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ネオボール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ネオボール: NEOBALL)は、 東芝ライテック株式会社[注 1]が製造販売していた電球型蛍光ランプ及びその商標[注 2]である[5][6]。日本国、欧州、東南アジア、北米及び中国で販売された[5][6][7][8][9]

東芝ライテック株式会社[注 1]は、1980年に「世界初」の電球と同じ形状となる「ネオボール」を、1984年に国内初のインバータ(高周波点灯電子回路)採用となる「電子ネオボール」を、1998年に「業界初」となる白熱電球とほぼ同じ形状とし且つ「世界最小」となる「ネオボールZ」を、2004年に「業界初」となる白熱電球と「同じサイズ」にまで小形化した「ネオボールZジャストサイズ」を、2005年に「業界初」となる白熱電球と形状並びに光り方が一致する「ネオボールZリアル」を発売した[10][11][12][13]。いずれも日本国の国立科学博物館産業技術史資料データーベースに登録されている[14][15][16][17]。また、一連の技術開発に対して第4回電気技術顕彰でんきの礎を受彰している[10][18]。OEMも行い、一部製品が日立ライティング株式会社の「ナイスボールV」、三菱電機オスラム株式会社の「スパイラルピカ」、三洋電機販売株式会社の「フレッシュボールS」及びNECライティング株式会社の「HGボール」として販売された[19][20][21][22][23][24]

2015年3月末をもって、LED電球のラインアップが揃ったことを理由に生産を終了した[25][26][27]

日本

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主なネオボール(60WタイプG形)のランプ初特性
品名 発売年 発光色 外径(mm) 全長(mm) 消費電力(W) 全光束(lm) 下方光度(cd) 定格寿命(h) 重量(g) 出典
白熱電球G形60W 電球色 95 126 60 725 56 2,000 50 [7][28]
ネオボール 1980 白色 110 145 20 550 6,000 420 [11]
ネオボールデラックス 1980 電球色 110 145 20 580 57 6,000 420 [8]
ネオボール17 1981 電球色 110 145 17 620 62 6,000 420 [7][29]
電子ネオボール 1984 電球色 110 145 17 830 88 6,000 220 [30]
ネオボールG17 1984 電球色 110 145 17 700 70 6,000 450 [30]
ネオボールQ 1991 電球色 95 [31]
ネオボール5 1994 電球色 95 130 15 810 150 [32]
ネオボールZ 1998 電球色 95 127 14 810 6,000 125 [33][34]
ネオボールZ 2000 電球色 95 127 12 810 6,000 127 [35]
ネオボールZ 2005 電球色 95 127 13 810 6,000 124 [36]
ネオボールZリアル 2012 電球色 95 127 11 730 10,000 130 [37]

ネオボール

1980年(昭和55年)7月に、「ネオボール」(BFLG100V20W-A[注 3])を発売した[5][38][39][40]。ランプ初特性は、白熱電球G形60Wタイプが外径95mm、全長126mm、消費電力60W、直下照度56lx、質量50g及び定格寿命2,000時間のところ、外径110mm、全長145mm、消費電力20W、直下照度54lx、質量420g及び定格寿命6,000時間だった[11][28][39][41]。管径17.5mmのガラス管を用い、ガラス加工技術を駆使して湾曲・蛇行させた鞍形状の発光管と、小形・軽量化された専用チョークコイル安定器を具備し、形状を白熱電球G形[注 4]に酷似させた[11]。しかし、光束(明るさ)は白熱電球G形60Wの725lmに対し550lmと及ばず、重量は白熱電球の4倍となる420gだった[11][28][41]。財団法人省エネルギーセンターの省エネルギー優秀作品賞を受賞した[44]

1980年末(昭和55年末)に、明るさを10%向上させた電球色(色温度2,800K)の「ネオボールデラックス」(BFLG100V20WW-DL(A)[注 3])を発売した[8][38][45]。ランプ初特性は、全光束580lm及び下方光度57cdだった[8]

1981年(昭和56年)に、メロウルック(色温度5,000K)の「ネオボールクリアー」(BFLG100V20C・EX(A)[注 3])を発売した[8][46][47]。ランプ初特性は、全光束630lm及び下方光度62cdだった[8][46]

1981年(昭和56年)に、消費電力を17Wに減じつつ明るさを白熱電球G形60Wと同等に改善させた「ネオボール17」白色(BFLG100V17W(A)[注 3])を発売した[7]。「ネオボール17」白色(BFLG100V17W(A))のランプ初特性は、白熱電球G形60Wが消費電力60Wで下方光度56cdのところ、消費電力17Wで下方光度62cdとなった[7]

