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ノート:アンティフォナ

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記事名に関する議論提起(西方教会に偏っているのでは)

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この項目名にも項目自体にも疑問があります。

  • 正教会ではアンティフォンと呼んでいます。現在もそれぞれの教区の礼拝で用いられており、現実の生活にねざして使われている名称です。それをおいて、こちらの名称を項目名とすることには疑問があります。
  • また、東西教会に共通なものを、西独自のものであるようにかくことにも強い疑問を感じます。--Aphaia 2006年3月13日 (月) 09:24 (UTC)[返信]

「アンティフォナ」の用例

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正直アンティフォナに関してこのような意見を述べる方がいて興味深いです。というか不思議ですらあります。
まずアンティフォナの項目名自体について手元にある図書から順不同に調べてみましょう。
  • 研究社 「羅和辞典」:antiphona 応答頌歌、交誦  /ことさら難しい漢字を使用していますが応答頌歌はレスポンソリウムのことなので間違いですね。交誦の方は正しいでしょう。そしてantiphonというラテン語はありません。
  • カトリック中央協議会 「ミサ典礼書の総則と典礼暦年の一般原則」索引:交唱 Antiphona /こちらは索引のみ、本文には和訳の「交唱」が使用されています。
  • 音楽之友社 相良憲昭著「音楽史の中のミサ曲」: アンティフォナ / これは全文を通してアンティフォナと書かれています。
  • 春秋社 ヨハンネス・デ・グロケイオ著 皆川達夫監修「音楽論」: アンティフォナ / ま当然でしょう。
  • 白水社 ジャン・ド・ヴァロワ著 水島良雄訳「グレゴリオ聖歌」: アンティフォナ /これも全文を通して使用。
  • 音楽之友社 グラウト/パリスカ「新西洋音楽史」上巻: アンティフォーナ(交唱歌)antiphon [(ラ)antiphona ←(ギ)αντιφωνος (antiphonos) アンティフォーノス "対(して)唱(う)的"] /もともと英語の本なので、アンティフォナに対して先に英語が来ています。しかしラテン語も明記されてそれが本来使用されている事を示していますね。これは良く書かれていますね。
  • 東海大学出版会「中世社会の音楽」第2章より「ローマ式典礼ーミサ」:交唱(ルビで「アンティフォナ」)antiphona (antiphon) 英語が併記されています。
  • 音楽之友社 J.マッキノン編「西洋音楽の曙」:アンティフォナ antiphona /全文にわたってカナ表記使用。なお"antiphona"は索引に書かれているのを見つけました。本文中では探しきれませんでした。
  • ショパン社 三ヶ尻正著「ミサ曲 ラテン語・教会音楽ハンドブック」第6章「ミサ曲以外のラテン語の教会音楽」:交唱(アンティフォナ) /やっと見つけました
  • 教文館 J.ハーパー著「中世キリスト教の典礼と音楽」:アンティフォナ Antiphon /ふむ、カナはラテン語読みなのに英語しか併記されていません。
  • 白水社 U.ミヒェルス編 角倉一郎監修「図解音楽事典」事項索引:アンティフォナ「聖歌」antiphon
図書に関してはこんなところでしょうか。以上において日本語ではアンティフォンという表記は出てきません。英語のantiphonで表記されているのもありますが、それを言ったらフランス語ではantienneですよ。元々カトリック教会は第2ヴァティカン公会議まで典礼はラテン語が義務付けられていましたから、アンティフォナの方が正式でしょうねえ。。。。
ちなみにWEBではカソリック・エンサイクロペディア(これもニューヨークなので英語表記が巾をきかせていますが)のAntiphonの項
こちらも参考にして下さい。ラテン語表記も書かれています。

