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ノート:アルフォンス・ペノー

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プラノフォアの要目の矛盾

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本文を抜粋すると以下の仕様・性能などが明示されている。

  • (1) 翼幅46センチメートル
  • (2) 翼面積500平方センチメートル
  • (3) 重さ20gあまり
  • (4)「主翼は単葉の固定翼で、アスペクト比が大きく、平面形はやや先細り」
  • (5)11秒間に約40mを飛行
  • (6)レプリカの写真

アスペクトレシオとは、主翼の縦横比のことであり、   *翼幅/平均コード で算出される。 平均コードは、

  • 翼面積/翼幅=(2)/(1)=500/46≒11cm(7)

従って、アスペクトレシオは

  • (1)/(7)=46/11¬≒4.2

現在のプロペラ機の主翼のアスペクトレシオ(縦横比)としては、4.2は低い値である。 加えて、(6)の写真も、そのようには見えない。縦横比が4.2ならば、主翼の付け根のコード(翼弦)は14cm(7‘)くらいになるはず。

従って、(2)は(4)と(6)に矛盾する。 (2)を正として、(1)を過小とすると上記の矛盾はなくなるが、現在の類似構造の同級機であるA級ライトプレーン模型飛行機(翼幅・胴長が50cm以下、竹ひご構造の片面翼)でも(3)20gは軽量であり、当時の技術で(1)を大型化すればもっと重くなると考えられる。 また、翼の長さ(1)は、翼面積(2)よりも簡単・正確に計測できる量であるから、(2)のほうが怪しいと考えるのが妥当である。

  • (4) より、平均速度は40m/11秒≒3.6m/秒(8)

模型飛行機の飛行速度は

  • 1.26×(重量/(翼面積×揚力係数)^0.5・・・重量はg、翼面積は平方dm

従って

  • (8)=1.26×((3)/((2‘)×揚力係数))^0.5
  • 3.6=1.26×(20/(5×揚力係数)^0.5   揚力係数CL≒0.49(9)

仮に(2)の500を300の誤植と仮定すると

  • 平均翼弦=300/46≒6.5cm  アスペクトレシオ=46/6.5≒7
  • 飛行速度3.6=1.26×(20/(3×揚力係数))^0.5  揚力係数CL≒0.82(9‘)

  データと写真の整合性からは、翼面積を300平方cmとしたほうがもっともらしく見える。「翼面積500平方センチメートル」の出典は「パイオニア飛行機物語」で、原典からの、多分、複数回の引用を経ていると思われるので、確認する必要がある。--趣味際人 2010年2月10日 (水) 22:45 (UTC)[返信]

今日は。指摘どうも。そこを書いた者です。えーとその、(4)が間違いのようです。いま『パイオニア飛行機ものがたり』『航空発達物語』『飛行の原理』を見直してみましたが、「アスペクト比が大きい」という記述は見つかりませんでした。だいぶ前のことですので記憶にありませんが、どうも私が勝手に(図版を見て自分の感覚で?)そう書いたのだと思います。すみません。--Five-toed-sloth 2010年2月13日 (土) 12:16 (UTC)[返信]

始めまして。回答ありがとうございました。

お言葉を返すようですが、貴兄の「アスペクトレシオが大きい」と言う感覚に基づく記述は正しいのではないかと思います。

小生もは、長年、さまざまなゴム動力機を飛ばしてきましたが、ペノー機のレプリカを作ろうと試み、絵から推測三面図を作成したことがあります。当時の絵は、写真の代わりのもので、2焦点または3焦点に分解できるので、スケールモデル屋はこの手を使って寸法などを推測して模型を作ります。誤差はあるのですが、アスペクトレシオが大きいことは明らかでした。

それに対して、

  • (1) 翼幅46センチメートル
  • (2) 翼面積500平方センチメートル

の翼は、かなり太めになります。加えて、翼の中央の胴体付け根部分は抜けていて、翼面積に含まれないので、実質のスパンは5cmくらい短く、さらに太めになります。記事にあるレプリカの写真は、そのような太い翼には見えません。

ペノー機に付いて

  • VIC SMEED:THE ENCYCLOPEDIA OF MODEL AIRCRAFT:OCTOPUS,LONDON、1979
  • GUY R.WILLIAMS:THE WORLD OF MODEL AIRCRAFT:G.P.PUTMAN'S SONS,N.Y.1973

