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ノート:朝鮮語の南北差

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頭音法則について

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Wikipediaの他の記事でも「頭音法則は人工的に作り出したもの」という記述があったような気がしますが、ソースはあるのでしょうか。というのは、以前中国朝鮮族の知り合いがいて、瀋陽郊外在住のその人の家族(高齢者含む)と話す機会があったのですが、全員おしなべて頭音法則はありませんでした(リウルの同化も)。頭音法則の有無はまず一義的に地域的な問題なのではないかと思われます。北朝鮮では頭音法則がある地域とない地域があったのを、ないものに統一したというところではないでしょうか。とりあえず「人工的」の箇所はコメントアウトしておきます。--竹田 2007年11月1日 (木) 11:28 (UTC)[返信]

西北(平安道)方言にはご指摘の通りに頭音法則がなく、語頭のが維持されます。これは近世朝鮮語以前の特徴がそのまま維持されているものです。例:/너자/「女子」(北標準語:녀자,南標準語:여자)。その一方で、語頭のは西北方言においても現れることがなく、で現れます。例:/낭반/「両班」(北標準語:량반,南標準語:양반)。歴史的に見ても漢字語における語頭のと発音されており、で発音された形跡はありません。従って、語頭のについては西北方言にも同様の発音がありえますが、語頭のについては人工的に作り出したと言えます。
北では1948年の朝鮮語新綴字法において、すでに語頭のを表記すると定めています。この規定は個々の漢字音の音形を常に一定につづるという形態主義を徹底した結果で、当初はとつづるも、発音は頭音法則に依っていました(朝鮮語文研究会『朝鮮語文法』,1949)。ところが1954年の朝鮮語綴字法では語頭のについて、つづり通りに発音することを「原則的方向とする」とし、望ましい発音が提示されます。このような経緯から判断するに、語頭のをつづり通りに発音することは、方言の影響ではなく、形態主義に基づいてつづりを一定に定め、後につづりに合わせて発音を改めたと見るのが妥当です。
朝鮮族の場合、元となっている朝鮮語方言の影響が考えられます。瀋陽をはじめ遼寧省地域は西北方言地域なので、頭音法則に従わないのも首肯できます。ただ、語頭でが発音されることについては、東北(咸鏡道)方言地域である延辺でも同様の現象が見られ、比較的新しい現象と考えられます。--竹庵 2007年11月2日 (金) 05:52 (UTC)[返信]
詳しい解説をありがとうございます。恥ずかしながら、
>漢字語における語頭のと発音されており、で発音された形跡はありません。
この部分に関して知りませんでした。元々、頭音法則には二段階あり、一段階目は
  • 語頭のとなる
という現象で、これに関しては例外がない。さらに、二段階目として、近代以降に南部で
  • +(等)のが脱落する
という現象が起こった。これには地方差がある。
という理解でよろしいでしょうか。なるほど、そうするとの復活が人工的だというのは理解できます。
必ずしも朝鮮語教育を受けたと限らない瀋陽などの中国朝鮮族の発音でもが復活しているというのも興味深いですね。韓国で"나지오"等が"라디오"一色になったように、「正しい/かっこいい」発音への流れがいったんできると、意外とあっという間に変わってしまうものなのかもしれませんね。
ただ、記事の記述に関しては、どうしてもなくてはならない部分だとは思わないのでとりあえずそのままにしておきます。--竹田 2007年11月2日 (金) 06:58 (UTC)[返信]
頭音法則については、おっしゃる通りでよろしいかと存じます。朝鮮語はアルタイ諸語と同様に語頭にr音が立ち得ず、朝鮮語の場合はそれが漢字語にまで及んだということなのでしょう。
朝鮮族の言語における語頭のの発音については、憶測の域を出ませんが、中国語の影響も多少はあるのではないかと思われます。語頭以外のについても、例えば 편리 /편리/「便利」(標準発音 /펼리/)とが流音化しないのは中国語的です。また、音借語においても、終声の直後に母音が来てもが初声化せずに終声として維持されるなど(語例は失念。中国語「電影」などの場合)の例があるようです。これらの例を見ると、中国語からの影響を疑いたくなります。--竹庵 2007年11月2日 (金) 08:47 (UTC)[返信]