ノート:コメット連続墜落事故
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日付 | 選考・審査 | 結果 | |
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1. | 2007年5月20日 | 第参回執筆コンテスト | 良質な記事自動選出 |
2. | 2020年4月30日 | 良質な記事の再選考 | 除去 |
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チャーチルの発言について
[編集]時の英国首相ウィンストン・チャーチルが「イングランド銀行の金庫が空になっても構わない」として事故の徹底解明を命じた、とするこの記事内での記述は、本記事を2007年3月8日に立項した利用者:Carpkazu(会話 / 投稿記録 / 記録)さんが、同年3月14日14:11の編集[1]で追加されたものです。いかにもあのチャーチルが発言しそうな激励表現のように見えるので、その後、相当あちこちに引用されてしまっているようです。
しかし英語版「en:De Havilland Comet」の最新版・2013年5月25日11:24版に引用されている、1954年のチャーチル発言は次の通りでした。 "The cost of solving the Comet mystery must be reckoned neither in money nor in manpower." 要旨は、事件解明のためには費用・人員を惜しむなということですが、イングランド銀行の金庫云々の誇張表現は見当たりませんでした。 2007年当時の日本語版Wikipediaは図書もしくは論文を参考文献として提示すべきとする論調がまだ弱く、編集当時の版に置かれていた日本語外部リンク2件、英語外部リンク2件はチャーチルの該当発言が見当たらないか、すでにリンク切れになっていました。
編集者のCarpkazuさんは2010年に活動を停止しており、質問の手段はなさそうです。そこで、Googleで1995年1月1日から2007年3月13日まで日本語での期間限定検索「"イングランド銀行" チャーチル コメット」を試みました。12年の範囲で実質わずか4件かかっただけでした。
これを見ると、微妙な印象です。菊池洋司氏の1998年8月25日付のメールマガジン「航空機事故史 0002」[2](2002年に記録)に、最初にチャーチルのイングランド銀行発言が出てきます。続いて「未来技術懇談会」の2002年3月12日に開催された第2回会議議事録で、「失敗学」の方面で著名な畑村洋太郎氏が講話し、リバティ船破損、タコマナローズ橋崩落と並べてコメットの件を語る中でイングランド銀行云々が出てきます。続いて2004年10月に個人の方のブログでの言及、そして2004年12月の「横田英史の読書コーナー」での言及[3]です。最後の横田氏の発言は、2004年11月30日発行の『ヒューマンエラーの科学~なぜ起こるか、どう防ぐか、医療・交通・産業事故』(大山正、丸山康則編 麗澤大学出版会)についての退屈云々という評の中に囲み記事の一つとしてチャーチルのイングランド銀行発言がでてきている、という具合です。
一方「Churchill Comet "Bank of England"」などで検索してもそれらしい発言は出てこない。またチャーチルの名台詞のようなものが英語版ウィキペディアのコメット関係記事で記録されないというのも考えにくいと思われます。チャーチルがコメット事故の徹底解明を指示したのは間違いなさそうですが、日本にその逸話が伝えられた後に、オーバーな脚色がされたのではないか、と疑います。畑村洋太郎氏の発言と、上記の日本語検索で出てくる『ヒューマンエラーの科学』の囲み記事ぐらいでは、いささか典拠として心もとないのではないでしょうか。
結局、チャーチルのものとされる台詞が削られたところで、コメット事故そのものの本質的な重要性をいささかも削ぐものではない、と考え、いったん件の台詞を除去編集いたしました。--佐伯(会話) 2013年6月2日 (日) 07:27 (UTC)