ノート:ゾロアスター教
この「ゾロアスター教」には下記のような選考・審査があります。有用なアイデアが残されているかもしれません。この記事を編集される方は一度ご参照下さい。 |
日付 | 選考・審査 | 結果 | |
---|---|---|---|
1. | 2006年4月1日 | 秀逸な記事の選考 | 不通過 |
記事名について
[編集]記事名ですが、僕は記事名の変更には関わっておらないので、異存ないです。 もともと、ゾロアスター教の記事名がある時期に、マズダ教に移動されたことを記憶しています。 ウェブを見てみると、マズダー教としている場所もあるようですが、はっきりとした理由は分からないのでそのままにしていました。詳しい事情は知らないですが、現地でも意味が「ゾロアスターの宗教」なら問題ないでしょう。ザラスシュトラ教とするわけにもいかないでしょう。
リンク元についても、マズダ教と突然書いてもピンと来ない人がほとんどだろうと思っていました。それで マズダ教(ゾロアスター教) と書いていたのですが、ちょっとめんどくさいなとも感じていました。
場所は記憶してないですが、ミトラ教 -> マズダ教 -> ゾロアスター教 と、変化したと書いている所もありました。
これは、もしかしたら、ミトラ教 -> ミトラ教マズダー派 -> ゾロアスター教 となったのかも知れないとも思っていますが、そのように書いてある場所はまだ見つけてません。
また、現在ゾロアスター教徒が一番多いインドでは、「パルシー」です。彼らも自分を「パルシー」と英語の会話の中では呼んでいました。二人知っていたのですが、今は近くにいないので聞けないです。この二人がやっぱりお金持ちで、ムンバイに会社をいくつか持っていて、自分は高原の別荘でほとんど遊んで暮らしているように見えましたが…。タタ財閥がパルシーの一枚岩の財閥とも聞いて、パルシーのネットワークってあるのかしら?とちょっと興味があります。
まあ、イスラムの勢力が広まった時に、当時(って7世紀ですよね?)、お金持ちだった人達だけがインドに逃げ込んで宗教を守ってそのときから財産を減らさないように、増やしながら今まで地位を保って来たのかなあとか、興味シンシンです。タタ財閥はインド独立の時に成功したらしいですが、はじめの時点である程度の蓄えがなかったら他の勢力と対抗できたわけもないとは思います。すくなくともパルシーのネットワークがなかったらヒンドゥー勢力から独立した地位を保つことは出来なかったでしょう。これはあくまで個人的な予想なのでここに書いておきます。
--Setu 18:14 2003年7月5日 (UTC)
Peehyoro Acalaでございます。
「パールシー」というのは、確かペルシャ人という意味だそうです。
イランから亡命してきたゾロアスター教徒だから「ペルシャ人」なんでしょうね。
アフラ・マズターは、インド・イラン共通時代にまでさかのぼる古い神格だそうです。
だから、ザラスシュトラの改革以前または別の場所、別の教団でアフラ・マズダーを崇める
派があったかもしれないと思っています。
もしそういうのがあったなら、マズダ教という名称は、そちらに「とっておく」のがよさそうな気がします。
Peehyoro Acala 08:32 2003年7月6日 (UTC)
カナダでゾロアスター信者に会ったことがあるから、トロントだけでなく広く伝えられているようです。ちなみにイラン人でした。
booze 13:58 2003年7月15日 (UTC)
- 詳細は分かりませんが、イランにゾロアスター教が残っていると聞きました。どこに、どのくらいいて、どのようにしてイスラム教への改宗を免れたかなどは分かりません。もしかしたら、そのようなイラン人のかたが、カナダに移住したのかも知れませんね。「イラン人でした」との事ですが、いつ頃までイランにいたとかは分かりますか? はるか昔か、数年前かとか。
- パルシーの方にうかがった話では、トロントにある程度のゾロアスター教徒がいてコミュニティを作っている。との事でした。どういうゾロアスター教徒なのかは知らないそうです。
- パルシーの方が英語で話すときは、ゾロアスタリアンとゾロアスター教徒を呼んでいるので、記事名はゾロアスター教で構わないと思います。
- あと、イランからインドへの移住が1100年との事で、イスラム教が広まってから400年以上イランにいたことになるのも、不思議な感じがしました。一気に改宗させられたのかと思っていまいした。
- --Setu 16:37 2003年7月15日 (UTC)
本文について
[編集]不正確な記述をコメント・アウトさせて戴きます。元に戻されるのも買いませんが、学問的に根拠を明示して戴きたく思います。最初の歴史説明において、外部リンクとして、ミトラ教 をあげておられますが、このページの記述内容は、歴史的・学問的に、かなりナンセンスなところがあります。このような記述を元に、ゾロアスター教の歴史解説をするというのは、たいへん危ういことです。宜しくご了承願います。Maris stella 2005年8月17日 (水) 15:02 (UTC)
- あとで戻しますがゾロアスター教を現代ペルシア語でディーネ・ザルドゥストないしディーネ・ザルドゥシュトدین زردشتという点は本当です。スタインガス、モイーン、さらに念のためロガットナーメも見たのでほぼ間違いありません。えと。やはり書誌必要ですか?Kotoito 2005年8月19日 (金) 00:06 (UTC)
- 現代での呼称部分については、今日、色々な部分を削除しましたが、コメントアウトとして残しています。これは、どこか適切な場所に入れるためです。イランではほぼ消えてしまったゾロアスター教を、現代ペルシア語で表現することにどういう意味があるかという疑問のためです。ゾロアスター教が、記事項目として持つ重要性は、その歴史的な役割にあり、現在残っているインドとイランの少数のゾロアスター教の共同体の信仰は、あまり重要ではないのです。ゾロアスター教というよく分からないがしかし、歴史的に非常に大きな意味を持っていた宗教の教えを研究するため、現代に継承された信仰の研究やそれに対する言及も重要ですが、バランスの問題があります。せめて「中世ペルシア語表記」であれば、最初の見出しの後ろに入れるのですが、現代ペルシア語表記には疑問があるということです。なお、書誌は当然必要ではありませんか。従って、「戻す」というのは構いませんが、どういう形でということは重要だと思います。戻してもらうと困るのは、「古代ミトラ教」とか、誰がそういうことを言っているのか、学問的に根拠不明な部分です。現代ペルシア語の表記は、イランのゾロアスター教か、インドのゾロアスター教の節に入れるのが適切かも知れません。(ゾロアスター教については、分からないことが多すぎるのです)。Maris stella 2005年8月19日 (金) 00:50 (UTC)