東西教会での別表記について

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次に東西教会に関してはおっしゃる通りなんだろうと思いますが、東方教会に関しては私は全く知らないのですから無視も何もないわけで、東方教会において同じくラテン語のアンティフォナと言うのかどうかさえ知りません。もしも同じ言い方をするならばこの項目に付加するなり修正するなりすれば良い事で、また違う言い方をするならば新たな項目を立ち上げるなりすれば良い事でしょう。少なくともカトリックの聖歌としては誤ってはいないわけですから、東方教会について書きたければその方が書けば良い事です。あなたの言い分ではお前の書いている事はおかしいとだけ述べているようにしか受け止められません。少しも建設的ではないです。
--Rp21 2006年3月13日 (月) 16:03 (UTC)[返信]
追記です。正教会というあなたの言葉を良く理解していませんでした。これは東方正教会のことですね。アンティフォンという言葉は何語でしょうか?ギリシア語?ロシア語?事程かように私は東方教会について知らないのです。
--Rp21 2006年3月14日 (火) 04:41 (UTC)[返信]

正教会における用例

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アンティフォンが何語かというご質問ですが、日本語です。日本ハリストス正教会ではそう呼んでいます。

蛇足になりますが、アンティフォンは原語がギリシア語であることに示されるとおりそもそも東方典礼に由来する聖歌ですので、ラテン語でどう、というような考証は二次的なものであるように思います。ギリシア起源であるものをあえてラテン語で呼ぶというのもまたどのような妥当性があるのかなと思います。またラテン典礼に限ってもDies Irae の項目名が「怒りの日」、別のものはラテン語と、統一性がなく、それもどうかなと思います。さらにWikipediaの方針である「正式な名称」という観点からいえば、すくなくともラテン典礼に固有なものは日本のカトリック教会が現在採用している名称が望ましいようにも思います。--Aphaia 2006年3月14日 (火) 10:55 (UTC)[返信]

私は原語を聞いただけです。
さて結局のところあなたはその宗教上の観点から、西欧音楽の日本での学術用語である「アンティフォナ」という言葉を否定されている。そして、少なくとも1000年そう呼ばれて来た西欧文化に対しても「ギリシア起源であるものをあえてラテン語で呼ぶというのもまたどのような妥当性があるのかなと思います」という、単なるあなたの個人的な見解で否定されようとしている。そう受け取りました。いやすこぶる傲慢で暴論といえます。
「怒りの日」に関しては私の記事ではないですし、今始めて知った訳ですが、私の観点から言えばディエス・イーレで書こうと思っていました。どちらにするかは今後の課題としてそちらで議論すれば宜しいかと思います。--Rp21 2006年3月14日 (火) 13:56 (UTC)[返信]

ギリシャ語

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ちょっと調べてみました。ビザンチン聖歌つまりギリシア正教の聖歌では αντιφωνον 日本語発音ではアンティフォノンですね。歌という単語はφωνονフォノンですか。
ちなみに Αντιφων アンティフォン は弁論者であった人の名前だそうです。
御参考までに [アメリカのギリシア正教のHPに書かれている箇所]
(最初の ΤΑ ΑΝΤΙΦΩΝΑ ΜΕΓΑΛΗ ΣΥΝΑΠΤΗ の「アンティフォナ」は変化形でしょうからこれは置いといて、次から ΤΟ ΠΡΩΤΟΝ ΑΝΤΙΦΩΝΟΝ というように書かれています。
またカソリック・エンサイクロペディアの方にもantiphononで出てますので良かったら確認してください。
どうやらあなたのおっしゃられるアンティフォン の原語がギリシア語というのは違うんじゃないんですか?ロシア語ではどういうんだろう。また調べます。
--Rp21 2006年3月15日 (水) 09:52 (UTC)[返信]
白水社の図解音楽事典(上掲)を調べていて面白い事が分かりました。このP181の「初期キリスト教聖歌の歌唱法」ではギリシア語のΑΝΤΙΦΩΝΑが語源だと述べています。「アンティフォナ」はラテン語起源かと思っていましたが、この記述が正しいならばラテン語はギリシア語発音をそのまま受けついでいたという事になります。そうすると上記の ΤΑ ΑΝΤΙΦΩΝΑ ΜΕΓΑΛΗ ΣΥΝΑΠΤΗ のアンティフォナは変化形なんかではないということですか。(正しい記述かどうかは別にして、ウィキ英語版のアンセムの項目en:Anthemにもαντιφωναがしっかりと記述されています。)
--Rp21 2006年3月15日 (水) 12:31 (UTC)[返信]

