ノート:アインシュタイン=ポドルスキー=ローゼンのパラドックス
「EPRパラドックスとは何であるか」という肝腎の部分が説明されていないように思いますが、どうなんでしょう。nnh 2005年8月29日 (月) 16:01 (UTC)
- どうも「光速以上で情報が伝達されたように見えた」というあたりがパラドックスのようですね?たしかに分り辛いと思いました。Mulukhiyya 2005年8月29日 (月) 23:38 (UTC)
なんだか、根本的に説明がおかしいような……。
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<量子力学においては、状態は確率的な重ね合わせで表現されるわけだが、この「確率」とは前提知識によって変わるものなので、観測者によって異なっている可能性もある。それを同一視したことが、光速以上で情報が伝達されたように見えた原因である。>
という部分は間違いですね。「前提智識によって」という説明は、そういう「隠れた変数」を想定していることになります。そういうものが認められないというのがこのパラドクスです。説明してくれるような「原因」は量子力学の中には含まれていない、ということです。
--かずぴょん 2006年9月20日 (水) 21:26 (UTC)
記述から観測問題や重ね合わせについての部分が全部消されていますね。この問題に関わらない方がいいという気持ちも分りますが、EPRパラドクスでこれに関わらないことは、無理だとおもいます。2006年9月23日16:25の版で218.222.84.70さんが、"相対性理論と矛盾しない"という記述を入れられた時から、まずいな、直す必用があるな、と思っていたのですが、そのままにしていました。この記述に引きずられてどんどん変わっていってしまったようです
。
相対性理論と矛盾しないということの理由として、電子Aの情報を電子Bに伝達する速度が光速を越えないという記述がありますが、量子テレポーテーションの定式化でもそのように情報を実際に伝達させる物理的過程を含めては記述できていないはずです。できるはずだろう、という希望的解釈はあるでしょうが、できたという話は聞きません。
そのような伝達なしに、電子Bの状態は全スピンが0であるように電子Aの”観測をしたとたんに”決まるのです。受け入れ難いかもしれませんが、だからパラドクスと呼ばれるのです。とたんに、同時に決まる、ということを、相対性理論と矛盾する、と言うなら矛盾するというのは正しいです。相対性理論に矛盾することは起こるはずがないと思うのは自然ですが、ここでは起こっていて、未だにオープンプロブレムです。そして、問題は観測をしたとたんに、何が起きてるの?という方にあるのです。だからEPRパラドクスで観測問題を避けることはできないはずです。再修正が必要だと思いますが。 --かずぴょん 2006年10月1日 (日) 01:09 (UTC)--125.0.61.46 2006年10月1日 (日) 01:07 (UTC)
僕が重ね合わせの原理を消去した理由は二つあります。
ひとつは、重ね合わせの原理というとちょっとずれていて、量子もつれ状態の非局所性が原因であるからです。量子もつれ状態を参照してみると、十分詳しく書いてあるので、こちらには必要ないかなと考えました。
もうひとつの理由はEPRの原論文では、実験値が決まっている->隠れた変数理論を示唆している、という内容である以上、量子論の説明を載せるのはどうかなと考えたからです。まぁ、それでも載せる必要があるとおっしゃるなら、無理に反対するつもりはありません。
あと、「電子Aの情報を電子Bに伝達する速度が光速を越えないという記述がありますが」云々とありますが、この部分は、
>しかし、電子Bから有意な情報を取り出すためには電子Aについての情報が必要であり、その伝達速度が光速を越えないため、相対論と矛盾す>るわけではない。
を指しているならば、ぜんぜん意味が違いますし、この部分は以前からあった部分です。まぁ、誤読を誘発するようでしたら改変すべきなのかもしれませんが。一応確認しておきますが、この現象を用いて超光速通信は不可能であるというのはよろしいですよね。 あと、量子的な定式化ですが、量子もつれ状態が本質的であり、波束の収縮に力点があるわけではないと思いますが、どうでしょうか?
