ノート:怪談 (小泉八雲)
「怪談」を “Kwaidan” とラテン文字転写したことの説明について
[編集]現在の版では、下記の記述があります
英語によるタイトルの綴りがKaidanではなくKwaidanなのは、「怪」の字音仮名遣である「クワイ」のローマ字転写による。
この記述そのものに間違いはありません。「怪談」の字音仮名遣が「くゎいだん」であることは確かです。しかしながら、日本語(字音仮名遣と実際の発音)に詳しくない読者にとって、誤解を招きかねない有害な記述であると考えます。 まず、2023年現在の標準日本語では、「くゎいだん」と書いてあれば「かいだん」と発音します(2023年現在の方言はひとまず置いておきます。)。しかし、1904年当時の日本語では、地域によってはそのまま「くゎいだん」と発音することがありました。別の言い方をすると、当時はまだ「くゎ」と「か」を発音し分ける地域が相当数あったということです。現状の記述では、1904年当時の出雲でも現在の標準日本語同様に表記は「くゎい」と書いて「かい」と発音していた、と誤解を招く虞があります。
もうひとつの問題です。
また、節子の出身地である出雲地方の方言・出雲弁では「か」を「くゎ」と発音し分ける場合がある(例:火事(くゎじ)、家事(かじ))。
これは、1904年当時の出雲弁であれば(おそらくは)正しい記述でしょう。しかしながら、2023年現在の出雲弁に当てはまるかは、疑わしくあります。 1900年頃は「か」と「くゎ」を発音し分ける地域が日本各地に相当数あったことは間違いありませんが、そのような地域はその後急速に減り、2023年現在にどれくらい残っているかと言われると相当疑問です。
本当に正確な記述をするならば、近年の出雲弁のネイティブスピーカーの発音を調査した文献を探し出す必要が出てきますが、そこまで徹底しないにしても、もう少し誤解を招かない表現に改める必要があると思います。--2606:9580:103:F:0:0:0:D001 2023年11月8日 (水) 18:36 (UTC)