を調べてみました。 前者には、「1871年にプラノフォア、1872年にオーニソプターが飛行。プラノフォアは60mを13秒で飛んだ」とあり、両機の絵が掲載されています。 後者には、ペノーがフランス航空協会の会員で、飛行は1874年としています。さらに飛び方として、「50フィート上昇して、後は水平に飛んだ」とあり、初期トルクが強いゴム動力機の飛び方としては妥当な記述だと思います。また、オーニソプターの絵が掲載されていますが、これは前者掲載のものとは別の機体です。

ペノーの業績は、しばらく忘れられていたようで、航空学辞典(木村秀政)の年表には収録されていません。--趣味際人 2010年2月13日 (土) 21:32 (UTC) [返信]

ウェブを簡単に調査した結果ですが、
  • [1], [2], [3] などに "0.53 sq. ft." の記述があります。どうもオクターヴ・シャヌートProgress in Flying Machines [4] という文章が出典のようです。フランス語の(?)もっとオリジナルな出典があるのかもしれませんが
    • 拡大画像では camber がわりと大きめに見えます
  • [5] 経由の [6] にある図面では、root での chord length が 10 cm くらいしかないように見えます
0.53 sq. ft. が正しいとしたら、中央の翼膜の無い部分も計算に入っているのかもしれません。あとは、camber の無い(伸ばした)状態で翼面積を測ったとか。
0.33 sq. ft. は 306 sq. cm なわけですが、仮にOctave Chanuteが誤記していたとしても、そのことを示す出典の提示なしに「300 sq. cmが正しいと思われる」などと書いてしまうと、独自の研究になってしまいますよね({{}})。たとえばAndersonに「これおかしいんじゃない?」とメールして、次の版でコメントが入ればそれを出典にできるのでしょうけれど。とりあえず翼面積については触れない、というのもありかなと思います。--Maz 2010年2月15日 (月) 01:43 (UTC)[返信]

拝復 >どうもオクターヴ・シャヌートProgress in Flying Machines[7] >という文章が出典のようです

上記を見ました。また、それを基にした文献1の最後から2つ目の図(3機種)の平面図は、太目の主翼で「500平方cm」にもっともらしく見えます。

シャヌート文献の下記部分の仕様数値から、500平方cmを基にして整合的な説明が付きそうなので分析中です。ポイントは、飛行が急旋回であったことで、11秒40mで「several times in a circle」 (断続的に旋回しながら出発点に戻ったのか、2回旋回したのかわかりませんが)とあり、直線飛行よりもかなりエネルギーを喰い、飛行速度も大きくなります。また、飛行距離の測定も目測推定になるでしょうから、直線を巻尺で計るのに比べれば精度が落ちます。

ペノーはフランス人で、メートル法を使うでしょうから、シャヌート文献の「131フィート」は換算値であり、原文献は「40m」であったと思います。それが旋回飛行の目測ならば、精度として「35m~45m」くらいの誤差はあると考えてもよさそうで、1フィート単位で測られる精度ではなさそうです。

さらに、「11秒」のほうですが、当時のストップウオッチはきわめて高価・希少であり、貧困に苦しんだペノーが使えたかどうか疑問です。従って、懐中時計(これも高価であったはず)の秒針くらいの測定具になり、±1秒くらいの誤差がありえます。

シャヌート文献の仕様数値引用は、FIG53の下の「The motive power・・・」から「・・・the holizon of the main aeroplane.」までと、同ページ下の「The weight of entire apparatus ・・・・」から、次ページ「・・・surface to weight.」まで。--趣味際人 2010年2月15日 (月) 23:20 (UTC)[返信]

アルフォンス・ペノーに付いてのシャヌート文献の分析

アルフォンス・ペノーのゴム動力模型飛行機プラノフォアの飛行に付いては、オクターブ・シャヌートの「プログレス・イン・フライングマシンズ(1892)」に、多くの整合性のある数値データと飛行状況が収録されているので、以下にデータを整理して列挙する。

フランス人のペノーのデータはメートル法であるが、シャヌートはフランス系アメリカ人であるので、ヤード・ポンド単位で記述しているため、換算による丸めの誤差が生じている。括弧〔 〕内は訳者がメートル法に換算した数値であるが、上記の理由でペノーの原典とは異なる数値である。

  • 1、機体の仕様

(1-1)全長20インチ[508㎜]

(1-2)主翼全幅18インチ[457㎜] 

(1-3)主翼の幅4インチ[コード:102㎜]

(1-4)プロペラ直径8インチ[203㎜]

(1-5)機体重量0.56オンス[構造重量:15.8g]

(1-6)ゴム重量0.17オンス[4.8g]