ロシア語

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ロシア語では антифон 日本語発音で「アンティフォン」だと判りました。
参考:[ロシア正教音楽のHPから]
「聖金曜日のための朝の祈り」のCDの曲目一覧が載っていますのでご確認下さい。
また、チャイコフスキーの「聖ヨハネス・クリュソストムスの典礼(Литургия святого Иоанна Златустого)」op.41という作品の第2曲は ”После первого антифона”です。антифона 日本語発音では「アンティフォナ」ですね。
←この「アンティフォナ」となっている部分はロシア語の男性名詞「生格」であり、通常ロシア語名詞を日本語表記する際の「主格」に直せば、「アンティフォン」となります。ちなみにこの部分のロシア語は「第一アンティフォンのあとに」ぐらいの意味になります。--Tarmi Iwaya 2006年9月25日 (月) 18:21 (UTC)[返信]

日本ハリストス正教会の表記についてのRp21氏による結論

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結論を申しましょう。あなたのおっしゃる 聖ハリストス正教会の「アンティフォン」という言葉はロシア語が原語であって、ギリシア語ではない。 ということです。
そして確認が不十分ですが、もしかすると歴史的な言い回しはギリシア正教もラテン教会もさらにはロシア正教も、「アンティフォナ」と発音される言葉だったかもしれません。
--Rp21 2006年3月15日 (水) 19:09 (UTC)[返信]

Rp21氏のまとめ

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今までの経緯を改めて見直してみると途中お互いに論点の掛け違いが生じていますが、結果的にはあまり変わらないでしょうから、それについては省略します。 ただ結果として東方教会の事について少し知見が増えた事については良い機会を与えて頂いたと感謝いたします。 そして新しく得られた知見を反映させたいと思っています。が、冒頭の様な否定的な意見に対しては私もそれに否定的な反応しかしませんし、建設的な意見ならば協力するにやぶさかではありません。建設的な意見をお待ちしております。 --Rp21 2006年3月16日 (木) 14:45 (UTC)[返信]

記事名に関する議論(議論仕切りなおし)

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始めの Aphaia さんの意見は、日本語として現在通用している表記が「アンティフォナ」だけではないよ、ということを率直に述べ、Rp21 さんが一方的に片方の表記に統一しているのを改善しようとしているだけの話に感じました。確かに西洋音楽関連では「アンティフォナ」表記が多いことは知っておりますが、新たな人が新たな経験知見を披瀝してゆくのがこの Wikipedia の存在意義と思っています。ということで、一元的に此の項目にまとめるなら、項目名は変更される方がよろしいと思います。--Tarmi Iwaya 2006年9月25日 (月) 18:35 (UTC)[返信]

追記として、日本語ではギリシャ語の活用語尾を省いて、日本語で言い易く取り入れる傾向も見られると読んだことがあります。だから、男性名詞の主格語尾を省いた「アンティフォン」がギリシャ語起源と見做すこともかまわないと思います。語源はともかく、「アンティフォン」を日常呼称する起源の古い集団も現に存在することは明確です。 ルーマニア語など他の各国語ではどうか、調査すると良いかもしれません。--Tarmi Iwaya 2006年10月9日 (月) 09:14 (UTC)[返信]

