ノート:八ホウ酸ナトリウム
八ホウ酸 二ナトリウム四水和物
[編集]フランスで開発された、水に溶けるホウ酸剤です。 用途としては、シロアリ駆除剤として開発されました。
日本では、水に溶けやすい性質を利用して、木材の防虫・防腐・防蟻加工に利用されました。
また、ホウ酸の炎に燃えにくい性質を利用して、加圧処理した木材は耐火材として利用されました。
【夢のホウ酸!】
ホウ酸は、本来は余り水に溶けません。 アメリカのゴキブリ駆除会社は、1960年代~1970年代にペストコントロールとして、レストランやホテルのゴキブリ駆除の際に多量のホウ酸が使われました。 ホウ酸剤を細かく粉末にして、壁の中に断熱材のように吹き込んで処理しました。 キャッチフレーズが、『もしも、一匹でもゴキブリを見かけたら、お客様のホテル代金・食事代を我が社で負担します。』だった。 ペストコントロールと言う名の通り、アメリカではペスト菌を媒介する危険生物の駆除をする立派な職業で、映画『ゴーストバスターズ』のモデルになった。 民間にも、信頼される職業だ。 しかし、彼らはホウ酸の使い過ぎで、使用量の規制が入って、最小限の量しか使えなくなった。
彼らは、水に溶けにくいホウ酸を、微粉末にしてB&Gボンベやアクチゾールというエアスプレーの機械で、微粉末の水和剤という形で苦労して処理をしていた。 少しでも、ホウ酸の量と攪拌を怠ると、たちまちノズル内にあるメッシュスクリーンが、詰まってしまうからだ。
ちなみに、アクチゾールとは、冷蔵庫のコンプレッサー部分を殺虫剤のスプレー缶を使用すると、爆発火災事故を起こすために防止で開発された機械だ。 フロンガス使用を、減らす意味もある。
安全で安価な殺虫剤の開発という観点から、ホウ酸を溶かす溶剤を研究開発者は探していたが見つからなかった。
ところが、『八ホウ酸二ナトリウム四水和物』という水に溶けるホウ酸剤が登場すると。
日本の業者が、いち早くゴキブリ用ホウ酸スプレー剤を開発して、現場実験をした。
入手経路は、JRの研究所から民間企業に広がった。
シロアリは、ゴキブリと近い仲間の為に、効果は絶大だった。
ちなみに、シロアリとJRの関係は、JRにシロアリ駆除の専門家が居たからだ。 どんな関係かと言うと、線路の枕木やポイント切り替えの小屋は、シロアリ被害が出ると。 線路を支える土台が崩れて、重量のある車両が脱線・大事故につながるからだ。 コールタールに漬け込んだ木材の加圧注入材は、国鉄時代に生まれた。
【スライム事件】
1999年頃に、当時は合成糊にホウ酸を加えて作る『スライム』が盛んだった。 ところが、小学生を子供に持つある主婦が、ホウ酸の毒性について学校に問い合わせたことが発端で、PRTR問題騒ぎが発生して問題になった。
ホウ酸の、致死量の危険があると言う事で、『スライム作り』を取りやめる学校が続発した。
当時、ゴキブリ駆除に使われるスミチオンという有機リン系薬剤や、バイゴンアルコール剤というカーバーメイト系薬剤の製造及び使用が禁止になり。
食毒ベイト剤というホウ酸を使う食毒剤が主流と成っていた。
また、『八ホウ酸二ナトリウム四水和物』というホウ酸剤が、水に溶け易いことから。
乾燥した後に、再度『八ホウ酸二ナトリウム四水和物』が水で溶けだす二次汚染が懸念された。
この時期、ホウ酸の輸入代理店である『ポロン』というメーカーが、『八ホウ酸二ナトリウム四水和物』の商品の追跡調査を行ったところ。 本来のシロアリ駆除目的でなく、飲食店・ホテル・レストランのゴキブリ駆除に使われていた。
その為に、企業の責任を感じてホームページを削除して、販売の自粛を行った。
2003年に、『八ホウ酸二ナトリウム四水和物』を、圧力釜で加圧注入した木材が『耐火性』があると認められると。
市場に、出回るようになった。