(1-7)翼面積0.53平方フィート[492平方㎝=4.92平方dm:後述の分析参照]、

  • 2、飛行記録(後述の分析参照)

(2-1)飛行距離131フィート[39.93m]

(2-2)飛行時間11秒

(2-3)飛行速度12フィート/秒[3.66m/秒]未満

(2-4)ゴムの巻き数は240回で、飛行中に全部巻き戻った。

(2-5)水平直線飛行の速度9フィート/秒[2.74m/秒]

  • 3、比率

(3-1)重量あたり翼面積15平方フィート/1ポンド[現在では逆数の「翼面荷重」を使う:3.26g/平方dm]

(3-2)馬力荷重81ポンド/馬力[36.73kg/馬力]

  • 4、シャヌート文献の解説

(4-1)主翼(の前縁材)は、胴体の略中央に固定。重心は面積中心のやや前方。翼端は僅かに上がり(上反角)横安定を保つ。

(4-2)水平尾翼は主翼に比べて8度下向きに取り付け。

(4-3)当該機は、図に示されてない小さな垂直舵に導かれて、数回(several)の旋回飛行を行い、ゴムが戻りきったときに出発点付近に軟着陸した。

(4-4)飛行速度は12フィート/秒[3.66m/秒:(2-1)/(2-2)か?]未満で、同じ翼面荷重の昆虫と同程度。

(4-5)ゴムを60回巻いたとき、風速9フィート/秒[2.74m/秒:(2-5)]の気流で停止した。

(4-6)馬力荷重は81ポンド/㏋[36.77kg/㏋]

  • 5、訳者の注と分析

(5-1)主翼面積は(1-2)×(1-3)=72平方インチ=0.5平方フィート=4.65平方dmになるはずであるが、(1-7)は4.92平方dmである。(1-2)、(1-3)にインチ以下の切捨て誤差があったと考えられる。

(5-2)飛行は直線ではなく旋回であるから(4-3)、距離は目測で誤差がある。ペノーの原典の飛行距離は40mで、35~45mくらいの誤差が考えられる。

(5-3)当時ストップウオッチは希少・高価であり、時計の秒針による飛行時間の測定とすれば、±1秒程度の誤差を生ずる。

(5-4)旋回飛行の場合は、バンクによって水平面で測った有効翼面積が減り、旋回気流によって水平尾翼は上向きの気流を受けて機首を下げるから、直線飛行のときに比べて飛行速度が大きくなり、必要な飛行エネルギーも増加する。(2-3)と(2-5)の差は上記に起因する。飛行で3旋回したと仮定すると、バンク角は30度以上、水平尾翼の迎え角の増加(下げ舵)は3度くらいになる。従って、(4-2)のマイナス8度は、旋回飛行中はマイナス5度くらいになる。

(5-5)シャヌート文献の翼面積と重量の比率(3-1)から計算すると、重量は(3.26g/平方dm×4.92平方dm=16g=ゴム抜きの構造重量)になり、飛行時の翼面荷重ではなく、翼面積に対する構造重量の管理目標数値と言える。

(5-6)馬力荷重も前項と同じ目的の指標。これにプロペラ効率(通常70%程度)を掛けたものが現実に使われた飛行エネルギーで、(機体重量×沈下速度)で推定した数値と整合する。

(5-7)動力ゴムの巻き数、エネルギーなどの評価は模型飛行機用動力ゴム項を参照。


以上は、シャヌート文献のデータを、既知の航空力学公式によって追試したものであって、独自研究といえないと考えるが、訳者の推論も含まれるので本文の編集とせずノートに記載した。貴重な追加データであるので、適当な部分は本文に追加するべきと考える。--趣味際人 2010年2月18日 (木) 17:13 (UTC)[返信]


たたき台として、本文を編集・追加してみました。「独自研究」は無いと思いますが、ご検討ください。

なぞとして残る点は、絵図の主翼の面積で、普通に目測すれば500平方センチ、縦横比4には見えません。 文献の数値500平方センチは、他の数値と整合しているので正しいとすれば、絵がおかしいことになります。 今のところ根拠はありませんが、絵が別の機体である可能性は無いでしょうか。シャヌート自身「描かれていない垂直舵」と絵の差異を述べています。

シャヌート文献の53図直後の行に「as in his former models」とあるように、プラノフォアに先行する複数の機体の存在が示唆されています。だから、絵図もたくさんあり、後世に混同された可能性はあります。--趣味際人 2010年2月24日 (水) 05:54 (UTC)[返信]