記事来歴についての確認やりとり

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まず「一方的に片方の表記に統一している」というような偏ったあなたの感想は、それこそこの記事の履歴経過を見ない、あるいは見ない振りをしている一方的な感想でしかないように思えますね。時系列的に書けば、アンティフォンあるいはアンティフォナあるいは応唱といった内容の記事が全く書かれていなかったので、西洋音楽の方面からアンティフォナという記事を書いた。この時に私の知識としてはアンティフォンという言い回しはゲルマン⇒ノルマン⇒英語(後にロシア語の発音もノルマン由来ではないかと考える様になったのですが)という(西洋グローバルなラテン語に対する)単なる各国ローカルな方言と捉えていたために、アンティフォンからアンティフォナにリダイレクトしたところ、件の方が「それは疑問だ」とだけ述べられた。であるなら、どのようにすればよりベターなのか提案をして欲しかったのです。批判するだけなら誰でもできます。私が上記にも書いた様に、よりその方面に詳しい方が修正し、また提案をし、議論を重ねてよりベターなものにするのに反対しているわけではありません。もう一度書きますが批判するだけなら誰でもできる。そしてそういう批判だけをする方がいらっしゃれば、こういった記事をあえて不完全ながらも書こうという気は失せてしまうだろうという事(こういった記事がこれまで書かれていなかった理由の一つがそこにあったのではないですか?)を暗に私はこの方にぶつけたつもりなのです。だからこの方から建設的な提言が無い限り、当初のカトリック主体のままにして残していた(正しく言えば、冒頭で「アンティフォナはカトリックの歴史的言い回しである」とちゃんと断っています)というのがこれまでの経緯です。
次に追記の記事ですが、「男性名詞の主格語尾を省いた「アンティフォン」がギリシャ語起源と見做すこともかまわないと思います」という内容は率直に言ってとても納得できるものではありません。正教会の方がギリシア起源に正当性を求める気持ちはわからないでも無いのですが、それは客観的で理論的な内容とはとても思えません。「ロシア正教だからロシア語のアンティフォンという発音が日本に導入された。後にギリシア正教の発音がアンティフォノンである事が知られたが、グローバル言語の英語でも同じ発音であるアンティフォンをあえて残した」と言われた方がまだ納得できるでしょう。
さて「アンティフォン」に統一するのも良いのですが、記事内容が増えれば読みにくくなると言うのも事実です。実際キリスト教の各項目の記事は読みにくくなってしまっています。歴史経緯も内容も異なっているのだから、英語版の他のキリスト教の記事のように「アンティフォン」の大項目から「アンティフォン(東方正教会)」「アンティフォナ(カトリック)」「アンセム」のようにリンクで小項目に分けるのはいかがですか。それとも、「交唱」大項目から「交唱(東方正教会)」「交唱(カトリック)」「アンセム」か。できれば一元的に一つの項目に纏めるのはできるだけ避けたい。それぞれの比較はそれぞれの項目に簡素に書いておけばベターかと思っています。--Rp21 2006年10月15日 (日) 17:27 (UTC)[返信]

海外の事例

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手の届くところにある資料だけで判断するのは誤解の元でありそうです。 (かといって、入手しなければ資料として使えません。) 実際に言葉を用いる現場へ注意を向けるのは文献資料以上に必要でしょう。 徒に資料の数で統計的に判断するのは、資料の偏向を無批判に受け入れることに繋がります。

  • 項目名について。

「交唱」は、カトリック教会系統の資料では使われるのでしょうが、一般名詞ではないので此れでの一元化は無理があります。 ラテン語はカトリック色が強すぎて、この辞書で一元化する目的では無理があります。

党派心は置いて、概念発生の起源から見ると、ギリシャ語を基にその他の後世の用例を系統立てて記述するのが良いと思います。 キリスト教各派や音楽・哲学などの多方面をばらばらの項目にしてしまうのは安易ですが、現在でも簡潔であるのに更に分割するのは記述の深みが足りなくなりそうです。
私はギリシャ語のカタカナ表記で暫定的に一元化させるのが最もこの項目を生かすと思います。 日本語でというのなら、教会各派から最も遠い、以下の辞書の「対照歌」が適当でしょうか。 (他の「アンティフォン」「アンティフォナ」「交唱」をリダイレクトして) 項目を纏めるにしろ、いくつかの論点に分岐して議論することは今後も必要でしょう。

不幸にも、私はギリシャ語は現代も古典も堪能ではなく、今までのところギリシャ語の裏づけはアリストテレスや古典哲学の邦訳程度に留まっています。


以下の辞典ではあなたの推されていた「アンティフォナ」がギリシャ語とされています。ラテン語の誤記でしょうか。 出身大学からして、英国国教会での用語が展開されているようです。 AnthemとAntiphonとが同じとは到底思えません。