- 「イランではほぼ消えてしまったゾロアスター教を、現代ペルシア語で表現することにどういう意味があるかという疑問のためです。」
- なるほど。おおむね諒解いたしました。いえ「現代ペルシア語で……という」という部分が根拠なし、とおっしゃっているのかと思ったのです。ミトラ教云々が根拠不明とか冒頭見出しにペルシア語発音必要なしというご意見に関しては同様に考えます。また全体のバランスの中で現代のゾロアスター教徒についても、近年の歴史学の近現代重視の趨勢をあわせて考えても必要なのはせいぜいが1/5程度が妥当かという印象です。インド・パキスタンのパールスィーについては歴史的な観点より、現代の社会・経済の観点から無視できない影響力を持っていますので、本項とは相性が悪そうです。ここに書いてあったのはインドにおけるゾロアスター教の歴史というより、どちらかというとコミュニティとしてのパールスィーの歴史のようですから分割してしまったほうがよさそうですね。Kotoito 2005年8月19日 (金) 04:05 (UTC)
鳥葬
[編集]私的な意見ですが、ゾロアスター教は鳥葬が習慣だったと聞いたことがあります。記憶に自信がなくてすみません。鳥葬とは死体を鳥に食べさせる埋葬の仕方で、鳥に罪を食べさせるという意味合いがあったそうです。
鳥葬の風習の理由は、穢れた死体を大地に戻したり神聖な火で焼くことはできないためと聞きました。--Ytakashi 2006年11月25日 (土) 14:43 (UTC)
「日本」の節、父系共同体としてのゾロアスター教
[編集]「日本」の節の最期の一文の意味がわからないのですが・・・ --mshin 2006年11月30日 (木) 17:44 (UTC)
本文中の「ゾロアスター教徒は、ゾロアスター教の父を持つものだけという条件である。女性を嫁がせてゾロアスター教徒を増やすことはできない。」という記述ですが、 その条件は緩和された(あるいは緩和される)とテレビのニュースで報道されていた記憶があります。 --TDF-PO七 2007年12月18日 (火) 10:49 (UTC)
「お水取り」
[編集]未ログインで申し訳無いのですが、要出展タグ2箇所削らせていただきます。 物事が存在しないことを証明する証拠は存在しないのが理由です。署名はこれでいいのかな? --219.111.64.40 2007年12月29日 (土) 15:06 (UTC)
要出典となっている「お水取り」の部分ですが、[ゾロアスター教と日本(3)〜お水取りと達陀の行法] このページで紹介している本がそれかな?と思いました。確認できる方、お願いします。--1yen 2008年2月23日 (土) 19:51 (UTC)
画像について
[編集]Greemland4氏へ。もろもろ記事を差し戻されていますが、伊藤義教氏の「ペルシア文化渡来考」の出典明記などもあなたは削除されました。そのしかるべき根拠をお知らせ下さい。出典明記したとはいえ、たしかに私の記述は不十分です。しかし伊藤氏の比定論の内容は簡単な要約を許さないものだし、また学界内での検討もわかりません。ただ、伊藤氏の説の妥当性はともかくとしても、その説があるということは客観的事実であり、説を掲載する理由こそあれ、不掲載の理由はありません。 またパールシ−の記述(私は記事を分割した方がいいと思います)にしても、「聞き書き」の体裁での記述であり(しかしそうであるとしても、インフォーマントは誰なのでしょうか?)、文献的確証はなく、そのほとんどは「要出典」です。文献でもネット上でのリンクでもいいのですが、なんらかの記述の責任主体を明らかにしてください。--西方 2008年7月21日 (月) 12:46 (UTC)
- 画像を全部削除したのはどういう理由からですか? 何かの嫌がらせかと思いましたが。--Greenland4 2008年7月21日 (月) 13:19 (UTC)
画像についてはすみません、なにかコピペかなにか編集上の手違いで気がつきませんでした。意図せざるもの/ミスです。それで、私の質問にお答え下さい。ちなみに私は悪意で編集はしていませんので。あくまで私なりの見やすさを念頭に編集したまでです。為念。--西方 2008年7月21日 (月) 13:39 (UTC)
- そうでしたか。単に私は悪意によるものと判断して差し戻しただけなので、伊藤氏の件については出典明記のうえ、改めて加筆なさってください。--Greenland4 2008年7月21日 (月) 13:51 (UTC)
「他宗教への影響」について
[編集]何度も同じ内容を書き直されているようですが、Wikipediaは独自研究の場ではありません。Wikipedia:独自研究は載せない。これはどういうことかというと、Wikipediaはすでに公にされている仮説や事実を提示する場であって、今回の場合、具体的に「ゾロアスター教がユダヤ教やキリスト教やマニ教や大乗仏教に影響を与えたと主張する仮説には問題がある、あるいは影響を与えていない」ということ自体を明確に主張している文献を提示しなければならないのです。しばらくたっても文献の提示がない場合、独自研究とみなして削除します。--toroia 2008年10月1日 (水) 09:42 (UTC)
- お返事がありませんでしたので、削除します。--toroia 2008年10月19日 (日) 08:53 (UTC)
私もこのwikipediaのゾロアスター教のページには非常に違和感を覚えます。wikipediaは個人の独自研究の発表の場ではありません。ゾロアスター教のページなのに、キリスト教や仏教と比較論評するのは百科事典としてのwikipediaにはふさわしくないでしょう。こういった独自研究の発表は個人ブログででもやってください。 また、参考文献の挙げ方にも問題があります。本文に関係のない参考文献は関連書籍としてならともかく列記すべきではないでしょう。独自研究とみなし、削除させていただきます。2010年5月27日
Toroiaさんへ
[編集]まず名乗ります。「ジンミー」とおよび下さい。Toroiaさんは、これまで「独自研究」とのことで、私の投稿を何度か削除されています。そのことに対するお返事をさせていただきます。
