ノート:准胝観音
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梵名について
[編集]佐藤任『密教の神々』(平凡社ライブラリー版、137頁)では准胝観音の梵名を CundĪ としていますが、『岩波 仏教辞典 第2版』の「准胝観音」の項では、准胝は Cundā の音写であると書かれています。森雅秀は『インド密教の仏たち』第5章の註(31)で、原語をチュンディーとしたり Cuņḍā と綴ることもあるが、いずれも誤りである(つまり Cundā が正しい)と述べています。--Doomreaper(会話) 2016年11月22日 (火) 14:56 (UTC)
- 梵名の項目を追加してチュンディー、チュンダーの両仮説を記述し、導入部には「准胝」の梵名について述べないようにしてみました。--Ryo 625(会話) 2016年11月22日 (火) 16:29 (UTC)
- 編集お疲れ様です。上記森雅秀の著書における准胝についての記述は、上村勝彦「准胝の起源」(『東方』5、1989年)に依拠しているようです。森はほかに酒井真典「准胝仏母 (CundĪ) について」(『伊藤真城・田中順照両教授頌徳記念仏教学論文集』1979年)、P. Niyogi, "Cundā: A Popular Buddhist Goddess" (East and West 27, 1977)、S. D. Singhal, "Iconography of Cundā" (The Art and Culture of South-East Asia, 1991) を文献に挙げています。いずれもわたしは未見ですが、上村論文はおそらくチュンダー説、そして酒井論文はタイトルからしてチュンディー説、後の英文2タイトルはチュンダー説を採っているものと思われます。わたしの手持ちの本では田中公明「密教の尊格とその図像」(『シリーズ密教1 インド密教』春秋社、新装版2005年)に「准胝観音に相当するチュンダー」(106頁)の記述がみえます。佐久間留理子のこちらの論文を覗いていますと、上村論文に基づき「仏母の准胝 (cundā)」(423頁)としています。Wikipedia の他言語版の記事名が CundĪ になっているのは承知していますが、こうしてみるとチュンダー説のほうが優勢ではないでしょうか。 両論併記するにしてもチュンダー先、チュンディー後の順番にしたほうがよいように思うのですが、いかがでしょうか。--Doomreaper(会話) 2016年11月27日 (日) 00:12 (UTC)
- 順番を入れ替えるにしても、「チュンダーの方が有力である」というような記述や含意は無い方がいいような気がします。私は真言のcundeをcundāの呼格と読む解釈に賛成ですが。--Ryo 625(会話) 2016年11月27日 (日) 06:38 (UTC)
- レスポンスありがとうございます。准胝を取り上げた学的研究は豊富ではないと思われますので、現在「チュンダーの方が有力である」ことを帰納的に確定させたり、それを裏付ける検証可能な文献を見つけることはできなさそうですね。比較的近年の文献では森雅秀、田中公明、佐久間留理子、宮治昭がチュンダーないし cundā として言及しているのを確認できましたが、本日図書館で調べてみたところ、古めの仏教語辞典等では梵名を cundā としているものはありませんでした。上述の佐藤任『密教の神々』も旧版は1970年代刊行です。『コンサイス佛教辞典』も cundī の音写としていますから、チュンディー説は古くからの説で、チュンダー説は日本では近年に定着した説なのかもしれません(むろんわたしの憶測にすぎません)。そうだとすれば時系列にしたがってチュンディー先、チュンダー後の順番で記述するという考えもあり得ますね。そんなわけでチュンダー→チュンディーの順番とすべきという先の主張は撤回いたします。Ryo 625さんのお手を煩わせてしまって申し訳ありませんでした。--Doomreaper(会話) 2016年11月29日 (火) 15:01 (UTC)
- 順番を入れ替えるにしても、「チュンダーの方が有力である」というような記述や含意は無い方がいいような気がします。私は真言のcundeをcundāの呼格と読む解釈に賛成ですが。--Ryo 625(会話) 2016年11月27日 (日) 06:38 (UTC)
- 編集お疲れ様です。上記森雅秀の著書における准胝についての記述は、上村勝彦「准胝の起源」(『東方』5、1989年)に依拠しているようです。森はほかに酒井真典「准胝仏母 (CundĪ) について」(『伊藤真城・田中順照両教授頌徳記念仏教学論文集』1979年)、P. Niyogi, "Cundā: A Popular Buddhist Goddess" (East and West 27, 1977)、S. D. Singhal, "Iconography of Cundā" (The Art and Culture of South-East Asia, 1991) を文献に挙げています。いずれもわたしは未見ですが、上村論文はおそらくチュンダー説、そして酒井論文はタイトルからしてチュンディー説、後の英文2タイトルはチュンダー説を採っているものと思われます。わたしの手持ちの本では田中公明「密教の尊格とその図像」(『シリーズ密教1 インド密教』春秋社、新装版2005年)に「准胝観音に相当するチュンダー」(106頁)の記述がみえます。佐久間留理子のこちらの論文を覗いていますと、上村論文に基づき「仏母の准胝 (cundā)」(423頁)としています。Wikipedia の他言語版の記事名が CundĪ になっているのは承知していますが、こうしてみるとチュンダー説のほうが優勢ではないでしょうか。 両論併記するにしてもチュンダー先、チュンディー後の順番にしたほうがよいように思うのですが、いかがでしょうか。--Doomreaper(会話) 2016年11月27日 (日) 00:12 (UTC)