ニイハウ島
現地名: ‘O Ni‘ihau 愛称: Ka Moku Kapu i ka The Forbidden Isle (禁断の島、禁じられた島[1]) | |
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北東から | |
地理 | |
場所 | ポリネシア |
座標 | 北緯21度54分 西経160度10分 / 北緯21.900度 西経160.167度 |
諸島 | ハワイ諸島 |
面積順位 | ハワイ諸島で7番目の大きさ |
最高峰 | パニアウ山 |
行政 | |
州 | ハワイ州 |
郡 | カウアイ郡 |
人口統計 | |
人口 | 170(2010年時点) |
民族 | ハワイ人 |
ニイハウ島(ハワイ語: ‘O Ni‘ihau)は、太平洋のハワイ諸島にある個人所有の島である。
地理
[編集]カウアイ島から南西27kmに位置する、ハワイ諸島の主要8島で最西端の島である[2]。面積は179.9km2[3]で、主要8島のうちで2番目に小さい[2]。カウアイ島と並んで最も生成年代が古く[2]、490万年前から活動した楯状火山であるが、すでに活動は終え、山体は東側に大規模な地すべりで崩壊している。最高峰は標高381mのパニアウ山(Mauna Pānīʻau )[4]。ハワイ州では島ごとに島の色及び花(またはレイの素材)を制定しており、ニイハウ島の色は白、島の花(レイの素材)はププ貝とされている[5][6][7]。
島には、舗装された道路、自動車、商店、食堂、医師、警察、消防はない[8]。
歴史
[編集]1778年にジェームズ・クックがハワイ諸島を訪れた際には、カウアイ島に上陸した後にこの島の西側に停泊して、物々交換で食料や塩、水を調達して北アメリカ大陸への航海を続けた[2]。
1795年、カメハメハ1世によってハワイ王国が建国された後も、カウアイ島及びニイハウ島は首長カウムアリイ(Kaumualiʻi)の統治下にあった[9]が、カウムアリイは1810年にハワイ王国に服属し、カウアイ島及びニイハウ島はハワイ王国の一部となった[10]。
1864年、スコットランド人のエリザベス・シンクレア(Elizabeth Sinclair)夫人が、カメハメハ5世(在位1863年 - 1872年)から10,000ドルで、ニイハウ島を買い取った[11][12]。現在もシンクレア夫人の末裔であるロビンソン家がニイハウ島を所有している[1][2]。島民以外で島に出入りできるのは原則としてロビンソン家の親族とカウアイ郡の関係者だけで、一般人の出入りはヘリコプターによるツアーに限られている[2][13]。
島ではかつて放牧や養蜂が行われていたが、牧場は1999年に閉鎖されている[8]。
クックが島を訪れた1778年には約1万人が住んでいたとも伝えられているが、他の島への移住等により、1841年には約1,000人、1980年には226人と人口は急激に減少している[2]。2010年国勢調査による人口は170人[14]。牧場の閉鎖により雇用が失われたことも人口減少に拍車をかけている。実際に島に居住しているのは約70人にすぎず、夏季休暇の時期には30人を下回ることもあるという[8]。
生活
[編集]ニイハウ島には、所有者であるロビンソン家や、中国、ポルトガル、日本からの移民の子孫も住んでいる[2]が、住民のほとんどは純粋なハワイ人である[1][注 1]。彼らはハワイ語のニイハウ方言を使用し[2]、プウワイ(Puʻuwai)という村落で伝統文化を守った生活を送っているが[1]、カウアイ島へ買い出しに出たり、他の島に移住している親類宅を訪問するなど、他の島との往来も自由に行われている[2]。
ニイハウ島事件
[編集]1941年(昭和16年)12月7日、真珠湾を攻撃した日本海軍の零戦のうち1機がエンジントラブルのためニイハウ島に不時着した。操縦士の西開地重徳一飛曹は、一旦は日系アメリカ人2世の原田義男に救助され匿われたものの、住民に地図や拳銃を奪われ、取り戻すために戦ったのち、西開地は殺害され原田は自殺した。なお、島民にも負傷者が出た。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d “愛称はシークレットアイランド!ハワイ最大の謎、個人所有の島「ニイハウ島」”. TABIZINE. (2014年9月26日). オリジナルの2016年8月12日時点におけるアーカイブ。 2015年6月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “ニイハウ島”. ハワイ州観光局公式ラーニングサイト. ハワイ州観光局 (2015年11月27日). 2020年11月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月6日閲覧。
- ^ ハワイ州要覧 在ホノルル総領事館、2019年2月1日閲覧。
- ^ “Table 05.13 - Elevations of Major Summits”. 2019 State of Hawaii Data Book. State of Hawaii (2019年). 2021年7月7日閲覧。
- ^ “§5-16 State flower and individual island flowers”. The state of Hawaii. 2021年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月7日閲覧。
- ^ “§5-16.5 Official island colors”. The state of Hawaii. 2020年11月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月7日閲覧。
- ^ “ハワイ諸島8島の色と花”. ハワイ州観光局公式ラーニングサイト. ハワイ州観光局公式ラーニングサイト. 2021年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月6日閲覧。
- ^ a b c “Ni'ihau Today”. Niihau Heritage Cultural Foundation. 2021年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月7日閲覧。
- ^ “History of Ni`ihau”. Niihau Heritage Cultural Foundation. 2021年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月7日閲覧。
- ^ “Honoring Kauaʻi’s Peaceful King”. Ka Wai Ola. (2021年4月30日). オリジナルの2021年5月8日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Niihau manager Francis Sinclair”. The Garden Island. (2016年1月24日). オリジナルの2021年7月7日時点におけるアーカイブ。
- ^ “600 LIVING ON A PRIVATE HAWAIIAN ISLAND”. The New York Times. (1982年12月23日). オリジナルの2015年5月24日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Weekend Window to Niihau, Hawaii's 'Forbidden Island'”. ABC News. (2010年10月1日). オリジナルの2014年3月18日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “Island Population and Housing Units, State of Hawaii: 2010”. State of Hawaii Department of Business, Economic Development & Tourism Research and Economic Analysis Division Hawaii State Data Center (2011年6月). 2019年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月7日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ニイハウ島 ハワイ州観光局公式ラーニングサイト
- Ni‘ihau Cultural Heritage Foundation(英語)
- O'ahu, Ni'ihau, and Kaua'i - USGS