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ノート:地理行列

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記事作成者コメント

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記事を作成したものです。特筆性は十二分にあるはずですが、なぜか英語版含め他言語版には一切記事が存在しないと思われるトピックです。完全な書き下ろし記事です。

作成して気になったこと2点を以下に記します。今後加筆修正等をされる方は参考にしていただければ幸いです。

  1. 本当は冒頭部に図を入れたかったです。Berry (1964)をもとに自分で修正したうえで。ただ自分で書き直すとはいえBerry (1964)の図をそのまま使えば著作権侵害のおそれにならないか?という不安があって、やめてしまいました。c:File:Geographical matrix - approaches to geography.jpgの黒色文字の部分だけのものをアップしようかなと思ったりもしたものの、それもBerry (1964)とは違うし、そのように説明している教科書はあったのだろうか、という疑問があって(誤解を招くおそれがあるので)やめました。うまく図を入れられるように修正できる方がいらっしゃれば幸いです。
  2. Berry(1964)では行が属性、列が地域です。しかし最近のテキストを見ると行が地域、列が属性となっており、行列が逆転しています。GIS(少なくともArcGISとMANDARA)で地理行列を扱うときは行が地域、列が属性だろうなと思ったりはします。教科書等を見てもバラバラです。西川ほか(1996)では前者、浮田ほか(2004)では後者です。冒頭部、「経緯」、「地理学の研究アプローチの分類」ではBerry (1964)に則って行が属性、列が地域で書いています。一方、「種類」では村山・駒木 (2013)に基づき行が地域、列が属性で書いています。行と列でどちらにするかについて言及されている文献があれば情報提供いただければと思います。

--郊外生活会話2020年2月9日 (日) 15:57 (UTC)[返信]

  • 返信 地理学においても、行列を単なる表(Table)ではなく行列(Matrix)として扱うことがあるとは思いもよらなかったので、興味深く拝見しました。そう言われれば、地理学でもグラフ理論的なアプローチや因子分析などを考えてみると、行列を利用することはごく自然ですね。
  1. 図などなくてもテキスト部分の説明だけで十分にわかると思いますが。それは私が数学屋だから言えることで、一般的には図がある方がよいのでしょうね。黒文字の部分だけでは、単なる行列の説明にしかならず、意味がないと思います。あえて修正するなら、行列風に括弧で挟むのではなく全体を枠で囲み、さらに上側と右側の角は線をはみ出して表っぽくすれば、Berry (1964)の図に近く、かつ著作権侵害にもならないと思います。
  2. 数学的にも実用的にも、別にどちらがより本質的とかより優れているとか言えるものではないので、単一の文脈(一本の論文、一冊の書籍、一本のソフトウェア、あるいは一つの章であっても)において、冒頭部でどちらの定義を採用するか明言されており、かつ、(特に断りがないかぎり)少なくともその文脈の中では定義が統一されているのであれば、どっちでも構わないようなものだと思います。強いて言うならば、紙のメディアの場合、横長より縦長の方が1ページにより大きいサイズの行列を収めやすいので、考察する地域と属性の数の比率で決めるのが合理的と言えるかもしれません。一般的に考察対象の数は属性より地域のほうが多いと考えられるので、そういう理由から、行を地域、列を属性とする方向に自然に変ってきたのではないでしょうか。
--Loasa会話2020年2月11日 (火) 06:26 (UTC)[返信]

疑問点など

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疑問点などをいくつか。

  1. 行列成分について:地理行列が、初期のように、地理学の研究アプローチの分類という目的だけに使われるのなら、各成分が「事象」や「属性」を単なる文字列として表記したものであっても構わないのですが、数学的な行列として扱う(特に多変量解析などに使う)以上は、各成分は数値か、またはのような、少なくとも二項演算が定義できるような要素である必要があります(まあ、単なる文字列であっても、各対象に名義尺度を与えることで数値データとして扱うことも可能ではありますが)。そういう意味で、成分の属性について何らかの定義というか規定などはあるのでしょうか。少なくともベリー自身の論文ではそこまでは考察していないようですが、最近の研究でもそうでしょうか。
  2. §3.2「相互作用行列」に、「距離行列は基本的に対称行列であるが、非対称行列になることもある」とあります。しかし、距離の公理的定義自体に対称性(AからBまでの距離とBからAまでの距離は等しい)が含まれているくらいで、「距離」を(距離空間のような抽象的レベルでなく)普通の意味で解釈しても、非対称行列になることはありえないと考えられますが、非対称行列になるのはどのような場合なのでしょうか。考えられる状況としては、たとえば、「距離」が幾何学的距離ではなく「2地点を結ぶ道路の長さ」と定義されて、2地点がそれぞれ一方通行の2つの道路で結ばれており、その2つの道路が別々のルートを通っているような場合くらいです(そういう「距離」は対称性はもちろん三角不等式すら保証されず、もはや「距離」と呼ぶに価しないのですが...)
  3. §5.「バイナリー型地理行列」における「連結性行列」とは、§3.2「相互作用行列」における「連結行列」と同じものでしょうか。同じものであれば用語は統一していただきたいです。

--Loasa会話2020年2月11日 (火) 06:38 (UTC)[返信]

  • コメント まず2.についてです(ほかの内容については明日以降確認して回答します)。一般的な「距離」であれば対称行列です。改めて読んでみると、初版では例外を強調しすぎた感じはしました。なお、その例外は時間距離で、往路と復路で所要時間が異なる場合に、時間距離の場合の距離行列が非対称行列になります。具体例は参考文献には書かれていないように思いますが、私が思いつく例では、航空交通での時間距離(偏西風の影響などで往復で所要時間が異なるので)でしょうか。あとは道路渋滞を考慮する場合でしょうか(朝の上りは時間がかかるが夜の下りはそこまでかからない等)。--郊外生活会話2020年2月11日 (火) 17:06 (UTC)[返信]
  • コメント 3.について。同じものだと思います。村山・駒木 (2013)では「連結行列」、矢野 (1985)では「連結性行列」となっているので異なる用語を使用していましたが、「連結行列」に統一しました。
    なお、1.については、成分の定義について私が参考にした教科書では厳密に定義している様子は確認できませんでした。ただ、私が見たことがある限りでは、各成分は数値(または数値を定義域とする変数の文字)だと思います。それ以外のほかの計量地理学の教科書には成分の定義について書かれているかもしれないので、そのような記載があれば追記しておこうと思います。
    お待たせいたしました。このセクションについては一通り回答いたしました。--郊外生活会話2020年2月12日 (水) 14:21 (UTC)[返信]