●Wikipedia初心者です。 Toroiaさんもお気づきのように、私はWikipedia初心者です。そのため、この「ノート」や「履歴」の存在自体も最近知りました。そのため、Toroiaさんが削除する事前に呼びかけしていただいていたことも当方は知らず、自分の投稿が削除されてからもしばらくしてからやっと気づくありさまです。また、現時点では投稿はすべて近所の漫画喫茶からしかできません。そのためIPアドレスについてもよくわからない現状です。
●独自研究について(1) 自分の書き方を振り返ってみて、確かに従来のWikipediaのスタイルとは違う書き方になってしまっているのは気づいていました。これから精進しますので、ご容赦ください。 さて、ですが内容自体は「独自研究」ではありません。書き方が独自研究のように見えてしまうのは、もともと私の考えが先にあり、後から同様の意見を言っている方の文献を見つけているからです。ですが、私の書き方は誤解を招くのようなので、今後極力訂正していきたいと思います。
ただこれは、Toroiaさんはじめ、みなさんに熟慮いただきたい興味深いことだと思います(少なくともこのゾロアスターの編集に関しては)。私は「ゾロアスター教はむしろキリスト教の影響を逆に受けている可能性がある」という着想を持っています。(そのこと自体は、『キリスト殺しの真相』(堀尾幸司著)の中でも語られていることです。とりあえず正規に出版されている文献ならば、独自研究ではないですよね?)。ここでのポイントは、私の着想は、他の人の影響を受けることなく自分でたどり着いている、ということです。私ごときのことを引き合いに出すのもなんですが、「似ているから影響を受けているはず」というのは、かなり危険な言い方かと。せいぜいのところは「その可能性がある」としか、なりません。そうならば、似ていることだけを唯一の論拠とする「ゾロアスター教は他宗教に影響をあたえたはず」というシナリオは、かなり危険な土台の上に成り立っているように見えます。しかも、後から経典が成立しているのだから、逆にゾロアスター教が影響を受けている可能性まであります。
●独自研究について(2) 実は、ゾロアスター教の研究の歴史自体が、「独自研究」そのもの、いや、そのレベルにさえ達しない中で続けられているのが現状です。比較的入手しやすいものでご紹介します。『宗祖ゾロアスター』(前田耕作著)などはいいまとめ方をしています。是非ごらんいただきたいです。
・18世紀、『百科全書』において、以下の記述があります。『百科全書』のグループは比較的、反キリスト教の立場にある人たちが多く、ゾロアスターを反キリストの武器にしたいという思惑がありました。そのような人たちでさえ、次のように告白しています。「全オリエントであれほど高名であったゾロアスターが、いったいいかなる人であったか明らかにしえた者はいない。その生地もその著作についても、憶測の域を出ない」。
・その後、『アヴェスター』が翻訳されます(1771年)。これは当時の人々に大きな落胆を与えました。ゾロアスターを偉大な人物と予想していた人たちは、このたび翻訳された『アヴェスター』が偽物であるとして、次のように憤慨しています。「あのゾロアスターのものとされる、どうしようもないがらくたの寄せ集め」。つまり、まったく期待はずれだったのです。その後60年間あまり、「この翻訳アヴェスターは偽物である」という論議が巻き起こります(そうとでも考えなければ、偉大なゾロアスターというイメージを守れなかったのです)。それでも最後は、「これは本物だ」と決着しました。
●ゾロアスターを過大評価しないために 歴史的には、「偉大な巨人ゾロアスター」という学説は18世紀の時点で、完全に葬られています。それは、反ゾロアスターの人々によるのではなく、むしろ親ゾロアスターの人々の過剰な期待に応えられなかった失望によるものです。しかしその後、ニーチェの影響やナチスの影響などもあり、ゾロアスターの幻影は再び息を吹き返します。ここで重要なことは、表面上は息を吹き返したゾロアスターなわけですが、歴史の過ちを再び起こしているということです。それは、「原典を読まないで憶測でものを語る」という過ちを、今でもしているということです。たとえば、ゾロアスターを高く評価する人は、古代ギリシャの文献などで紹介されるゾロアスターを引き合いに出します。しかし聖典『アヴェスター』(3世紀成立)や、ゾロアスター教版の百科全書『デーンカルト』(9世紀成立)の言葉をほとんど語らないということも、ままあります(また『アヴェスター』や『デーンカルト』などでさえ、キリスト教新約聖書の成立後のものです)。古代ギリシャ人が、どれほどゾロアスターの名を高く評価していても、わかるのはそこまでです。結局18世紀に『百科全書』が告白するように、ゾロアスターの直接の教えを検証しないまま、ただ憶測でみなものごとを言っているのです。唯一わかるのは、「ゾロアスターは有名だった」という一点です。
●次に削除される場合は 「ゾロアスター教が他宗教に影響を与えた」という説は、18世紀の時点で一度消えた学説です。そのため、それを復活させようとするのであれば、その主張をする人こそ、文献の出典や引用、それも経典からの直接の検証が要求されます。しかし不思議なもので、現在の日本ではいまだにゾロアスターの幻影が幅をきかせています(そのこと自体は興味深いことで、研究の対象にしてもよいほどでしょう)。ただし、Wikipediaの役割は学術的に正しいかどうかということにあるのではありません。一般的に世の中で言われている、(間違えも含んだ上での) 「常識」を検索するためのツールだとするのであれば、「幻影ゾロアスター」を紹介するのも、ひとつ意味があるのだと思います。
ただし、Wikipediaは、対立する考えがある場合、その双方に考慮した書き方をするものだと認識しています。「ゾロアスターは他宗教に影響を与えたかは疑問がある」(むしろ巨大に膨れ上がった幻影ゾロアスターは、いろいろと他宗教に影響を与えているでしょうが)との考えは、一度18世紀に決着したひとつの考え方として、今でも紹介するにたる考えかと思います。そこで、今後私が投稿した際に、「明らかにこれは『ジンミー』さんの独自研究である」と判断されない限り、「対立する意見の双方を紹介する」というスタイルでのぞんでいただきたいかと思います。また、本当に「ゾロアスターが他宗教に影響を与えた」と論じるためには、以下のハードルがあることをご理解ください。
