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ノート:ハイブリッドガラス

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特許庁HOME > 資料室(その他参考情報) > 標準技術集 > 金属表面処理における6価クロムフリー等の環境対応技術 > シリケート化合物

その他参考情報

シリケート化合物

【技術分類】

 A−A1−3 有機無機複合皮膜

【技術の名称】

 A−A1−3−2 シリケート化合物

【技術内容】

 亜鉛めっき鋼板のクロムフリー化成処理技術として,りん酸塩処理やクロム処理と同等の品質性能を有することを目標に,有機系材料と無機系材料を検討した。その結果,コロイダルシリカと有機樹脂を化学的に結合させた有機複合シリケートが優れた性能を有することがわかった。また,耐食性,塗料密着性に関して検討した。
 耐食性と耐脱脂性が優れているコロイダルシリカと、塗料密着性の向上に効果がある水系有機樹脂を混合し、引き続き、シラン化合物を添加し、つぎに加熱し、化学反応を生じさせて合成する。有機樹脂と、シラン化合物、コロイダルシリカの三成分系の作用により初めて複合化反応が進行するものと推定される。複合化の根拠としては、図1に示した有機複合シリケート皮膜の応力−歪曲線からも示される。また、複合化反応の主反応は式1のようなものと推定される。
 表1に、代表的な各種有機複合シリケートの品質性能を示す。単に1種類の複合体では総合的な品質性能を十分に満足することが困難である。したがって、総合的に優れた品質性能を得るためには、アクリル複合シリケートとエポキシ複合シリケートという2種類の品質特性の異なる複合体の組み合わせが必要であると考えられる。そこで、アクリル複合シリケートとエポキシ複合シリケートの最適配合比率を検討した。
 図3に示したフローにより、各供試材について一次耐食性(未塗装での耐食性)、二次耐食性(塗装耐食性)、一次密着性(塗料密着性)などの品質性能を調査した。
 図4に示したように(図中の数字はアクリル複合シリケート/エポキシ複合シリケートを示す)、二次耐食性は皮膜中のコロイダルシリカを増大させることにより向上する。さらに、混合比(アクリル複合シリケート/エポキシ複合シリケート)の低下、つまり、エポキシ複合シリケートの比率を増大させることにより良好な性能を示すことが判明した。
 一次密着性は、図5に示したように混合比を低くすると顕著に向上する。また、皮膜中のコロイダルシリカの割合は20〜40%が最適である。
 図6に示したアルカリ脱脂後の二次耐食性試験(耐脱脂性)の結果から、アクリル複合シリケートの添加が必須であり、混合比60/40〜100/0の範囲内が良好である。
 一次密着性、耐食性、耐脱脂性の各々の品質性能に関する最適組成範囲を図7に示す。総合品質を満足する組成は、有機複合シリケート中のコロイダルシリカ分量が固形分比で40%、アクリル複合シリケート/エポキシ複合シリケートの混合比が70/30である。
 亜鉛めっき鋼板上に形成された有機複合シリケート皮膜の構造は、図8に示すように、アクリル複合体とエポキシ複合体の粒子が相互に充填されており、またコロイダルシリカは亜鉛めっき表面に配向して亜鉛めっき面とシラノール結合していると推定される。
 図9と図10に示したように、有機複合シリケートの皮膜付着量を増大させると、耐食性と塗料密着性は向上するが、処理液コストや溶接性を考慮した場合、皮膜付着量は1〜2g/m2が望ましい。有機複合シリケート処理は、現行りん酸塩処理と同等かもしくはそれ以上の品質性能を有することがわかった。
  処理液の組成:コロイダルシリカと水系有機樹脂、シラン化合物を混合・合成し、有機複合シリケート処理
             有機成分としては、アクリル、エポキシ
  基材:亜鉛めっき鋼板
  効果:耐食性、塗料密着性、耐脱脂性
       

【図】

 図1 有機複合シリケート皮膜の応力−歪曲線

有機複合シリケート皮膜の応力−歪曲線

 出典:「亜鉛めっき鋼板のクロムフリー化成処理技術」、「日本鋼管技報 NO.91」、(1981年10月31日)、原富啓、小川正浩、山下正明著、日本鋼管株式会社発行、29頁 図1 有機複合シリケート皮膜の応力−歪曲線
 式1 有機複合シリケートの複合化反応の主反応

有機複合シリケートの複合化反応の主反応

 出典:「亜鉛めっき鋼板のクロムフリー化成処理技術」、「日本鋼管技報 NO.91」、(1981年10月31日)、原富啓、小川正浩、山下正明著、日本鋼管株式会社発行、29頁 式1 有機複合シリケートの複合化反応の主反応

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