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ニュウメンラン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニュウメンラン
ニュウメンランの花(2024年3月 沖縄県本部町 熱帯ドリームセンター)
保全状況評価
絶滅危惧IB類環境省レッドリスト
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
亜科 : セッコク亜科 Epidendroideae
: バンダ連 Vandeae
亜連 : Aeridinae
: ニュウメンラン属 Trichoglottis
: ニュウメンラン
T. luchuensis
学名
Trichoglottis luchuensis
(Rolfe) Garay et H.R.Sweet
シノニム
和名
ニュウメンラン、イリオモテラン
植栽(2024年3月 沖縄県本部町 熱帯ドリームセンター)

ニュウメンラン(学名:Trichoglottis luchuensis[1]ラン科常緑多年生草本。環境省絶滅危惧IB類[2]、沖縄県絶滅危惧IA類、石垣市自然環境保全条例保全種、竹富町希少野生動植物種[3]
文献により別名のイリオモテランで、また学名を旧属名Staurochilusなどで示されることもある。

特徴

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草丈20–70 cm。葉は長楕円形で厚く革質、長さ10–18 cmで互生する。総状花序は腋生し、長さ20–30 cm、7–20花をつける。花冠は径3 cmほど、淡黄色で褐色の斑点が入る。唇弁は白色で後ろに5 mmほどの短い距がある。開花期は4–6月で、花に強い香りがある[4][3][5]

分類

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レッドデータおきなわではフィリピン産のT. ionosmaと同種としつつも、フィリピン産は唇弁の形状が異なり、そちらをT. ionosma、台湾と琉球列島のものをT. luchuensisに分ける見解があるとしている[3]。POWOは両種[6][7]を分けている。本項における学名表記はYList、POWOなどに従いT. luchuensisとした。

分布と生育環境

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石垣島、西表島が分布域の北限で、国外では台湾、フィリピンに分布する。山地の自然林の樹冠に着生する。自生地では乱獲により減少[4][3][5][8]

脚注

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  1. ^ ニュウメンラン Trichoglottis luchuensis”. YList 植物和名-学名インデックス. ylist.info. 2024年11月9日閲覧。
  2. ^ (環境省 2020, p. 87)
  3. ^ a b c d (横田ほか 2018, p. 426)
  4. ^ a b (横田 1997, p. 154)
  5. ^ a b (沖田原 2021, p. 61)
  6. ^ Trichoglottis luchuensis (Rolfe) Garay & H.R.Sweet | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2024年11月9日閲覧。
  7. ^ Trichoglottis ionosma (Lindl.) J.J.Sm. | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2024年11月9日閲覧。
  8. ^ (遊川 2021, p. 175)

参考文献

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  • 横田昌嗣 著「イリオモテラン」、岩槻邦男ら監修 編『朝日百科 植物の世界』 4巻、朝日新聞社、東京、1997年、315–316頁。ISBN 9784023800106  ※ イリオモテラン属 Staurochilusとしている
  • 横田昌嗣・橋爪雅彦・豊見山元・横田昌嗣(追補)・阿部篤志(追補)「イリオモテラン(ニュウメンラン)」『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 第3版(菌類編・植物編)―レッドデータおきなわ―』沖縄県、2018年、426頁https://www.pref.okinawa.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/629/ikansokusyokubutsu.pdf Trichoglottis ionosmaとしている
  • 環境省 (2020年). “環境省レッドリスト2020”. 環境省レッドリスト2020の公表について. p. 87. 2024年6月30日閲覧。
  • 沖田原耕作「ニュウメンラン」『おきなわの園芸図鑑 園芸植物とその名前』新星出版、那覇市、2021年。ISBN 9784909366832  ※ スタウロキラス属 Staurochilusとしている
  • 遊川知久 著「ニュウメンラン属」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物』 1巻、平凡社、2021年、175頁。ISBN 9784582535389  ※ ニュウメンラン属 Staurochilusとしている

外部リンク

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