1981年(昭和56年)に、希土類三波長蛍光体を採用するなどし、消費電力を17Wに減じつつ明るさを白熱電球G形60Wと同等以上に改善させた「ネオボール17」電球色(BFLG100V17WW-DL(A)[注 3])及び「ネオボール17」クリアー(BFLG100V17C・EX/C(A)[注 3])を発売した[7][11]。「ネオボール17」電球色(BFLG100V17WW-DL(A))のランプ初特性は、白熱電球G形60Wが消費電力60Wで下方光度56cd、従来品の「ネオボールデラックス」(BFLG100V20WW-DL(A))が消費電力20Wで下方光度57cdのところ、消費電力17Wで下方光度62cdとなった[7]。また、装飾照明用のカラーネオボールも発売した[29]。赤色、緑色及び青色の3色があった[29]

1982年(昭和57年)に、「ネオボールL21」電球色(BFLT100V21WW-DL(A)[注 3])、「ネオボールS13」電球色(BFLT100V13WW-DL(A)[注 3])及び「ネオボールBS13」電球色(FGL100V13WW-DL)を発売した[48]。「ネオボールL21」電球色(BFLT100V21WW-DL(A))は、高照度化への要望に応えるため、消費電力を21Wに高めることで、白熱電球G形60Wの1.2倍の明るさを実現した[48]。ランプ初特性は、白熱電球G形60Wが外径95mm、全長126mm、消費電力60W、全光束725lm、下方光度56cd及び定格寿命2,000時間のところ、外径110mm、全長180mm、消費電力21W、全光束900lm、下方光度63cd及び定格寿命6,000時間だった[48]。「ネオボールS13」電球色(BFLT100V13WW-DL(A))は、消費電力を13Wとすることで小型化しつつ、白熱電球G形40Wと同等の明るさを実現した[48]。ランプ初特性は、外径80mm、全長160mm、消費電力13W、全光束400lm、下方光度27cd及び定格寿命6,000時間だった[48]。「ネオボールBS13」電球色(FGL100V13WW-DL)は、安定器を内蔵しないことで、安価且つ重量を「ネオボール17」(BFLG100V17W(A))の三分の一とした[28][48]。ランプ初特性は、外径110mm、全長140mm、消費電力17W、全光束600lm、下方光度56cd及び定格寿命6,000時間だった[48]

1983年(昭和58年)に、白熱電球G形40Wと同等以上の明るさを三分の一の消費電力で実現した「ネオボール13」電球色(BFLG100V13WW-DL(A)[注 3])及び同メロウルック(BFLG100V13・EX/C(A)[注 3])を発売した[49]

1984年(昭和59年)に、アマルガム封入発光管を用いるなどの改良した「ネオボールG17」を発売した[30][38][50][51]。ランプ初特性は電球色(BFG100V17W・EX-L(A)[注 3])で、従来品である「ネオボール17」電球色(BFLG100V17WW-DL(A))の消費電力17W、全光束620lm、下方光度62cd、重量420gから、消費電力17W、全光束700lm、下方光度70cd、重量450gとなった[30][50]

1984年(昭和59年)に、アマルガム封入発光管を用いた発光管露出形(グローブレス形)の「ネオボールN17」を発売した[30][52]。ランプ初特性は電球色(BFN100V17W・EX-L(A)[注 3])で、外径80mm、全長150mm、消費電力17W、全光束730lm、下方光度49cd、重量420g及び定格寿命6,000時間だった[30]

1985年(昭和60年)に、発光管を従来の鞍形からさらに屈曲させた新形状(P形)にするなどして、明るさを従来品(BFG100V17W・EX-L(A))から7%向上させた「ネオボールT17」電球色(BFT17L(A)[注 3])及び同メロウルック(BFT17EX(A)[注 3])を発売した[53][54]。ランプ初特性は、従来品「ネオボールG17」電球色(BFG100V17W・EX-L(A))が、外径110mm、全長145mm、消費電力17W、全光束700lm、重量450gのところ、「ネオボールT17」電球色(BFT17L(A))は、外径80mm、全長164mm、消費電力17W、全光束810lm、重量480gとなった[30][53]

1986年(昭和61年)に、「ネオボール」養鶏用を発売した[55]。白熱電球30Wの明るさを9Wで実現、埃や水滴が入りにくい防滴構造、変色しないガラスのグローブ、扱いやすい筒型とし、定格寿命を8,000時間に長寿命化した[55]。ランプ初特性は、外径80mm、全長164mm、消費電力9W、全光束320lm、重量450gだった[55]

1988年(昭和63年)に「ネオボール80」を発売した[56]。「電子ネオボール100」のインバータ(高周波点灯電子回路)安定器を、一般鉄心形安定器に換装したもので、消費電力21Wで、白熱電球G形80W相当の明るさを実現した[56]

