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ノイダ国際空港

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ノイダ国際空港
IATA: DXNICAO: VIND
概要
空港種別公営
所有者ノイダ国際空港株式会社
運営者ヤムナー国際空港株式会社
チューリッヒ空港会社の特別目的事業体)
所在地ウッタル・プラデーシュ州ガウタム・ブッダ・ナガル県英語版ジェーワル英語版[1]
供給都市デリー首都圏
開港2024年9月30日(予定)[2]
座標北緯28度10分12秒 東経077度36分36秒 / 北緯28.17000度 東経77.61000度 / 28.17000; 77.61000座標: 北緯28度10分12秒 東経077度36分36秒 / 北緯28.17000度 東経77.61000度 / 28.17000; 77.61000
ウェブサイト
地図
DXN/VINDの位置(ウッタル・プラデーシュ州内)
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DXN/VINDの位置(インド内)
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ウッタル・プラデーシュ州内の位置

ノイダ国際空港(ノイダこくさいくうこう、Noida International Airport)は、インドウッタル・プラデーシュ州に建設予定の国際空港デリー首都圏を担当し[3]、混雑するインディラ・ガンディー国際空港を補完する役割を期待されている[4]。2019年にスイスのチューリッヒ空港を運営する企業「チューリッヒ空港」が空港建設と完成後40年間の運営権を獲得した[5]

開港時点では滑走路2本で運営されるが、将来的には2,900ヘクタールの土地に8本の滑走路を持つ計画がある[6]。計画では初年度から年間1200万人の利用を見込み、2040年から2050年には年間およそ7000万人の利用を見込んでいる[4]

沿革

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この計画は2001年にウッタル・プラデーシュ州知事のラージナート・シンがグレーターノイダ近郊のジェワールにタージ国際航空ハブ(TIAH)を開発するという計画を提唱したことに始まる[7][8]。これに伴い連邦政府が技術的なフィジビリティレポートを2003年に発行した。計画当初は500億ルピーを投じて2007年から2008年に完成する予定であった。しかし、この計画は統一進歩同盟(UPA)が政権与党の間は凍結されてきた。このプロジェクト用地は既存のインディラ・ガンディー国際空港からおよそ72kmしか離れておらず、その運営者のGMRグループ英語版が反対していたからである。同社はインディラ・ガンディー国際空港から150km以内にある空港の建設計画に対する拒否権が認められていた。これは、GMRグループによるノイダ空港への入札価格が最低入札価格から10%以内の場合に、同社が優先交渉権を得るためのものであった。

2012年にアキレシュ・ヤダブ英語版ウッタル・プラデーシュ州知事に就任すると、アーグラでの新空港計画のためにノイダ空港計画を棚上げすることを発表した。そして2013年6月、州政府はフィーローザーバード県英語版タンドラ近郊を新空港候補地とすると決定した[9]。しかし、2014年1月に国防省が同地への空港計画に反対し[10]、州政府は11月にアーグラー県英語版エトマドプールへ計画地を変更した[11]

2014年、インド人民党(BJP)が中央政府の政権を奪還すると、計画地は再びジェーワルに戻された。そして2015年6月には、およそ890ヘクタールに及ぶ新空港計画が民間航空省に承認され[12]、2016年6月には国防省も承認した。そして、2018年5月には民間航空省から州政府に対して建設許可が交付された[13]。しかし、2017年7月には内閣官房から州政府に対して、ヒサール空港英語版計画とノイダ空港計画が同時進行することで投資利益率(ROI)が悪化しないよう警告が入った[14]

2017年10月には実施主体のヤムナ高速道路産業開発局(YEIDA)が第1期工事のための土地をジェーワル英語版近辺に取得し[15]、2018年5月末には州政府が実施主体のYEIDA、ノイダ・グレーターノイダ産業開発公社と覚書を交わした[16]。また、2021年1月にはYEIDAが第2期工事のための拡張用地の取得を始めた[17]

2021年11月25日に建設工事が始まった[4]。第1期工事から第4期工事までを予定しており、1334ヘクタールの用地に建設する第1期工事の完了予定は2024年9月30日である[18][2]。建設に際しては植樹や森林公園の設置、太陽光発電の利用などを行い、同規模では世界初のネットゼロ空港を目指している[4]