最後に、相対性理論と矛盾しないことについては、クラスター分解性と矛盾しないということで議論は終わっていると思いますが。
--kakannkann 2006年10月1日 (日) 06:25 (UTC)
とりあえず、大筋はこれでいいかなと思います。あとは、日本語の修正や、書き足しをお願いします。
--kakannkann 2006年10月4日 (水) 22:54(UTC)
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Kakannkannさん、観測、観測値の存在、真の理論の必要性、光速を越える相互作用というパラドックス、などが含まれているので、大筋はいいと思います。確かにシュレーディンガーの猫まで書く必要はないです。
細かい点としては、量子論の側からの反論の所で波束の収縮を言うなら、観測の所でも言わないと読者が意味をたどれないのではないですかね。
そうすると重ね合わせにも触れる必要が出るのですが、仰るようにこの辺に力点があるわけではないでしょう。量子もつれ状態というのは相関があるということの言い換えだと思いますから、EPR相関の本質が量子もつれというのは、そうでしょう。
点Aの測定結果の情報をリアルな自由度を介して点Bへ送って超光速の情報伝達をすることは不可能ですが、EPR相関はそんなことはしませんよね。量子もつれという意味で、リアルな自由度を用いた記述なしに超光速で相関という情報が伝わっているわけで、それを量子テレポーテーションと言うのでしょ。 <この現象を用いて超光速通信は不可能>とのKakannkannさんの記述の、超光速通信としては、量子テレポーテーションも排除されるのでしょうか。
あと、本文の<この立場では、量子力学は統計力学として、正当性が認められる。>の統計力学は、いわゆる今の統計力学のことではないですよね。区別が要ります。さらなる統計的記述を付加して正当性が認められる可能性がある、ですかね。
でも、隠れた変数を込みにした統計的法則としての定式化も挫折しているわけで。まだ、挫折したって書いてはいけないのでしょうか。書かないでもいいかとも思いますが。
また、私はクラスター分解性というものを知らないので、できればこの項目を書いて下さると嬉しいのですが。
ここの本文は一息ついたら直してみます。 --かずぴょん 2006年10月5日 (木) 01:16 (UTC)
ログインし忘れて121.92.142.150として直しました。 --かずぴょん 2006年10月5日 (木) 03:49 (UTC)
二点だけ。
一点は量子テレポーテーションは情報の超高速通信ではないということ。詳細はwikiの項目を確認してください。
もう一点は非局所隠れた変数理論はいまだ生きています。ネルソンの確率過程量子化がそれにあたります。ただ、このような話は、ベルの不等式でなされるべきでしょう。ただし、クラスター分解性をがりがり破ります。
クラスター分解性はいずれ書くことになると思います。
--kakannkann 2006年10月5日 (木) 04:35(UTC)
訂正箇所を見て思ったんですが、EPRの原論文の主張は、ここがおかしいんだよ量子論というないようですので、古典量云々という話ではないですのでおかしいかなと思います。
また、光速以上の情報のやり取りはまったくできません。
また、局所性なのですが、破る部分と破らない部分があるのでそのことは強調したいかなと思っています。
最後に、一粒子のスピンの方向を確定する実験はありません。ある方向について上向き、下向きを確認することしかできません。
以上を踏まえて再訂正します。
--kakannkann 2006年10月5日 (木) 05:00(UTC) --kakannkann 2006年10月5日 (木) 05:05(UTC)
>詳しく言うと、コペンハーゲン解釈と関連する。コペンハーゲン解釈に寄れば、観測が現実を決定する。ならば、A点で観測をして現実が決定されたとき、B点でも同時に現実が決定されることになる。この決定が光速以上で伝達することになる。これがパラドックスと感じられる。
>このことからわかるように、「光速以上で何かが伝達する」というのは、コペンハーゲン解釈と密接に関連する。一方で、コペンハーゲン解釈は、あくまで一つの解釈または仮説にすぎず、まだ定説とはなっていない。ゆえに、「コペンハーゲン解釈が正しければ」という仮定の上での結論は、今のところは真実とは見なされていない。だから相対論と量子論との矛盾が起こるわけではない。(コペンハーゲン解釈との矛盾ならば起こるかもしれないが。)
いくつかまずい点があるので。 ひとつは相対論的に同時というのは相対的なもので、いつ決定したかということを指定することはできません。 もうひとつは、波動関数の収縮を現実が決定するといって良いのかという点で、 両側とも同じ方向を図っていれば現実が決定したといえますが、両方とも違う方向を図った場合、結果は確率的です。 コペンハーゲン解釈においては、波束の収束は認めますが、 光速以上の波束の収束については言及してないと思いますので、その意味では関係ないでしょう。
--kakannkann 2006年10月13日 (金) 14:42(UTC)
問題点の整理
[編集]ノートページでの議論が二年近く止まっていますが、以下のように考えてよろしいでしょうか。
- 量子力学によれば、波束の収縮により、光速よりも速く「何か」が伝わっているように見える。これは相対性理論との間に矛盾が生じそうである。故にこれは一見パラドックスである。
- 「何か」は伝わっているように見えるが、そこに情報を乗せることはできない。例えば、波束の収縮を使ってモールス信号を送ることはできない。だから、相対性理論との間には矛盾が生じない。故に、これは実はパラドックスではない。
- アインシュタインらの原論文での主張の概要は以下の通り。物理量は「物理的実在」と結びつけて考えられるべきであり、もし量子力学(コペンハーゲン解釈)が物理現象に対する「完全な記述」を与えているならば、光速より速く伝わる「何か」に対応する物理的実在が存在するはずである。故に、この物理的実在を利用すれば、光速より速いモールス信号を送ることができるはずである。これは相対性理論と矛盾する。このことは、量子力学による説明が不完全であることの証拠である。従って、「隠れた変数」が存在するであろう。
- 原論文での仮定「物理量は物理的実在と結びつけられるべきである」というものはアインシュタインらの意見であり、この仮定に対する反対意見も根強い。エルンスト・マッハの流れを組む実証主義者など。
- 「物理的実在」というような表現はアインシュタインが多用しているが、きちんとは定義されていない。(私が見落としているだけかもしれない)
- 現在のところ、量子力学による説明が完全であるか否かは結着がついていない。隠れた変数の存在は証明されていないし、否定もされていない。