~ 小泉 洽(1894横浜 - 1919同志社大学卒 - 1971.12歿)著 『新版音楽辞典』

(東京堂出版1970.03.15、20版1989.11.10)

Anth.(英語)…[Anthem]の略。
Anthem(英語)…教会用声楽曲の一種。歌詞は主に聖書からとられている。オルガン伴奏のあるものとないものとがある。賛美歌。
Anthem, coral(英語)…[coral]風の[Anthem]。ゆっくりした一定時価をもつ音符で書かれた賛美歌。
Anthem, full(英語)…すべて合唱曲から成る[Anthem]。
Anthem, solo(英語)…独唱曲と合唱曲から成る[Anthem]。
Antienne(フランス語)、Antiphon(英語)…[Anthem]と同じ。
Antifona(イタリア語)…[Antiphon]と同じ。
Antifonario(イタリア語)…[Antifona]の歌集。
Antiphona(ギリシャ語)、Antiphon(英語)、Antienne(フランス語)…

1:もとはオクターブ(8度)または同音音程の意
2:3世紀ころから今日まで歌われる応答歌、カトリック教会で祭司と合唱隊の間で応答的に歌われる聖歌。

Antiphonarium(ラテン語)…応答歌書
Antiphony(英語)…

「あい対照する声で歌う」の意味のギリシャ語から来た語。つまりオクターブ離れた音程を対照として歌うこと。
したがって「オクターヴ」または「同音」の意味に用いられた( Antiphona 参照)。
古代ギリシアの合唱曲でAntiphonyの唱歌法が用いられた時、その様式をマガディゼインといったが、アリストテレスは「合唱はオクターヴを通して音位を与え、それは全くマガディズーシーで、他と同じ音高でない」といっている。
Antiphonyはこのマガディゼインの様式で歌われる合唱曲をいう。
アリストテレスはまた、「他面から言うと、対照合唱歌はオクターヴを通して存在する。対照歌は若い子供と大人の声とから成る。
この二つの音は互いにネーテーとヒューパーテー(いづれも音程名、Greek musik 参照)の距離がある」と言っている。
(Problemata, XVIII, XIX39α)邦訳:戸塚七郎訳『アリストテレス全集11 問題集』(岩波書店1968.11.11)
このような唱歌様式は、古代ギリシア人だけでなく、エジプト人も早くから知っていたが、
3世紀ころからAntiphonyの名称がキリスト教会に取り入れられ、ギリシア人のいうAntiphonyと全く別の合唱様式が生まれた。
つまり対照という考えだけを発展させ、オクターヴの音高を二つの合唱隊が交互に応答的に歌う曲という意味である。
歴史家によると、初代教会において男女両性をはっきり区別したことがAntiphony様式の歌曲を作るに至ったのであろうという。
プリニウスが紀元2世紀にトラヤヌスに送った手紙によると、既にそのころからキリスト教徒はAntiphony様式の歌曲を礼拝用に用いていたようである。
(辞書項目は以上。)--Tarmi Iwaya 2006年11月8日 (水) 14:34 (UTC)[返信]