①原典に直接当たること。・・・特にゾロアスター本人からの影響を語るのであれば、『ガーサー』から引用してください。 ②他宗教の影響を逆に受けた可能性を論駁すること。・・・『アヴェスター』(3世紀)も『デーンカルト』(9世紀)も、新約聖書の後に成立しています。もちろんこれらは一時期に成立したわけではなく、いくつかの部分はかなり古く、またいくつかの部分はかなり後期になって成立している内容でしょう。すると大層な苦労にはなりますが、少なくとも聖書成立以前に、「この部分は、すでにゾロアスターの教えの中で文書化されないながらも成立していた」と論証しなければなりません。それをしないうちは、「では聖書の影響をゾロアスターが受けたのですね」と言われる可能性は、いつまでも残ります。
ここで、究極のウルトラC。「18世紀に翻訳された『アヴェスター』は実は偽物だった。本物が新たに発見された」とでもなれば、偉大なゾロアスターが復活するかもしれません。
--61.112.173.84 2008年10月27日 (月) 04:10 (UTC)ジンミー
- こんにちは、ジンミーさん。私は比較神話学や悪魔学を通してゾロアスター教に興味を持った者です。あれこれ調べてみましたが、日本語になっている書籍は非常に少ないので、ジンミーさんの挙げられているいくつかの書籍はすでに読了済みです。なので、その点はご安心ください。また、むしろジンミーさんには、本項目に挙げられている参考文献をすべて読み通していただきたいと思います。
- さて内容の話に入りますが、『キリスト殺しの真相』を参照していらっしゃるとのこと。この著書は「アラム語はユダヤ人の言語だった」などと、全く西アジア言語の歴史のことも存じ上げないような著者によるものですし、出版元の文芸社は自費出版の大手でして素人でも出版することができる会社です。いくら読んでも著者が『アヴェスター』をまともに読んだ形跡は見られず、真っ先に本項目の参考文献として排除すべき書籍かと思われます。
- ゾロアスター教が他宗教に与えた影響ですが、ジンミーさんの認識とは異なり、ゾロアスター教研究が独自研究以下というのは、おそらく何もゾロアスター教関係の論文を読んでいないから言えることではないでしょうか。バンヴェニスト&ニョリの本、伊藤義教や青木健の著作や論文をご覧になりましたか? メアリー・ボイスは? ジョルジュ・デュメジル、スティグ・ヴィカンデル、ゲオ・ヴィーデングレンは? 以上の研究者はほんの一握りですが、みなアヴェスターを原語で読みこなせます。同様の能力がある日本人研究者も十数名はいるはずです。また、世界的な宗教学者ミルチャ・エリアーデが『世界宗教史』のゾロアスター教の章を書くに当たってどれほど多くの研究書や翻訳を参照できたかご存知ありませんか?
- 『アヴェスター』を原語で読めるような無数の学者たちがそれを否定している事実はありません。ジンミーさんも参考にしていらっしゃる青木健の最新刊『ゾロアスター教史』においても、かなり慎重な見方をしてはいますが、ユダヤ教やキリスト教、グノーシス主義などに与えたとされる影響の一覧が短いレビューとともにまとめられています。たとえば悪魔学については、ユダヤ教がゾロアスター教の影響を受けたというのは定説となっており、一例としてアスモデウスがある、とあります。ぜひご覧ください。また、半世紀近く前の論文になりますが、David WinstonのThe Iranian Component in the Bible, Apocrypha, and Qumran, History of Religions 5.2: 183-216なども参考になるかと。Winstonは『アヴェスター』などの経典のどこが出典と思われるのかについて行単位で細かく指摘しています。また、ごく近年のものでは私が追記したSundermannの論文も。ジンミーさんはおそらくそのような論文(原典を行単位まで指定して影響関係を論じる論文)を読まれたことがないのではないかと。
- アヴェスターがまとまったのはサーサーン朝期ですが、その「言語」内容はきわめて古いというのも定説です(新約聖書より古いというのは以前から論証されています)。この点については歴史言語学の難解な議論が中心になりますが、たとえば言語学と宗教学、神話学を絡めて論じるEmile Benveniste et Rouis LenouのVrtra et Vrthragnaなどは1930年代の著作ですが今なお引用されつづけている古典的名著です。年代決定についてはゾロアスター教ではなくアヴェスター語について調査なさったほうがよろしいかと。アヴェスター語の最古層であるガーサー語(「ガーサー」など)と、新しい部分である新層アヴェスター語(「ウィーデーウダード」など)の区別もなされています。もちろんいくら新しいと言っても、年代は紀元前ですが。ちなみにアヴェスターなどはデュペロン以降も19世紀末の記念碑的なウェスト訳、近年のヘルムート・フンバッハ訳など無数の翻訳が出ていて、現在でも研究が進んでいるので新しい翻訳が出版されています。お探しください。
--toroia 2008年10月27日 (月) 10:49 (UTC)
●Toroiaさんへ。ジンミーより。 こんにちは、Toroiaさん。
こんなにお早いお返事があるとは、感謝します。そして何よりも感謝すべきは、この「ノート」のページの存在ですね。本文では、「投稿」と「削除」をお互いにやりあうしかないわけですが、ここでならば、「質問」や「意見」などもできるという仕組みですか・・・。このwikipediaは、本当によくできていますね。(ところで、私の方から書き込みをしたことを今後Toroiaさんにお知らせするには、どうすればいいでしょうか。毎回、Toroiaさんのページに書くのも何ですよね。初心者ですみません)
さて、Toroiaさんは、いろいろな文献に造詣が深いようですので、素直に先達に聞いていきたいと思います。(ちなみに私のゾロアスター教に関して所蔵している資料は、今のところ『ゾロアスター教』青木健、『宗祖ゾロアスター』前田耕作、『ゾロアスター教論考』バンヴェニスト&ニョリです)。
「もっと文献をよめよ」とのご指摘、至極当然のことです。これをわきまえ、さらに研究を進めていきます。しかし時間が限られているため、優先順位をつけたいと思うのです。さしあたって、Toroiaさんのご存知の文献の中で、以下の疑問を解決するのに、有効な文献があればご紹介いただきたいと思います。
●ミスラ教についての、本当に素朴な、でも誰も答えてくれない疑問
以前も「本文」で書きましたが、ミスラ教については本当にありえないぐらい意味がわかりません。すでにToroiaさんもご存知の内容ばかりで冗長になるかとは思いますが、聞いてやってください。まったくもって混乱しています。誰かまともに取り上げてくれている人はいるのでしょうか。