電子ネオボール

1984年(昭和59年)に、インバータ(高周波点灯電子回路)安定器を採用した「電子ネオボール17」電球色(BFG100V17W-L)、同メロウルック(BFG100V17W-N/C)及び「電子ネオボール21」電球色を発売した[30][38][40][57][58]。インバータ(高周波点灯電子回路)安定器は一石電圧共振形で、大幅な高効率化及び軽量化を実現したが、高価で小型化には貢献できなかった[32]。ランプ初特性は「電子ネオボール17」電球色(BFG100V17W・EX-L)で、従来品(BFLG100V17WW-DL(A)[注 3])の消費電力17W、全光束620lm、下方光度62cd、重量420gから、消費電力17W、全光束830lm、下方光度83cd、重量220gとなった[30][57]

1987年(昭和62年)10月に、「電子ネオボール100」電球色(EFD27 EX-L)、同メロウルック(EFD27 EX-N)及び同メロウルックD[注 5](EFD27 EX-D)を発売した[40][59][60]。コンパクト形蛍光ランプ「ユーライン2」に採用されたU字に曲げ、それを2本繋ぎ合わせた蛍光管を転用し、白熱電球100W級の明るさを得た[55][59][61]。「電子ネオボール100」電球色(EFD27 EX-L)のランプ初特性は、外径65mm、全長185mm、消費電力27W、全光束1,550lm、下方光度80cd、定格寿命6,000時間、重量200gだった[59]

1989年(平成元年)に、「電子ネオボール100」を全面改良し発売した[40][60]。電球色(EFD27EX-L-S)、メロウルック(EFD27EX-N-S)、メロウルックD(EFD27EX-D-S)の3種[60]

1993年(平成5年)に、「電子ネオボール100」を全面改良し発売した[60]。管径12.5mmの発光管とハーフブリッジ形インバータ(高周波点灯電子回路)安定器の採用により、従来品に比べ15%の省電力化と35%の軽量化を達成した[60][62]。電球色(EFD23EX-L)のランプ初特性は、外径59mm、消費電力23W、全光束1,550lm、重量130gだった[62]。1993年度グッドデザイン賞の日本産業デザイン振興会会長賞(地球にやさしいデザイン)を受賞した[60][63]

ネオボールQ(クイック)

1991年(平成3年)に、従来品から10%小型化した「ネオボールQ(クイック)」を発売した[31][40]。T形は、外径72mm、全長160mm、質量430gで、1991年度グッドデザイン賞を受賞した[12][41][63]

ネオボール5

1994年(平成6年)に、小型で廉価なハーフブリッジ形インバータ(高周波点灯電子回路)安定器と小型発光管を採用することで、大幅な小型化と高効率化を図った「ネオボール5」を発売した[32][64][65][66]。T形(EFT15)は、白熱電球応用器具への適合率を従来品の18%から40%以上に高めた[32][65]

1995年(平成7年)に、G形100WタイプのEFG23及びD形60WタイプのEFD15を発売した[66][67]。EFG23は、1本の発光管を5回折り曲げた「ファイブU」を採用した[67][68][69]。EFD15は、1995年度グッドデザイン賞を受賞した[63]

1996年(平成8年)に、D形100WタイプのEFD23を発売した[66][70]。管径12.5mmのU字管を3本繋いだ「トリプルU」発光管を開発するなどし、外径55mm、全長160mm、定格寿命8,000時間を実現した[70]。1996年度グッドデザイン賞を受賞した[63]

EFT25及びEFG23が1996年度グッドデザイン賞を受賞した[63][66]

1997年(平成9年)に、密閉形器具に対応するEFD13を発売した[63][66][71]。1997年度グッドデザイン賞を受賞した[63]

ネオボールZ

1998年(平成10年)に「業界初」となる白熱電球とほぼ同じ形状とし且つ「世界最小」となる「ネオボールZ」を、2004年(平成16年)に「業界初」となる白熱電球と「同じサイズ」にまで小形化した「ネオボールZジャストサイズ」を、2005年(平成17年)に「業界初」となる白熱電球と形状並びに光り方が一致する「ネオボールZリアル」を発売した[10][12][66]

外部リンク

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脚註

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註釈

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  1. ^ a b 東芝グループの蛍光灯製造販売事業は、社名変更やグループ再編などにより1984年(昭和59年)3月31日までは東京芝浦電気株式会社 が、翌4月1日からは株式会社東芝が、1989年(平成元年)2月1日からは東芝ライテック株式会社が担っている[1][2]
  2. ^ 「ネオボール」は、東芝ライテック株式会社の登録商標である[3][4]
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 対応する電源周波数によって製品の末尾に、50HzはA、60HzはBが付記される[8]
  4. ^ 白熱電球や電球形蛍光灯の形状及び寸法は日本産業規格(JIS C 7620-2やJIS C 7710など)で定められてい、電球形蛍光灯の形状にはA形(一般電球形状)やG形(ボール電球形状)などがある[42][43]
  5. ^ メロウルックDの色温度は6,700Kである[59]

出典

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