1. 資料の問題についての貴方の批判は、母集団が無作為の場合に言える事でしょう。(履歴経過をもう一度むしかえして説明しなければなりませんか?それとも何らかの意図があるのですか?)
2. 「実際に言葉を用いる現場へ注意を向ける」
中世/ルネッサンスの声楽の現場ではアンティフォン(英語)と共にアンティフォナ(羅)が実際に使用されています。そして私は正教会に関して別に否定はしていません。(これも履歴経過をもう一度むしかえして説明しなければなりませんか?それともやはり何らかの意図があるのですか?)
3. おっしゃる通り「交唱」はカトリックでした。ちなみに上記角倉一郎監修ミヒェルスの音楽事典では「交互唱」という言い方をされています。「対称歌」という言い方は聞いた事がありませんでした。
4. アリストテレスの資料は非常に興味深いものです。ありがとうございます。これは本文の方にも書かれたらいかがですか?ちなみにネーテー(e1)-ヒュパテー(e)の距離とはオクターヴを意味します。この意味で言えば、「交互唱」ではなく「対称合唱」が相応しいのですね。そうすると上掲のグラウト/パリスカの記す所の「αντιφωνος(antiphonos)」が近いのかもしれません。ただし、カトリックのアンティフォナに関してはオクターヴではなく同音高で歌うのが普通ですから、「交互唱」の方が相応しいでしょう。
5. 『「アンティフォナ」がギリシャ語とされています。ラテン語の誤記でしょうか。』
英語版anthemではニュー・グローヴ音楽事典の引用としてαντιφωναを挙げています。上記で私がミヒェルスの音楽事典の引用も添えて既に書いている事ですが。。。
ところで、実際「αντιφωνα」という題名のギリシアで出版されているCDもいくつか存在している様なのですが、手元に無いため残念ながらその正体を判断できていません。
 ちなみに www.studio52.gr/info_gr.asp?infoID=00000oar など。
--Rp21 2006年11月18日 (土) 17:07 (UTC)[返信]


古典ギリシア語の文法書を取り寄せて確認したところ、αντιφωνον は中性名詞で、以下の様に変化することがわかりました。
(冠詞も併せて載せます。また他の格については省略します。)
中性名詞 単数主格 το  αντιφωνον
       属格 του αντιφωνου
       与格 τω  αντιφωνω
     複数主格 τα  αντιφωνα
       属格 των αντιφωνων
       与格 τοις αντιφωνοις
つまり、具体的な個々のものについては αντιφωνον (アンティフォーノン)であり、総称としては αντιφωνα (アンティフォーナ)という使われ方がされている。というふうに解釈できます。
ビザンチン音楽のHPの antifona のページ[ www.byzantine-musics.com/antifona.pdf ]は、この関係を良く示しています。
--Rp21 2006年12月1日 (金) 11:53 (UTC)[返信]


ビザンチン音楽のHP.pdf を見させて頂きました。複数の Antiphonon が併記されており、それらの総称として複数主格で Antiphona と書かれてありました。ギリシャ語での名詞を日本語で通常表現するのは、単数主格だろうと思うのですが。見たところ古典語によくある「両数、双数」などで集合扱いをする名詞でもなさそうです。
小泉氏の辞書の項目については著作権が切れておらず、これを本文へ引き写すわけにはいかないので、続けて調査したいです。--Tarmi Iwaya 2006年12月15日 (金) 16:40 (UTC)[返信]


確かに、これだけなら単なる複数形と見れない事は無い。しかしながら、かなり上になってしまいましたが、私の挙げたアメリカのギリシア正教会の典礼のHPにある「ΤΑ ΑΝΤΙΦΩΝΑ ΜΕΓΑΛΗ ΣΥΝΑΠΤΗ」(これ正教会の方なら一目瞭然ですよね)はどう捉えたら良いのか、これでも単なる複数形で彼らは捉えているというわけですか?
これも再三述べているが、ニュー・グローヴ音楽事典でも挙げられているという事実もあります。(権威主義に陥るわけではありませんが、音楽研究者以外にカトリックも正教会もその他の宗教の関係者も執筆に加わっていて、全世界の批評の目にさらされているという事実は、無視できない事です。)
さらに、「ギリシャ語での名詞を日本語で通常表現するのは、単数主格だろうと思うのですが。」というのは、なんら客観的根拠の無い個人的な希望的意見でしかないでしょう。
必要なのは客観的事実の積み重ねであって、ひねくれたレトリックではない。
--Rp21 2006年12月16日 (土) 08:44 (UTC)[返信]
おっしゃられた「アメリカのギリシャ正教会のHP」を見ました。「聖金口イオアンの聖体礼儀」の式次第で冒頭の「大連祷」の事です。正教会の奉神礼はどこの国や地域の教会でも根幹は同じ構造を共有していますので、日本の正教会のどこかの教会でお尋ねになると良いと思います。ギリシャ古典での用例はその筋の先生にも尋ねてみます。--Tarmi Iwaya 2007年2月2日 (金) 17:59 (UTC)[返信]

