コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ナッシング・コンペアーズ・トゥー・ユー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ナッシング・コンペアーズ・トゥー・ユー」 (Nothing Compares 2 U) は、1980年代プリンスがザ・ファミリー(The Family)に提供した楽曲である。歌詞はそのザ・ファミリーのシンガーであったスザンナ・メルボイン(Susannah Melvoin)がモデルとなっている[1]1990年シネイド・オコナーによりカヴァーされ、欧米中のトップ・チャートを席巻、多くのミュージシャンもこぞってカヴァーし、プリンス本人もセルフ・カヴァーした。

ザ・ファミリー版

[編集]

プリンス直轄のバンドとして結成されたファンク・バンドのザ・ファミリーは、1985年にセルフ・タイトル・アルバムThe Family)を発表、その中の収録曲が「ナッシング・コンペアーズ・トゥー・ユー(Nothing Compares 2 U)」だったが、シングル・カットも無く、ほとんど注目されなかった。

シネイド・オコナー版

[編集]
「愛の哀しみ
Nothing Compares 2 U」
シネイド・オコナーシングル
初出アルバム『蒼い囁き
リリース
規格 CD シングル、7" シングル、12" マキシ・シングル
ジャンル アダルト・コンテンポラリーソフトロック
時間
レーベル クリサリス・レコード
作詞・作曲 プリンス
プロデュース シネイド・オコナー、ネリー・フーパー
シネイド・オコナー シングル 年表
ジャンプ・イン・ザ・リヴァー(Jump in the River)
1988年
愛の哀しみ
1990年
エンペラーズ・ニュー・クローズ(The Emperor's New Clothes)
1990年
テンプレートを表示

背景

[編集]

アイルランドの歌手シネイド・オコナーは、1989年にこの曲をレコーディングし、2作目のアルバム『蒼い囁き』(I Do Not Want What I Haven't Got)に収録したところ、世界的なヒット曲となった。ミュージック・ビデオMTVで人気となり、欧米中のトップ・チャートを席巻した。米国のモダン・ロック・トラックスチャートでも1位となり、オコナー版は「ビルボード」の「Greatest Songs of All Time」で第77位となり[2]VH1の「100 Greatest Songs of the 90s"」で10位を獲得した[3]

これを受けて、プリンスもコンサートでセルフ・カヴァーし、そのライブ音源を1993年の『ザ・ヒッツ & Bサイド・コレクション』(The Hits/The B-Sides)と『ザ・ヒッツ1』(The Hits 1)に収録した。この曲は、プリンスと当時プリンスのバックバンドのニュー・パワー・ジェネレーション(New Power Generation)にいたロージー・ゲインズ(Rosie Gaines)のデュエットで歌われた。

1990年、全英チャート1位(Music Week)[4]、全米チャート1位(ビルボードHot100)[5]を記録した。全楽器の演奏とプログラミングを屋敷豪太が担当した[6]

ミュージック・ビデオ

[編集]

主にパリで撮影された「愛の哀しみ」のミュージック・ビデオは、ジョン・メイベリー(John Maybury)監督により撮影された。このビデオは、ほぼ全編をこの曲を歌うオコナーの顔のクローズアップだけで構成されており、終わりの方で2筋の涙が彼女の頬を伝い落ちる。オコナーは、VH1の「100 Greatest Songs of the 90s」で涙の理由を「ママが裏庭に植えた花はママがいなくなってから全て枯れてしまった。」(All the flowers that you planted, Mama/in the back yard/All died when you went away)という詩が原因だと語った。これは、オコナーと彼女を虐待したという死んだ母親との間に非常に複雑な関係があったためであった。1990年度のMTV Video Music Awardsで、女性アーティスト初の最優秀賞(Best Video)を獲得した。

評価

[編集]
  • 2002年、VH1の「the greatest one-hit wonder」で18位となった。
  • 2006年Channel 5の番組「"Britain's Favourite Break-up Songs"」でシネイド・オコナー版が5位になった。
  • VH1 クラシックの「the greatest classic love song」で、シネイド・オコナー版がアル・グリーンの「Let's Stay Together」に次いで2位になった。
  • 2007年、VH1の「100 Greatest Songs of the 90s」でシネイド・オコナー版が10位となった。
  • 2008年、VH1の「Final Countdown - Top 50 Heartbreakers」で第1位となった。

収録曲

[編集]
7" シングル
  1. "Nothing Compares 2 U" — 5:08
  2. "Jump in the River" — 4:13
CD マキシ
  1. "Nothing Compares 2 U" — 5:08
  2. "Jump in the River" — 4:13
  3. "Jump in the River" (instrumental) — 4:04

認定

[編集]
認定 日付 認定販売数
オーストリア[7] プラチナ 1990年5月15日 3万
ドイツ[8] ゴールド 1990年 15万
スウェーデン[9] ゴールド 1990年3月1日 1万
英国[10] プラチナ 1990年3月1日 60万
米国[11] プラチナ 1990年4月20日 100万