①ミスラ神は、ゾロアスターの出生以前から、アーリア人の古代宗教の中で信仰されてきた。かなり人気があった。
②ゾロアスターは、数ある神々をさしおいて、アフラ・マズダーを最高神とする、宗教改革を行った。
③ミスラ神は、ゾロアスター教の中では、中級位の神(ヤザダ)になった。
④当然のように、ゾロアスター教の影響が強い地域では、ミスラ信仰は衰退する。
以上のことは、Toroiaさんのお持ちの文献でも確認できますので、すでにご存知かと思います。これを踏まえたうえで、「ゾロアスター教のミスラ神が、弥勒信仰に影響を与えた」との論を見てみると、何がどうしてそうなったのか、まったく見当もつかないわけです。wikipediaの「ヤザダ」の項目にあるとおり、これはぶっちゃけ多神教時代の影響が残っているわけです。順番を整理します。
「古代インド・イランの多神教のひとつのであるミスラ」→「ゾロアスターがアフラ・マズダを最高神とする」→「それでも人々の間にしぶとく残ったミスラ神を仕方なく取り入れる」
では、ゾロアスター本人が聞いたら、どうでしょう。「ゾロアスター教がミスラ神を広めて弥勒信仰に影響?」…ショックで立ち直れないでしょうね。せっかくアフラ・マズダーを最高神としたのに、世界に広まったのは、アフラ・マズダーではなく、それよりも低級なはずのミスラであるとは。さらに「ゾロアスター教の影響で」などと言われたら、「私はそんなことは教えていない」と激怒するでしょう。さて、ここからは独自研究です(「本文」ではないですから、いいですよね)。
ミスラを排斥したはずなのに、ミスラの方が広がり、しかも「ゾロアスター教の影響」と後世の学者が口走ってしまったのは、次のような流れがあったと推測します。
「ゾロアスター教にはミスラ神がいる」→「仏教の弥勒はミスラ神の影響があるらしい」→「ゾロアスター教が仏教の弥勒信仰に影響した」
一見、もっともかと思うこの論理が、問題が山積みです。繰り返しますが、ゾロアスターはミスラの地位を「低く」したのです。ゾロアスターの教えに忠実ならば、ミスラ神への信仰は弱体化するはずですし、現実にそうなりました。そう、そして致命的なことは、ゾロアスターの誕生以前に、すでにミスラ神への信仰があったことを見落としている点です。しかし、「ゾロアスター教」と「仏教」『しか』、見ていないならば、そう見えても仕方がないことでしょう。正確には、次のとおりです。
「もともとミスラ神がいる」→(「ゾロアスター教的に、多少味付けがされた?」)→「アフラ・マズターをさしおいて、近隣に伝播」→「弥勒誕生」
でも、これって、そもそも「ゾロアスター教の影響」って言うの? ゾロアスター関係なく、もともといた神じゃん・・・。
以上、長くなりましたが、この素朴な疑問にきちんと取り組んでいる専門家の方がいたら、ご紹介いただきたいのです。私は、自分の論に対して、「そんなはずはない」と、きちんと「証拠」と「論理」をもって反論してくれる人を待ち望んでいます。そして、「さすが、専門に研究されている方は違う!!」と、その方に賞賛を送りたいのです。そんな人に出会いたい一心で研究を続けていますが、まだまだ不勉強のゆえか、残念ながら出会えていません。
悪魔学を入り口にされているToroiaさんならば、よくお分かりだと思いますが、権威ある人の発言は、そのすべてが根拠や明確な論理をもったものではありません(当たり前ですね)。人の権威とは、はかないものです。特にゾロアスター教の研究の歴史はひどいものです。少なくとも18世紀まで原典を見ないままに権威者が「ゾロアスターはモーゼを超える律法者だ」とか「カトリックの基盤はゾロアスターにある」などと無責任に発言してきました。(さらに『アヴェスター』が翻訳された後は、「こんなのは偽物だ。こんな内容のはずはない」とわめきちらす騒ぎです)。
ミスラ神以外にも、ゾロアスター教の他宗教への影響については怪しいことは満載です。ですが、とりあずこのミスラ神の問題にきちんと取り組んでいる人ならば、ジンミーも優先的に読みたいです。もし、Toroiaさんがご存知なければ、残念ですが地道に探します・・・。 --61.112.173.83 2008年10月28日 (火) 20:47 (UTC)ジンミー
- ジンミーさんは「他宗教への影響」という言葉をかなり限定的に使っているのだと思います。たとえばゾロアスター教にとっては「ガーサー」のみならずおそらくアケメネス朝時代に展開された「ヤシュト」の神学もまたそのシステムのうちに含まれるものですし、また青木健らが指摘しているように、ゾロアスター教とその他のイラン的宗教の境界は曖昧なものです。また、教祖の教え(とされるもの)とその後展開された教義がかなり異なっているのも宗教史上一般的なことで、代表として仏教とキリスト教の二つをあげておきましょう。たとえば日本の宗教にいわゆる仏教が与えた影響は計り知れないものですが、いずれの影響もお釈迦様本人なら「私はそんなことは教えていない」と激怒(?)するでしょう。
- さて、ミスラ神については、そもそも古代の資料が、ほぼゾロアスター教によるものだけです。ザラスシュトラによる宗教改革以前のミスラについては、せいぜいインドのミトラ神と比較学的に考証するか、アルメニアやバクトリア、ソグドなどイラン周縁部に見つかる比較的後世の資料から推測するしかありません。そしてミトラと弥勒菩薩の共通点として挙げられるのは一つに「名称」、一つに「救済思想」ですが、後者についてはゾロアスター教以前の宗教には(おそらく)見出されないもので、だからインド-イランのミトラ神がゾロアスター教を経由して大乗仏教に入っていったという推測がなされているわけです。ただし、ゾロアスター教よりは時代を下るプラーナ時代のインドでも救済思想を見出すことはできるので、影響関係を否定的に考えることもできます。はっきりいってこのあたりについては「定説」はありませんし、青木健のような学者はそのことを明記しています。決してジンミーさんだけが孤立しているわけではありません。
- ところで、弥勒菩薩はサンスクリットではマイトレーヤとなりますが、マイトレーヤとミロクでは音があまり似ていません。このことについて定方晟は論文を書いていて、それによればイラン系バクトリア語のミイロmiiroというミトラ系の太陽神を経由しているのではないかという推測をしています。彼の論文など比較的参考になるのではないでしょうか(「ミイロと弥勒」『東海大学文学部紀要』35(1981):45-55)?