2007年2月の段階のやりとり

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改名スタブを出されましたが、あなた方はハリストス正教会の立場だけからしか物事を捉えていない事がこれまでの経緯から明らかです。はっきり述べれば、カトリックと言い方が同じなのはどうにでも嫌だということなんでしょう?これじゃあ議論にならないというか、はっきりこうしたいという意見さえ提示されてもいないし。まあ以降は御勝手にどうぞ。--Rp21 2006年12月25日 (月) 11:26 (UTC)[返信]

何の前置きも無く勝手に改名スタブを付けた事は、始めに謝ります。その意図は、議論を多少なりとも第三者に関わってもらえるようにしたかったからです。議論が沢山行われていることを知らせて、複数の執筆者の知見を取り入れたかったのです。私としては穏当な議論を望みます。一人の執筆者による、論破しようとでもしているかの様な冗長な議論は、私も好みません。複数の執筆者が建設的な意見を書きあうなら、この項目も練られていくでしょう。--Tarmi Iwaya 2007年2月2日 (金) 17:23 (UTC)[返信]

2008年2月4日:議論の仕切り直し(Kliment A.K.による)

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Aphaiaさんの問題提起には正教会関係の多くの記事編集・執筆に関わっている者として敬意を表しますし、正教会関係の記事についてのAphaiaさんの過去の貢献については非常に感謝しております。小生も若干の補正をするだけで済む記事も少なくありません。ただ、おそらくAphaiaさんは正教会の信徒ではいらっしゃいませんでしょうし(もし信徒でいらっしゃったらすみません)、日本ハリストス正教会の見解についても少し調査不足の観がある事例が稀に散見されます。今回の議論で、前提に多分の誤解が含まれていますので、それらについてまず指摘させて頂きます。ただ、小生はRp21さんとは全く逆に、西方教会典礼につき殆ど無知ですので、その観点からの議論は大変弱いものになってしまうであろう事を予め御了承下さい。また小生には、ギリシャ語については正教会で頻繁に用いられるものについての単語レベルの知識しか無い事も申し添えます。

日本ハリストス正教会における転写につき前提

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日本正教会は「中世以降読みのギリシャ語起源の単語・人名が、教会スラヴ語ロシア語再建音を経由して、明治時代の翻訳者達が採用した転写・表記」を用いています。単なるロシア語ではなく教会スラヴ語が間に入る事は、ヨハネが判り易い例となります。また、ブルガリア正教会ウクライナ正教会でも同様な転写がされるケースが多い以上、日本正教会の表記の通用性をロシア語に限定するかのような言説は多分に誤りを含むものであります。

事例(ヨハネ - イオアンニス - イオアン)

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  1. ヨハネはギリシャ語表記でΙωάννηςですが、古典再建音転写では「イオーアンネース」です。これが中世から現代ギリシャ語の読みになりますとイオアンニス(もしくはヨアンニス)になります。
  2. 中世におけるモラヴィアブルガリアルーシに対して教会スラヴ語で宣教を行った東ローマ帝国の関係者は、当然ながら中世のギリシャ語の発音をしていました。教会スラヴ語への転写はこの時代の発音に準じて行われました。従って古典再建音に由来する転写を行うラテン語表記とは、かなりの差が生じる事になりました。無論、格語尾の違いも無視出来ません。「イオアンニス」がこの段階で、「イオアン」と転写される事になりました。但し、グラゴル文字で書かれた当該表記が当時本当に「イオアン」と転写出来るような発音をしていたかどうかは疑問であり、あくまでグラゴル文字からキリル文字に転写した段階の表記Иоанを、ロシア語ブルガリア語で再建したものであります。
  3. 現代ロシアでは「イヴァン」Иванに相当します。しかし、日本ハリストス正教会ではヨハネの事を「イヴァン」と呼ぶ事は無く、専ら「イオアン」が用いられます。ロシア正教会では日常の人名としては「イヴァン」、教会内の祈祷で聖名として読む場合には「イオアン」が用いられます。