立地

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ノイダ国際空港はウッタル・プラデーシュ州ガウタム・ブッダ・ナガル県英語版ジェーワル英語版から北へ7kmの位置に建設される。近隣には名前の由来となった都市ノイダがある。インディラ・ガンディー国際空港との距離は72kmであり、デリー首都圏からの利用が見込まれている[19]。またヤムナー高速道路英語版の開通により、アーグラマトゥラーヴリンダーヴァンなどとも結ばれる[20][21]

脚注

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  1. ^ Aradhak, Purusharth (May 2017). “UP govt revives Jewar airport project, survey to start today”. Daily News Analysis. 14 May 2017閲覧。
  2. ^ a b Noida International Airport: Greater Noida's Jewar Airport opening date revealed, luxury hotel, metro to be built”. msn.com (16 January 2023). 17 January 2023閲覧。
  3. ^ Mani, Rajiv (31 October 2018). “Jewar international airport: Inauguration of Jewar airport by end of December: Nandi”. The Times of India. 7 December 2019閲覧。
  4. ^ a b c d インド、世界初の「ネットゼロ空港」建設開始、ノイダ国際空港”. TRVLWIRE (2021年12月10日). 2023年10月16日閲覧。
  5. ^ New Greenfield Noida International Airport at Jewar picking momentum- Progress Report”. Press Information Bureau (3 April 2018). 11 May 2018閲覧。
  6. ^ Sinha, Meenakshi (26 September 2019). “With six runways, Jewar set to be India's largest airport”. The Economic Times. 2 December 2021閲覧。
  7. ^ Jha, Vaibhav (24 June 2017). “Noida: Three governments, countless proposals later, Jewar finally to get airport”. 10 May 2018閲覧。
  8. ^ New initiatives”. Greater Noida Authority. 19 December 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月17日閲覧。
  9. ^ Umesh Raghuvanshi (21 June 2013). “UP to seek DGCA nod for Taj airport”. Hindustan Times. 2 April 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。29 July 2015閲覧。
  10. ^ “Taj international airport project hits MoD hurdle” (英語). The Indian Express. (11 January 2014). https://indianexpress.com/article/cities/lucknow/taj-international-airport-project-hits-mod-hurdle/ 11 April 2021閲覧。 
  11. ^ Land given for international airport near Agra: Akhilesh Yadav”. Zee News (8 November 2014). 11 April 2021閲覧。
  12. ^ Srivastava, Anvit (26 June 2015). “Jewar to take wing as ministry clears second NCR airport” (英語). The Times of India. 11 April 2021閲覧。
  13. ^ Kaushik, Manu (9 May 2018). “Noida International Airport project to be completed by 2022”. Business Today. 11 May 2018閲覧。
  14. ^ Aviation Secy Tells UP To Form Jewar Airport SPV, Yamuna Authority's Hands Full”. Moneycontrol (10 July 2017). 11 April 2021閲覧。
  15. ^ Keelor, Vandana (31 October 2017). “Eight villages marked for land acquisition in Jewar”. The Times of India. 6 August 2022閲覧。
  16. ^ 一色映里奈 (2019年8月17日). “デリー地区第2の空港建設計画も進む「ノイダ」地域。大型マンションも続々登場!”. Shiva Station. 2023年10月18日閲覧。
  17. ^ “UP set to take over seven villages for third Jewar airport runway”. The Times of India. TNN. (30 January 2021). https://timesofindia.indiatimes.com/city/noida/up-set-to-take-over-seven-villages-for-third-jewar-airport-runway/articleshow/80593058.cms 6 August 2022閲覧。 
  18. ^ 坂部哲生 (2022年1月4日). “ワールドウォッチ:デリー首都圏で第2の国際空港着工、2024年開業予定”. 週刊エコノミストOnline. 2023年10月18日閲覧。
  19. ^ George, Christina (21 January 2020). “Explained: Why Delhi-NCR's second airport in Jewar town is significant”. The Indian Express. 23 July 2020閲覧。
  20. ^ Sinha, Saurabh (3 April 2018). “Greater Noida Airport foundation stone to be laid by Oct: Govt”. The Times of India. 11 May 2018閲覧。
  21. ^ 首都圏第2の国際空港建設進む”. 日印ビジネス支援協会 (2021年11月26日). 2023年10月18日閲覧。

外部リンク

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