- ミスラも含めた全般的な仏教への影響については、岡田明憲『ゾロアスターの神秘思想』の東西宗教への影響の章にある程度詳しく書かれています。また、ミスラではないですが、詳細を極めた比較としては伊藤義教が『ゾロアスター研究』のうち一章を割いて論証しようとしています。--toroia 2008年10月31日 (金) 15:37 (UTC)
メアリー・ボイスについて
[編集]こんにちは。ジンミーです。Toroiaさんに言われて、いろいろ文献を読んでいます。勉強になります。Toroiaさん、ありがとうございます。
さて、ゾロアスター教の政治への影響ですが、本文にあるように、他宗教への影響とリンクさせて論じる研究者が多いようです。たとえば、メアリー・ボイスは、「アケメネス朝のキュロス王が、ゾロアスター教の信仰をもっていた」「キュロス王によりバビロンから解放されたユダヤ人がゾロアスター教から救世主信仰を取り入れた」という持論を展開しています。
ところで、彼女は自分の著書の中で、持論を危うくさせるようなことを多く書いています。そして、おそらく自分で気づいていません。つまり、彼女はそのすぐれた言語能力で多くの情報を集めることには長けているのですが、それぞれの情報をつなげることには困難を覚えているようです。彼女の本を読んで導かれることには、たとえば次のようなものがあります。
①キュロス王の火の祭壇はゾロアスター教でなくても説明ができてしまう(彼女自身が、「キュロス王がゾロアスター信者でした」と意気揚揚と紹介している火の祭壇の写真があります。しかし、彼女は別のページで「ゾロアスター以前に、イランの宗教では火と水を神聖なものとして祭儀を行っていた」と書きます)。
②キュロス王の子供はゾロアスター教徒ではなかった。(キュロスの子供のカンビュセスは、自分の妹と結婚をする際、臣下に「そのようなことは前例がありません」と言われています。妹や母親など、近親者を妻とする最近新婚は、ゾロアスター教で奨励されているはずなのに…。なんと、このエピソードを、メアリー・ボイス自身が何の説明も加えずに自分の著書の中で紹介しています。つまり彼女はそのことによって自説が危険にさらされることに気付いていないのです。)
③キュロス王がバビロンから解放する、まさにその年にゾロアスターが啓示を受けたとする説が紹介されている。(これはセレウコス朝時代のゾロアスター教徒が、そう信じていたというエピソードを、彼女が紹介しているのです。当然ですが、この場合、「ゾロアスターの救世主思想」→「ゾロアスター教の信仰をもつキュロスによるユダヤ人解放」→「ユダヤ教が尊敬の念から救世主思想を取り入れる」という、彼女のシナリオは崩壊します)。
メアリー・ボイスは、最初から最後まで「ゾロアスター教は国教であったし、他の宗教にも大きな影響を与えた」と主張しつづけます。ところが、彼女が紹介する資料の中には、それを裏付けないばかりか、反論に利用されても仕方のないことも多くでてきます。おかげでわたくしジンミーとしては、彼女の著書を読むことによって、何ら自分の考えを変更する必要はありませんでした。むしろ「そうか。メアリー・ボイスでさえも、○○を認めているのか」という部分が面白かったわけです。彼女は著書で次のように書いています。「ゾロアスターの影響力はかなり大きなものであったとする考えと、ほとんど影響がなかったとの考えが、現在のゾロアスター教徒たちの中でさえもある」。
・・・普通であれば、「いろいろ意見もあるが、ゾロアスター教の影響が強かったと考えられる理由には○○がある」と続くはずです。しかし、不可解なのは、彼女はあたかも自分で書いたことに自分で気づいていないかのように、何の論証もせずに「ゾロアスターは影響が強かった」と何度も繰り返します。ここで何かしらの教訓をえるとしたら、次のようなことになるでしょう。
「えらい学者でさえも、論拠もなしに、自説をただ強弁することもある」
いま、ジンミーは彼女の著書の「資料」の部分と「主張」の部分を分ける作業を地味に行っています。そして「資料」の部分だけを並べたとき、おそらく彼女の主張とは全く別の論ができあがることを予想しています。メアリー・ボイスはかなりの要注意人物です。引用する場合は、彼女の主張とその論拠としている資料をきちんと確認しなければなりません。
補足…。P・R・ハーツもかなり危険ですね。著書『ゾロアスター教』では、彼はメアリー・ボイス同様、「ゾロアスター教は非常に影響力が強かった」と論じています。ところが面白いことに、訳者である奥西俊介は、「訳者あとがき」において著者の行き過ぎに対して反論をしています。面白いので、そのまま以下に紹介します。これが同じ本の「本文」と「あとがき」にあることは、ゾロアスターの研究が未だ諸説が入り乱れていることを象徴しているようです。次は、アケメネス朝のダリウス1世が、ゾロアスター教徒であったかどうかという一節から。
●著者ハーツの意見 「ダリウスがゾロアスター教徒であったことには証拠がある。ペルセポリスの宮殿には有翼のフラワシ、あるいはアフラ・マズダーのシンボルが浮き彫りされている。ペルセポリスの遺跡には、火の寺院であったと伝えられる建築物もある。さらに、ダリウスの治世に造刻された碑文には、王の統治がアフラ・マズダーの恩寵によるものだと述べられている」(P.59)
●訳者奥西の意見 「現在のゾロアスター教徒がフラワシの像とし、自分たちの象徴にしている有翼円盤人物像も、研究者の多くは、アフラ・マズダーの像だとする。この像はアケメネス朝ペルシァの遺跡に見られる。しかし、同王朝の事実上の開祖ダリウス一世がマズダー信者であったことは確実だが、ゾロアスター教徒であったかどうかは明白ではない。同王朝の古代ペルシァ語の碑文にはザテスシュトラの名前は一度も現れない。聖なる火の壇であったと言われる遺跡は、いくつもあるが、そうだという証拠はどこにもない。」(訳者・奥西峻介「役者あとがき」P.171~172より)