当項目のまとめ

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繰り返しになりますが、「中世以降読みのギリシャ語起源の単語・人名が、教会スラヴ語ロシア語再建音を経由して、明治時代の翻訳者達が採用した転写・表記が日本正教会では用いられる」というのは、こういう事情によるものです。生きた正教会がギリシャ語の読みを変化させつつ存続し続けた以上、時代による音の変化をローマ・カトリック教会以上に被ったのが正教会であったと言えるでしょう。

この事は日本ハリストス正教会教団も自覚しており、「ギリシャ語そのままのコピー」というような表現は日本正教会でもなされません。但し「大元の語源」という意味で「語源はギリシャ語」というような言い方がされることがあります(つまり、ロシアによる転写も中世ギリシャ語に起源があるということを示すことで、正当性を担保する訳です)。従いまして日本正教会の転写については、「ギリシャ語由来である」と謂う表現も、「ロシア語由来である」と謂う表現も、両方とも完全な誤りではないものの、正確ではない、ということになります。--Kliment A.K. 2008年2月4日 (月) 07:51 (UTC)[返信]

--Kliment A.K. 2008年2月4日 (月) 08:10 (UTC)[返信]

ギリシャ語の「アンティフォナ」

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上述の通り、小生はギリシャ語は単語程度の知識しかありませんが、ΤΑ ΑΝΤΙΦΩΝΑ ΜΕΓΑΛΗ ΣΥΝΑΠΤΗはアンティフォンではなく大連祷です。アメリカ正教会の該当ページで「アンティフォナ」に相当するものは

  • ΤΟ ΠΡΩΤΟΝ ΑΝΤΙΦΩΝΟΝ(第一アンティフォン)
  • ΤΟ ΔΕΥΤΕΡΟΝ ΑΝΤΙΦΩΝΟΝ(第二アンティフォン)
  • ΤΟ ΤΡΙΤΟΝ ΑΝΤΙΦΩΝΟΝ(第三アンティフォン)

と表記されています。これらの歌は、詠隊によっては奉神礼において左右に分かれて歌う形式が採られ、まさしく本記事が対象とするところのアンティフォナであります。ちなみに同サイト内の英語ページでは、

  • THE FIRST ANTIPHON
  • THE SECOND ANTIPHON
  • THE THIRD ANTIPHON

となっており、「アンティフォン」表記が採用されています。

これらから判る通り、日本正教会における表記は教会スラヴ語を経由するのが基本であるものの、「アンティフォン」については「教会スラヴ語を経由した転写でもギリシャ語由来の転写でも、両者ともに『アンティフォン』と表記出来る」と言えます。

従いまして、日本正教会で「アンティフォン」と呼ばれているのは「中世以降読みのギリシャ語起源の単語・人名が、教会スラヴ語ロシア語再建音を経由して、明治時代の翻訳者達が採用した転写・表記」に則ったものですが、これは現代ギリシャ語表記と一致するともいえます。--Kliment A.K. 2008年2月4日 (月) 08:10 (UTC)(当項目修正--Kliment A.K. 2008年2月4日 (月) 08:19 (UTC)[返信]

記事名につき結論二案

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実は現段階では結論が出ておりません。

  • 本項目をカトリック教会中心の記事とするならば「アンティフォン」(東方教会系の記事内容とする)と「アンティフォナ」(西方教会系の記事内容とする)の二つの記事を立てれば良い。
  • 本項目を超教派的なものとするのであれば、記事名はラテン語由来のものよりもギリシャ語由来のものの方が東西両教会に対して公平と思われる。

上記二点の解決策を考えております。皆様のご意見も伺いたく思います。 前提となる日本ハリストス正教会における転写の説明につき、長文失礼しました。--Kliment A.K. 2008年2月4日 (月) 08:19 (UTC)[返信]