チャート

[編集]
先代
"ハンギン・タフ" by ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック
アイルランド IRMA No.1 シングル
25 January 1990 - 1 March 1990 (6 weeks)
次代
"ラヴ・シャック" by B-52's
先代
"ティアーズ・オン・マイ・ピロー" by カイリー・ミノーグ
UKシングルチャート No.1 シングル
3 February 1990 - 24 February 1990 (4 weeks)
次代
"ダブ・ミー・グッド・トゥ・ミー" by ビーツ・インターナショナル
先代
"All Around the World" by リサ・スタンスフィールド
ノルウェー VG-Lista No.1 シングル
7/1990 - 16/1990 (10 weeks)
次代
"ヴォーグ" by マドンナ
先代
"Me So Horny" by ツー・ライヴ・クルー
Dutch Top 40 No.1 シングル
17 February 1990 - 7 April 1990 (8 weeks)
次代
"ザ・パワー" by スナップ!
先代
"ジミー・ディーン" by トロール
スウェーデン No.1 シングル
21 February 1990 - 18 April 1990 (8 weeks)
次代
"ヴォーグ" by マドンナ
先代
"ゲット・アップ!" by テクノトロニック
スイス No.1 シングル
24 February 1990 - 29 April 1990 (10 weeks)
次代
"ザ・パワー" by スナップ!
先代
"Pump ab Das Bier" by Werner Wichtig
ドイツ No.1 シングル
2 March 1990 - 11 May 1990 (11 weeks)
次代
"フェルダムト、イッヒ・リーベ・ディッヒ" by マティアス・ライム
先代
"Bakerman" by レイド・バック
オーストリア No.1 シングル
4 March 1990 - 22 April 1990 (8 weeks)
次代
"Ding Dong" by エルステ・アルゲマイネ
先代
"Cuts You Up" by ピーター・マーフィー
Billboard Modern Rock Tracks No.1 シングル
31 March 1990
次代
"ブルー・スカイ・マイン" by ミッドナイト・オイル
先代
"ドント・メイク・ミー・オーヴァー" by シビル
ニュージーランド (RIANZ) No.1 シングル
6 April 1990 - 4 May 1990 (5 weeks)
次代
"Walk on the Side" by Jamie J Morgan
先代
"I'll Be Your Everything" by Tommy Page
Billboard Hot 100 number-one single
ARC Weekly Top 40 No.1 シングル

21 April 1990 - 12 May 1990 (4 weeks)
次代
"ヴォーグ" by マドンナ

その他のカヴァー版

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ Lewis, Everett, DVD commentary, Luster
  2. ^ Billboard Hot 100 Chart 50th Anniversary
  3. ^ http://blog.vh1.com/2007-12-13/top-100-songs-of-the-90s/
  4. ^ [1]Music Week Sinéad O'Connor - Nothing Compares 2 U
  5. ^ [2]Billboard Database Sinéad O'Connor - Nothing Compares 2 U
  6. ^ 第69回 屋敷 豪太 氏 プロデューサー/アレンジャー/ドラマー”. 音楽業界総合情報サイト | Musicman (2009年5月17日). 2024年10月12日閲覧。
  7. ^ Austrian certifications ifpi.at (Retrieved September 3, 2008)
  8. ^ German certifications musikindustrie.de (Retrieved 3 September 2008)
  9. ^ Swedish certifications Ifpi.se Archived 2012年5月21日, at the Wayback Machine. (Retrieved 11 September 2008)
  10. ^ UK certifications Bpi.co.uk (Retrieved 3 September 2008)
  11. ^ U.S. certifications riaa.com (Retrieved 3 September 2008)
  12. ^ a b c d e f "Nothing Compares 2 U", in various singles charts Lescharts.com (Retrieved 7 April 2008)
  13. ^ De Nederlandse Top 40, week 7, 1990”. 2008年10月28日閲覧。
  14. ^ German Singles Chart Charts-surfer.de (Retrieved 7 April 2008)
  15. ^ Irish Single Chart Irishcharts.ie (Retrieved 7 April 2008)
  16. ^ Italian Single Chart Hit parade Italia (Retrieved 30 May 2008)
  17. ^ UK Singles Chart ChartArchive.org (Retrieved 2012-07-01)
  18. ^ a b c d Billboard Allmusic.com (Retrieved 2012-07-01)
  19. ^ 1990 Australian Singles Chart aria.com (Retrieved 3 September 2008)
  20. ^ 1990 Austrian Singles Chart Austriancharts.at (Retrieved 3 September 2008)
  21. ^ 1990 Swiss Singles Chart Hitparade.ch (Retrieved 3 September 2008)

外部リンク

[編集]