ヌカススキ
ヌカススキ | |||||||||||||||||||||||||||
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ヌカススキ
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分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Aira caryophyllea L. | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ヌカススキ |
ヌカススキ(糠薄、Aira caryophyllea L. )は、イネ科の植物の1つ。小柄な立つ草で、花序は細かな枝で広がり、ごく小さな小穂を多数つける。
特徴
[編集]小柄な1年生の草本[1]。地下茎はなく、稈は少数ないし多数が束になって生じる。稈はとても細く、ほぼ直立する。葉身は毛がなく、灰緑色をしており、長さ数センチほど、普通は両端が内側に巻き込んでおり、そのために幅はわずか0.3~0.5mmほどしかない。葉鞘はほぼ滑らかとなっており、葉舌は白く膜状で高さは3~5mmあって葉身に比べて目だって大きく見える。また先端は細く尖っている。
花期は5~6月。茎の先に出る花序は円錐花序となっており、その枝は糸のように細くて枝分かれしてまばらに広がる。小穂には柄があるがその長さは小穂自体の長さと同じかせいぜい2倍しかなく[2]、そのために小穂が枝先にまとまってつくように見える。小穂は長さ2.5~3.2mmで、内部には2個の小花を含む。小穂の外側は一対の包頴が被っており、それぞれ同じ長さで卵形、先端は尖っており、薄い膜質で銀白色、淡紫色から淡褐色までで、縁は無色透明となっており、全般に光沢がある。小花は包頴より少しだけ短く、2個共に同型で両性花となっている。小花を包む護頴は短い脈が5本入っており、上半分の表面は微小な針状突起で被われている。先端は小さな2歯状になっており、主脈は基部から1/3までのところで頴から離れて芒となって伸び出す。芒は半ばでよじれており、その先端は小穂より伸び出す。内頴は護頴より短い。葯は黄色で長さ0.3~0.5mm。
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植物体全体を示す
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花序の先端部分、小穂の柄は短い。
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更に拡大、1個の小穂から2本の芒が出ている。
分布など
[編集]原産地はヨーロッパであるが、南アメリカやニュージーランドにも帰化している[3]。
日本では帰化植物として知られ、明治の初めの頃に観賞用として持ち込まれたものが始まりで、東海地方以西に於いて、日当たりのよい道路脇などに見られるようになっており、しばしば群生している[3]。他方、清水編(2003)は原産地をヨーロッパ、北アフリカ、西アジアとし、帰化による分布地を世界中、日本では全国に帰化、としている[4]。
近縁種など
[編集]ヌカススキ属はヨーロッパから中東の温帯域にかけて8種が知られる[5]。日本に在来種は存在せず、本種と同様に帰化しているものがもう1種ある。
- Aira ヌカススキ属
- A. elegans ハナヌカススキ
この種もヨーロッパ原産で日本では帰化植物で、本種とほぼ同様な地域に帰化している[3]。この種は現在もドライフラワー用として栽培されることがある[6]。本種との区別点としては以下のようなものが挙げられる。
- 小穂は本種より小さく1.5~2mm。
- 小穂の柄は小穂の長さの2~5倍もあり、そのため本種のように枝先に小穂が集まる印象がなく、全体に散らばってつく。
- 第1小花の護頴に芒がなく、第2小花の護頴にのみ芒がある。つまり小穂1個に芒1本しか出ていない。
なお、本種は小さな小穂が円錐花序一面につく形からヌカボ属 Agrostis のものと見間違えやすいが、小花が2個あることから区別できる[7]。
出典
[編集]- ^ 以下、主として長田(1993),p.260
- ^ 長田(1993),p.262
- ^ a b c 清水他(2008),p.419
- ^ 清水編(2003),p.254
- ^ 大橋他編(2016),p.41
- ^ 以下も長田(1993),p.262
- ^ 長田(1993),p.260