--61.112.173.84 2008年12月15日 (月) 04:33 (UTC)ジンミー
メアリー・ボイスの不思議な世界
[編集]こんにちは。ジンミーです。では、皆さんにメアリー・ボイスの不思議な世界を紹介しましょう。
これは、いわゆる「とんでも本」なのでは?「と学会」に紹介したいです。
文献…『ゾロアスター教』
著者の立場…とにかく、何がなんでもゾロアスター教は絶大な影響をもっていた
テーマ…アケメネス朝はゾロアスター信仰を持っていたか
以下、対話形式で。
メアリー「キュロス王のゾロアスター信仰には、『明白な証拠』(P.73)があります。都バサルガダエには火の祭壇がありました。ここでゾロアスター教の祈りを日々行っていたのです」
ジンミー「おかしいですね。火の祭壇については、あなたはご自身の著書の中で、否定的な情報を提示していますが。①ゾロアスター教以前から、火は祭儀の対象だった[1](P.7)。②考古学的な資料として、火の祭壇はアケメネス朝には存在しない[2](P.67、P.124)。③キュロスは自分の信仰について何も碑文に残していない。[3](P.72)。④ゾロアスターはキュロスがバビロンからユダヤ人を解放した同じ年に啓示を受けたと、セレウコス朝時代のゾロアスター教徒は信じていた[4]。(P.133)」
メアリー「ああ、そうだったかも知れません。まあ、それはともかくキュロスの次の王であるカンビュセスは確実にゾロアスター教徒です。何せ、彼は妹を妻としましたから。これはゾロアスター教で奨励されている近親婚「フワエートワダサ」です(P.77)。」
ジンミー「あなたは、こうも書いていますよね。カンビュセスが法官に結婚の是非を問うたとき、「そのような法律は見当たらない」と答えたということを[5](P.77~78)。百歩譲ってカンビュセスがゾロアスター教徒だったとしても、それ以前に近親婚が認められていないのであれば、少なくともカンビュセスの父であるキュロスはゾロアスター教徒ではなかったのではないですか。」
メアリー「……ああ、そうだ。まあそれはともかくとして、次のダリウス王は絶対にゾロアスター教徒です。これはもう間違いない。何せ碑文で、アフラ・マズダーを称えていますから(P.79)。これ確実です」
ジンミー「そうですね。確かにアフラ・マズダーを称えています。ところで、あなたの著書によるとアフラ・マズダーは、ゾロアスター以前からイラン人に信仰されていた神ですよね[6]。(P.14~15)。だからアフラ・マズダー崇拝だけではゾロアスター教徒とは言えないですよね。あなたの著書によると、ゾロアスター教徒と他の宗教を区別する点は、「ゾロアスターを信奉する」という信仰告白があるかどうかですね[7](P.50-52)。それなら、ダリウスがゾロアスターを信奉する告白をどこかでしているのでしょうか。あなたの著書にこうあります。そのような証拠は何一つない、と。[8](P.82)。」
メアリー「なんとも不思議なことです。」
ジンミー「もしかしたら、あなたの前提としていることが間違っているのではないですか。これは「不思議」とか、「大いなる謎」であったり、「歴史のミステリー」などと呼ぶようなことではなく、単なる矛盾なのではないでしょうか。メアリーさん、まずはあなた自身が自分の著書をもう一度しっかり読み直すことをお勧めします。」
--122.214.225.2 2008年12月18日 (木) 02:15 (UTC)ジンミー
引用・注
[編集]- ^ 「(水以外に)もう一つ祭儀の主たる対象は火で、ステップ地帯の住民の生活にとっては不可欠のものであった。火は寒さの厳しい冬には暖をとる源であったし、彼らの主食である肉を料理する手段でもあった。火をおこすのに非常に手間がかかった時代では、かまどの火をいつも絶やさないでおくのが賢明なことであった(火種は移動の際には、壺で運ばれた)。そのため、燃え続ける火の祭儀は、その炎の中に神を見た印欧語族に広く行きわたっていたようである。(中略) 火と水に供物をすることは、イラン人は『ヤスナ(yasna)』、インド人は「ヤジュナ(yajna)」(動詞語根「ヤズ(yaz)=供犠をする、礼拝する」から派生)と呼ぶ、日々の、祭司による礼拝式の基礎をなしていた。」(P.7「ゾロアスター以前の宗教」より)「イラン人の祭司は、いずれかの神々にむけて礼拝式を捧げたが、(火と水にきまった供物を捧げるという)儀礼そのものは、いつも同じであったとみられる」(P.18「ゾロアスター以前の宗教」より)
- ^ 「初期のゾロアスター教は、このように聖なる建物や固定した祭壇を必要としなかったので、考古学者のためには何の痕跡も残していない」(P.67)「(アケメネス朝、セレウコス朝に続く)パルティア時代には、聖なる火に仕えたことの最も古い記述があるばかりでなく、実際に火の寺院だと認められる最古の遺跡が残っている」(P.124)
- ^ 「キュロス自身は、パールス北部パサルガダエの壮麗な新都にある石に刻まれた短い碑文だけしか残しておらず、これらの碑文には彼の宗教的信念を表明するものは何も含まれていない」(P.72)
