これらの定理は全てのパラメータが平衡に達した状態を表しているに過ぎないからです。

以上より、次の2点を指摘します。
・『流線曲率の定理』を密度の変化で説明するのは誤り。
・『ベルヌーイの定理』の成立条件が揃っていれば、『流線曲率の定理』も成立している。(※逆は正しくない)
--飛行犬 2012年2月14日 (火) 04:00 (UTC)

圧力勾配の大きさ

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こちらも Tosaka さんの第一稿から存在している記述ですが、やはり正確さに欠けます。

“曲率の大きな所では周囲との圧力差も大きくなる。”

例えば完全流体の一様流に置かれた円柱の場合、最も曲率が大きくなるのは『よどみ点の近傍』ですが、
よどみ点の近傍における法線方向への圧力勾配は最大にはなりません。

流線の法線方向への圧力勾配は『曲率』以外に『密度×速度の2乗』にも比例しており、
よどみ点の近傍における流速が極めて遅く、小さな圧力勾配で釣り合っているためです。

密度の変化が限られている(変化しない場合もある)事を考慮すれば、圧力勾配の大きさに最も影響を
与えうるのは『速度の2乗』項です。つまり、円柱の場合はよどみ点からちょうど90度の位置
(=流れの方向から見て両端となる部分)周辺で法線方向への圧力勾配が最大になる、と考えられます。
--飛行犬 2012年2月14日 (火) 10:31 (UTC)