- ^ 「彼ら(=セレウコス朝時代のペルシャ本土の祭司たち)は、記録を書いて保存する慣習を長らく有していた隣人のバビロニア人に目を向けた。(ゾロアスター)教徒たちは、彼ら(=バビロニア人)から、ペルシア人の歴史上の重要な事件が「アレクサンダー紀元」つまり前三一一年より二二八年前に起こったと学んだようである。この事件とは、前五三九年のキュロスによるバビロン征服で、バビロニア人にとってはたいへん重大な出来事であった。しかしペルシア人祭司たちは、この重要事件を、明らかに彼らにとっては世界を変えた事件である預言者に啓示がくだったことだと再解釈し、ゾロアスターはこの啓示を三十歳で受けたとされていたので、「アレクサンダー以前」二五八年、つまり前五六九年に彼は生まれたという計算にたどりついた」(P.133)
- ^ 「ヘロドトスによれば、彼が姉妹のうち一人と恋におちて結婚しようとした時、「自分の望みがペルシアの慣習に反していると知っていたので、王附きの法官を呼んで、姉妹を妻にすることを望む者にはそれを是認するような法律があるかと下問した……法官たちは、法にも背かずまた自分たち身にも危害の及ばぬような答えをした。つまり兄弟と姉妹の結婚を認める法律は見当たらないが、それとは別に、ペルシアの王はその望むところを行って差し支えないという法律があると答えのである」。その結果、カンビュセスはまず姉妹の一人、次にもう一人と結婚した」(P.77~78)
- ^ 「両神とも(火の神ミスラと、水の神ヴァルナ)、『アヴェスタ』では「主」を意味する「アフラ(ahura)」--- サンスクリット語の「アスラ(asura)」---の称号を付された。この二神の強力な存在に祈願する神判(たとえば、被疑者を火の間に走らせ生きていれば無罪の宣告をする等)は、明らかに甚だ危険なものであったから、歴史以前にも王もしくは地域共同体の指導者らがその神判を行うかどうかを決定するとされていた。そして法の知識をもった賢明な祭司の姿は、『アヴェスタ』の叡智の主、「主」の三番目で最も偉大な神であるアフラ・マズダーの観念の起源であったと思われる。この神は高遠な存在で、同胞的な双神であるミスラとアポンム・ナパート(=ヴァルナの『アヴェスタ』の中での名称)よりはるかに高い地位を占め、彼らの活動を指示・支配した。またいかなる自然現象とも結びつかず、叡智の力を顕現したもので、人間ばかりでなく神々のすべての行動も統制すると考えられた。(アフラ・マズダーは)『リグ・ヴェーダ』では単に「アスラ(Asura)=主」として知られていたようで、ある詩句では、この二柱(火の神ミスラと水の神ヴァルナ)の下位の「主」は、次のような言葉で語りかけられている。『あなたたち二神は、アスラの超自然的力を通して空に雨を降らせる。…あなたたち二神は、アスラの超自然的力を通して、あなたたちの法を守る。リタ(=自然の法則)を通して宇宙を支配する』(「リグ・ヴェーダ」5:6,3:7)。三柱の「主」は、ともに非常に倫理的な存在で、アシャ(=イランでの自然の法則の呼び名)/リタ(=同インドでの呼び名)を擁護しつつ自らもこれに従う。これらの高度な観念は、原インド・イラン語族が早くも石器時代に発展させたものであり、彼らの子孫の宗教に深く織り込まれている」(「ゾロアスター以前の宗教」P.14~15より)
- ^ 「毎日唱えられるゾロアスター教の信仰告白「フラワラーネ」は、この初期の困難な時代に形づくられたとみられ、その時新改宗者の各々に要求された信仰の宣言であったと考えられる。古いテキストは以下のように始まる(ヤスナ12:1)。「私は自ら、マズダーの礼拝者であり、ゾロアスターの信奉者であり、ダエーワ(好戦的で不道徳な神)を拒否し、アフラの教義を受け入れることを告白します。アムシャ・スプンタ(=「聖なる不死者」の意味。特にアフラ・マズダーが創造した六つ偉大な存在を指すことが多い)を礼拝します。善にして宝にみちたアフラ・マズダーに、すべての良きものを帰させます。」(中略)ガーサー語を引用したあと、テキストは次のように続く。(中略)「マズダー礼拝者でありゾロアスター教徒である私は、ダエーワの仲間を絶つことを誓う。(後略)」」(P.50-52)
- ^ 「すべての証拠が、彼ら(=アケメネス朝の王たち)が正統派であったことを示しているのにもかかわらず、奇妙なことにゾロアスター自身の名は、いかなるアケメネス朝碑文にもでてこない」(P.82)
※注のタグが、無かったので付けときました。メアリー・ボイス「ゾロアスター教」、本年に文庫再刊されるまで、ネットでの古書価格も高く、部外者ながら学術書として、最も信頼評価されているのかと思ってましたが、色々批判も含め論議・問題がある研究なのだと初めて知りました。単行版を人に頼まれ(その人は、ボロボロになるまで読んでいたので、買いなおしを依頼されました)、数年前に古書市で半額近くで買ったので、強く記憶にありました。余計な事でしょうが、編集しました。ご了承願います--61.26.155.51 2010年9月13日 (月) 09:31 (UTC) 。
分割提案
[編集]インドのゾロアスター教を分割して、パールシーにするべきです。今後加筆予定で、大きくなるので。このような記事にします。--RHDIA 2010年9月1日 (水) 13:54 (UTC)
- 会話ページにお報せをいただきました。分割の件、賛成です。なお「パールシー」と同様に、ここへのリダイレクトページになっている「パールスィー」も併せて処置すべきでしょう。「パールシー」へのリダイレクトに書き換え、で良いと思います。--死郎 2010年9月12日 (日) 07:48 (UTC)
反対意見がないので分割しました。--RHDIA 2010年9月16日 (木) 13:58 (UTC)
脚注について
[編集]2013.3.4現在の脚注7 吉村(1975)pp.131-1357ですがpp.131-135もしくはpp.131-137ではないですか?--ぱたごん(会話) 2013年3月4日 (月) 13:26 (UTC)